シナリオ 7月2日(月曜日)・その6
妙な視線
ショックを引きずったまま、本格的な授業へと入る。[plc]
わめき散らしてる莉緒を落ち着かせ、音河先生を泣き止ませる。[plc]
さらに、集まってくる他の先生への説明。[plc]
──ろくに準備もできなかった。[plc]
だけど、意外にもスムーズに流れている授業。[plc]
生徒たちも静かによく聞いている。[plc]
ま、ごく一部の生徒を除いてだけど……[plc]
真緒「じゃ、この問題は寺……」[plc]
莉緒「魔王を追い出す秘密の計画を……[lr]
私のアンブレイラでなんとかしなくちゃ……[lr]
でもその前に岸岡芽衣子を……ブツブツ」[plc]
真緒「………」[plc]
莉緒「早くしないと真緒くんが……[lr]
私が助けてあげるから、待ってて……」[plc]
ぼくを倒す計画……だろうな。[lr]
聞こえないように下を向いて言ってるようだが、
声が大きいから丸聞こえだ。[plc]
仕方ない、ここは別の人を……[plc]
真緒
「じゃなくて、岸──じゃなくて……」[plc]
芽衣子「………」[plc]
あまりの熱視線に思わず目をそらす。[plc]
今だけじゃない、授業が始まってからずっとだな。[plc]
熱心に取り組んでる……んだろうか。[lr]
でも岸岡のはなんか違うような気がする。[plc]
ま、まあ、真面目なら良しとするか。[plc]
問題はもう一つ。
阿部高の視線だ──[plc]
岸岡と同じく、授業開始からずっと視線を感じる。[l]
ただ、違うのは……[plc]
岸岡は顔だけをずっと見てる……と思う。[plc]
に比べ、阿部高はぼくの全身を、[lr]
特に下の方に目がいってるような気が……[plc]
き、気のせいだよな? うん。[plc]
真緒「じゃ、じゃあ北上、この問題分かるか?」[plc]
奏「………」[plc]
何も言わずにらんでくる北上。[lr]
当てられたから怒ってるのか?[plc]
真緒「ん、分からないか?」[plc]
奏「………」[plc]
真緒「じゃあ、他の人にやって貰おうか」[plc]
奏「……昨日逃げたし」[plc]
真緒「え?」[plc]
吐き捨てるようにそう言って席に着いた。[plc]
昨日逃げた?[lr]
思い当たる事は、八十記に助けてもらった屋上の事。[plc]
そうだとしたら、なんで今頃?[lr]
さっきまで普通だったのに……[plc]
うーん、女の子は分からないな。[plc]
真緒「じゃあ八十記、分かるか?」[plc]
せえら「分かるわけにゃーですわ!」[plc]
真緒「分かりません、でいいんだぞ八十記」[plc]
せえら「ほんと口うるさいですわね。まったく、今度のセンコーときましたら」[plc]
八十記も駄目か。[lr]
じゃ、ここはやっぱり。[plc]
真緒「……寮長はどうかな?」[plc]
寮長「はい」[plc]
予想通り正解を答えてくれ、授業は進み出す。[plc]
寮の子たちを何とかしたい。[lr]
そう意気込んではいた。[plc]
でも、授業が止まってしまうと他の子が進まない。[plc]
かと言って、ずっとほったらかしにはできない。[plc]
……教師って難しいな。[plc]
最終更新:2010年07月13日 00:46