シナリオ 7月4日(水曜日)・その1
早めの出勤
朝が来た。[lr]
起きてすぐに窓を開け、風を部屋に入れる。[plc]
さわやかな初夏の風が清々しく、涼しい。[plc]
寮の周りに風を遮る物がないせいか、朝と晩は冷房いらずだ。[plc]
窓から入る風を受けながら、ふと昨日の夜の事を思い出す。[plc]
あれから、ロックについて熱く語り始める北上にかなり付き合わされた。[plc]
途中、持ち帰った仕事をしたくて戻ろうとすると、必死で止められる有様。[plc]
そのせいでって訳じゃないけど、なんだか仕事をする気も起きなくて、[plc]
『学園でやろう』と早々に寝てしまった。[plc]
真緒「よし、行くか」[plc]
着替え終えると、ぼくは部屋を後にした。[plc]
真緒「ぬう……」[plc]
静かだ。[lr]
静かすぎる。[plc]
耳に入るのは鳥の声と、木々を揺らす風の音だけだ。[plc]
この、あまりにもさわやかな朝に違和感を覚える。[plc]
それはなぜか……という問いに、答えはすぐ出た。[plc]
朝起きてからここまでの間、莉緒たちに会っていないからだ。[plc]
まだ皆寝てるのかもしれない。[lr]
と思うほど早い時間にぼくは寮を出たわけで。[plc]
静かなのは結構な事だけど、
この物足りないような気持ちはいったい……[plc]
奏「まって~! セ~ンセ」[plc]
真緒「ん? この声は」[plc]
奏「へへ、追いついた。センセおはよ」[plc]
真緒「やっぱり北上か。おはよう」[plc]
奏「もー、センセ! 行くの早すぎるよ!」[plc]
真緒「うん、ちょっとやらなきゃいけない事があってさ」[plc]
奏「ふーん」[plc]
真緒「北上も早いじゃないか。まだ皆は起き出した頃だろ?」[plc]
奏「アタシもちょっとやることあるし。[lr]
そそ、メイコとリオが探し回ってたよ」[plc]
真緒「探し回って……」[plc]
奏「そ」[plc]
二人の姿が目に浮かぶよ。[lr]
ぼくがいなくなったとかそんな事でドタバタしてるんだろうな。[plc]
真緒「……やれやれ。[l]ま、それはいいとして」[plc]
「一緒に登校するか?」
「やる事ってなんだい?」
登校
真緒「北上、せっかくだし一緒に行くか?」[plc]
奏「うーん、アタシは先にいく」[plc]
真緒「そっか」[plc]
奏「ごめんねセンセ」[plc]
真緒「謝る事ないよ。用事あるみたいだしさ」[plc]
奏「うん」[plc]
奏「えと、あ、あのさセンセ。昨日のさ……」[plc]
真緒「ん?」[plc]
奏「えっと、その……センセのおかげでアタシ、意欲沸いてきたんだ。だからさんきゅな」[plc]
真緒「え? あ、うん」[plc]
奏「じゃセンセ、先にいくね」[plc]
用事って?
真緒「やる事ってなんだい?」[plc]
奏「そ、それは……」[plc]
真緒「日直じゃないだろ?」[plc]
奏「ちがうし」[plc]
真緒「じゃ、なんだ?」[plc]
奏「もーいちいちうるさいよセンセ!!」[plc]
真緒「あ、いや、気になったからさ」[plc]
奏「後で分かるし」[plc]
真緒「後で?」[plc]
奏「そんなことよりセンセ、昨日のさ……」[plc]
真緒「ん?」[plc]
奏「えっと、その、センセのおかげでアタシ、意欲沸いてきたんだ。だからさんきゅな」[plc]
真緒「え? あ、うん」[plc]
奏「じゃセンセ、先にいくね」[plc]
**合流地点へ
***合流地点
最終更新:2010年07月18日 00:52