シナリオ 7月2日(月曜日)・その5
私の中の影羅
初授業を終えて職員室へと戻る。[lr]
ま、授業というかHRだけど。[plc]
双葉「あ……お疲れさまです」[plc]
真緒「音河先生こそ」[plc]
双葉「あの……どうでしたか?」[plc]
真緒「いや、それが、大変そうなクラスだなって」[plc]
双葉「大変?」[plc]
真緒「問題児が多いっていうんでしょうか。ちょっと不安です」[plc]
双葉「先生のクラスは元気の良い子たちが多いですから」[plc]
真緒「元気が良い……ですか。たしかにそうですね」[plc]
双葉「慣れれば大丈夫ですよ。きっと」[plc]
真緒「そうだといいんですけどね」[plc]
双葉「はい」[plc]
真緒「そういえば、音河先生は何の担当なんですか?」[plc]
双葉「え? わ、わたしですか? わたしは音楽を……」[plc]
真緒「そうなんですか。言われてみれば、見た目も音楽教師っぽいですよね、その眼鏡とか」[plc]
双葉「そ、そうでしょうか……」[plc]
真緒(オッパイも大きいしな)[plc]
双葉「あ、あの……どこを見てるんですか?」[plc]
真緒「あ、いや別にどこも!」[plc]
双葉「そう、ですか?」[plc]
真緒「そ、そんな事より眼鏡凄く似合ってますよ」[plc]
双葉「そ、そうでしょうか……そんな事初めて言われました」[plc]
真緒(お? 嬉しそう。もっと褒めてみるか)[plc]
真緒「でもきっと眼鏡外しても綺麗なんでしょうね。[l]
ちょっと見てみたいなーなんて、はは」[plc]
双葉「ええっ!? な、何を言ってるんですか要先生!!」[plc]
真緒「あ、冗談ですよ冗談? そんなに驚かなくても」[plc]
双葉「これを外したらどうなるか分かっているんですか?
これを外したら……」[plc]
真緒「音河先生?」[plc]
双葉「こ、これを外したら影羅が……影羅が出てしまうんです」[plc]
真緒「えいら? あの、いったい何の話を?」[plc]
おや? 音河先生の様子が……
[plc]
双葉「わたしがわたしじゃなくなるんです。[lr]わたしが影羅になってしまうんです。そうなったらきっときっと……」[plc]
真緒「よく分からないですけど……眼鏡を取ると危ないと?」[plc]
双葉「はい……影羅はとても凶暴なんです」[plc]
真緒「影羅……」[plc]
双葉「要先生を……ううん先生だけじゃない。[l]
他の先生方や生徒までも傷つけてしまうかもしれないんです」[plc]
真緒「………」[plc]
……莉緒たちと同じ匂いがする。[lr]
ぼくの気のせいだと思いたいが……[plc]
いくらなんでも、教師まで中二病の訳は無いと信じたい。[plc]
だいたい音河先生は大人なんだしさ……[plc]
これはそう、からかわれてる。[plc]
なら──[plc]
眼鏡を外してみる ※すぐ下へ
冗談ですよね? ※もっと下
影羅
真緒(思い切って外してみるか……)[plc]
真緒(たぶん冗談だろうから怒らないと思うし)[plc]
真緒(隙をみて、ここは──)[plc]
双葉「だから、眼鏡を外すわけにはいかないんです」[plc]
真緒「今だ!」[plc]
双葉「もうこの話はやめ──」[plc]
双葉「え? あ? きゃぁあああああああ」[plc]
眼鏡を取ると同時に絶叫に近い悲鳴があがる。
予想外の反応にぼくも驚いてしまった。[plc]
一瞬反省するが、やってしまった事はもうしょうがない。[plc]
それより、これでいったいどうなるんだ?[plc]
真緒「あ、すいません。でも、そんなに叫ばなくても」[plc]
双葉「………」[plc]
真緒「あ、あの? 音河先生?」[plc]
双葉「よくも外しやがったなこの野郎……」[plc]
真緒「え??」[plc]
双葉「あれほど忠告したのにいい度胸じゃねーかよ」[plc]
音河先生の言葉が変わった。[lr]
こ、これも冗談なんだろうか……[plc]
真緒「あ、あの音河先生? その……いきなり眼鏡外したのは謝ります。[l]ですから、もう冗談はやめにしませんか?」[plc]
双葉「冗談だと?」[plc]
真緒「は、はい」[plc]
双葉「冗談なんかじゃねーぞこの野郎!!」[plc]
真緒「す、すいません……」[plc]
きつい言葉と視線に謝ってしまう。[plc]
しかし、これはいったい……[lr]
仮に冗談じゃないとしても、眼鏡を取ると別人格ってそんなの聞いた事無い。[plc]
それとも……音河先生もやっぱり莉緒と同じ?[plc]
双葉「俺を目覚めさした罪だ。たたたきのめして……」[plc]
真緒(噛んじゃってるよ……)[plc]
双葉「ごほんっ……叩きのめしてやるよ!」[plc]
……この感じ、誰かと似てる。[lr]
そう、八十記だ。[plc]
言葉はきついけど、無理に言ってる感が出て怖くはないんだ。[plc]
双葉「な、なんだ? 黙り込んでなにを考えているんだ。[l]まさか、びびっちゃったのか?」[plc]
噛んだ事の恥ずかしさからか、少し照れてる様子。[plc]
ちょっと可愛いな。[plc]
真緒「いえ、その、すいませんでした。[lr]
眼鏡を返しますので、どうかお怒りを鎮めていただけませんか?」[plc]
双葉「ふん、そこまで言うならいいだろう」[plc]
真緒「ありがとうございます」[plc]
莉緒たちのおかげか、すんなりと切り返しの言葉が出てくる。[l]
少し前のぼくなら、ただアタフタしてただけだっただろう。[plc]
しかし、音河先生まで……[lr]
どうなってんだよこの学園は……[plc]
真緒「では眼鏡を返します」[plc]
双葉「……良いだろう」[plc]
真緒「………」[plc]
双葉「………」[plc]
真緒「………」[plc]
双葉「……どうやら影羅を目覚めさせたみたいですね」[plc]
真緒「はぁ……」[plc]
双葉「あれ程私が言ったのに、どうしてそんな危険な事をするんです!?」[plc]
真緒「ぼくは冗談だと思ってつい……」[plc]
双葉「ついじゃありませんよ! 影羅は危険なんです!」[plc]
双葉「私は……私は要先生や、生徒たちの事を思って言ったのに……うっ…うっ…」[plc]
※合流へ
冗談
きっとぼくをからかってるんだろう。[plc]
まったく……冗談を言いそうにもない感じなのに、人が悪いな。[plc]
真緒「なるほど、眼鏡を外すと影羅が出ると。[l]そしてそれはとても凶暴だと言うんですね」[plc]
双葉「は、はい……」[plc]
真緒「はは、まるで寮の子たちみたいですね。[lr]
なかなか感じ出てますよ音河先生」[plc]
双葉「……冗談なんかじゃありません」[plc]
真緒「え?」[plc]
双葉「ひどい! わたしは要先生を思って言ったのに……うっ…うっ…」[plc]
合流
真緒「え、あ、あの音河先生?」[plc]
音河先生が泣き始めた。[lr]
ええっと、これはいったい……[plc]
とても嘘泣きには見えないけど……[lr]
いや、でも、嘘泣きかもしれない。[plc]
わ、分からない。[lr]
どど、どうすれば。[plc]
真緒「あ、あのですね。と、とりあえず落ち着いて下さい」[plc]
双葉「……うぐっ…ふえぇ……」[plc]
真緒「あ、あの……」[plc]
や、やばい、演技じゃないなこれ。[lr]
と、とにかく落ち着かせないと。[plc]
この状況を誰かに見られたら、ぼくが泣かしたように思われる。[plc]
莉緒「失礼しま──」[plc]
真緒「り、莉緒!?」[plc]
莉緒「あー!!」[plc]
一番見られたくない人が……[plc]
真緒「莉緒! 叫ぶな!!」[plc]
莉緒「双葉先生になにしてるの!!」[plc]
真緒「な、何もしてない何も……」[plc]
莉緒「じゃあ、なんで泣いているのよ!?」[plc]
真緒「誤解だ! 話を聞いてくれ!」[plc]
莉緒「よくも双葉先生を……許さないわ魔王!!」[plc]
自分から聞いといて聞く耳を持たない。[lr]
さすが莉緒、そろそろ分かってきたぞ。[plc]
真緒「だ、だから話をだな」[plc]
莉緒「騙されないわよ!」[plc]
双葉「……えーん」[plc]
最終更新:2010年07月13日 00:43