シナリオ 8月9日(水曜日)・その2
帰ってきた!
※寮前
ヨロヨロと歩きながら寮へと着く。
三日ぶりだろうか。
帰ってきたって感じだ。
真緒「みんなは中にいるの?」
芽衣子「はい、おそらく真緒様を迎える準備をしていると」
真緒「そっか、それで岸岡一人の出迎えか」
芽衣子「はい。私もそうしたかったですし」
真緒「そうだな、ありがとう」
※にゃー
芽衣子「え?」
真緒「猫?」
芽衣子「真緒様、この声は」
真緒「え、まさか」
※にゃー
キョロキョロと辺りを探すと、そこには見覚えのある猫がいた。
そう、オルトロスだ。
芽衣子「オルトロス! 帰ってきたのね!」
真緒「無事だったのか、良かったな」
芽衣子「はい! こんなに嬉しいことが続くなんて!」
真緒「ああ、ぼくも嬉しいよ」
芽衣子「真緒様が祈ってくれたおかげです!
オルトロスも感謝しなさい」
真緒「っと岸岡、また猫が来たぞ」
芽衣子「え?」
オルトロスの後ろからまた猫が歩いてきた。
少し大きな大人の猫と、それに付き従って歩く子猫が三匹。
真緒「これ、もしかして」
芽衣子「オルトロス? お前の子どもなの?」
※にゃー
真緒「はは、そうみたいだな」
芽衣子「じゃあ、この大きな猫はお前の奥さんなの?」
※にゃー
真緒「いなくなってたのはこういう事だったのか」
芽衣子「真緒様、オルトロスに先を越されてしまいましたね……」
真緒「そうだな、でも」
芽衣子「はい、とても嬉しいです。オルトロスだけが気がかりでしたから」
真緒「そうだな、これでほんとにスッキリしたな」
芽衣子「はい!」
真緒「………」
オルトロスに話しかける岸岡は、とても穏やかで幸せそうだった。
色々あったけど、こうして笑って寮に戻ってこれてぼくも凄く幸せだ。
真緒「岸岡、オルトロスも連れて寮に入ろうか。外は暑くてさ」
芽衣子「はい、それじゃ行きましょう」
真緒「うん」
芽衣子「あ、真緒様」
真緒「ん?」
芽衣子「不束者ですが、これからも芽衣子をよろしくお願いします」
真緒「ん、もちろんだよ」
芽衣子「……それと真緒様」
真緒「ん?」
芽衣子「芽衣子は真緒様が大好きです!」
ぼくと岸岡の夏休みもひとつの区切りをむかえ、終わろうとしていた。
次の区切りはきっと──
最終更新:2010年09月12日 23:17