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シナリオ 7月4日(水曜日)・その2

 魔王としもべ



走っていく後ろ姿をみつめながら思う。[plc]
なんの意欲だろうと。[plc]
昨日の今日だから、ギターの意欲ってとこだろうか。[plc]

そんな事よりも勉強の意欲を──[lr]
って、数年前のぼくが言われてたな。[plc]

楽器にのめり込む気持ちは痛いほど分かる。[plc]
分かるけど……他の事をおろそかにするようなら教師として注意しなきゃな。[plc]

真緒「今度はぼくが注意する立場か……」[plc]

……そういえば、北上の腕前って?[plc]

真緒「ま、今度見せてもらうか」[plc]



芽衣子「なにをです?」[plc]

真緒「わっ!?」[plc]

芽衣子「………」[plc]

真緒「き、岸岡か。いつのまに」[plc]

芽衣子「おはようございます真緒様。たった今追いつきました」[plc]

走ってここまで来たのか、少し息があがっている。[plc]

真緒「あ、ああ、おはよう岸岡」[plc]

芽衣子「真緒様、誰になにを見せてもらうのです?」[plc]

真緒「え? ああ、北上のギターの事だよ」[plc]

芽衣子「北上さんのギター?」[plc]

真緒「ああ、いつもギターケース持ち歩いてるし、どれ位弾けるのかなって思ってさ」[plc]

芽衣子「……それは、なにかの計画ですか?」[plc]

真緒「計画? なんの事?」[plc]

芽衣子「魔王様、私は忠実な僕。[l]決して敵に漏らすような事は致しません」[plc]

芽衣子「ですから、どうかお話下さい」[plc]

真緒「い、いや、あのね……作戦もくそも無いんだけど」[plc]

芽衣子「なるほど……魔王様だけで動くのですね」[plc]

真緒「いや、だから──」[plc]

真緒「あのね、別に何かをするわけじゃないの。
ただギターの腕前を見せてもらうってだけ」[plc]

そう言って岸岡の顔を見る。[plc]
真剣にぼくを見つめる目は相変わらずだが、
表情の変化は無く、何を考えているのか分からない。[plc]

芽衣子「………」[plc]

真緒「とにかくそういう事、それと魔王様は駄目だって」[plc]

真緒「その……真緒様ってのも止めて、先生と呼ぶ事。いいね?」[plc]

芽衣子「真緒様ではなく先生と?」[plc]

真緒「そ。寮の中では別によかったけど、学園でそれはまずいよ」[plc]

真緒「岸岡だって分かるだろ? 変な誤解をされかねないしさ」[plc]

芽衣子「……誤解」[plc]

真緒「そうだ。生徒と教師以上の関係を疑われるって事」[plc]

真緒「そういう噂が立つと、ぼくも迷惑っていうか……」[plc]

真緒「ぼくだけじゃない、岸岡だって色々言われたりして嫌な思いをすると思うんだ」[plc]

真緒「噂ってさ、根も葉もない尾ひれがつくだろ?」[plc]

芽衣子「……迷惑」[plc]

真緒「ああ、そうだ。面倒な事になりかねないからな」[plc]

莉緒たちと違って、聞く耳を持っている岸岡が相手のせいだろうか。[l]
徐々に説教モードになっていくぼくがいる。[plc]

真緒「嘘も広まれば嘘じゃなくなるっていうのかな?」[plc]

真緒「えっと、都市伝説だっけ。[l]あれと同じような感じでさ」[plc]

芽衣子「………」[plc]

真緒「実際にそうならまだしも、ぼくと岸岡は生徒と教師って関係だけだしな」[plc]

芽衣子「………」[plc]

真緒「つまりだ、これからは寮の中でも先生と呼ぶ事」[plc]

真緒「いいね?」[plc]

芽衣子「………」[plc]

じっとぼくを見ているが、黙ったままの岸岡。[plc]
怒ってるわけじゃなさそうだけど……[plc]

真緒「岸岡?」[plc]

芽衣子「………」[plc]

真緒「……岸岡?」[plc]

芽衣子「僭越ながら申しあげます」[plc]

真緒「うん」[plc]

芽衣子「この所、魔王様は……その、魔王様としての威厳をお忘れになっておられるように見受けられます」[plc]

真緒「あ、いや、だから……」[plc]

芽衣子「何よりの証拠がさきほどの言葉です。
あのような言葉……」[plc]

芽衣子「まるで私を必要としないようなあの言葉……」[plc]

真緒「必要とか不必要とかじゃなくてさ……」[plc]

芽衣子「それだけでは御座いません!」[plc]

真緒「な、なんだ?」[plc]

芽衣子「何故に、寺井莉緒に対しては甘いのですか?」[plc]

真緒「莉緒に対して?」[plc]

芽衣子「それです。なぜ名前で呼ぶのです?」[plc]

芽衣子「あのような者、貴様でも過ぎた呼び方です」[plc]

真緒「そ、それは……」[plc]



「子どもの頃から知ってるからかな」
「ゆ、油断させるためだよ」
「莉緒はなんていうか……」





子供





真緒「子どもの頃から知ってるからつい、ね。[lr]でもそれは気をつけるよ」[plc]

芽衣子「……そうですか」[plc]

芽衣子「……真緒様、私のことは芽衣子とお呼び下さい」[plc]

真緒「いや、だから、教師と生徒で……」[plc]

真緒「……はぁ、とにかく学園へ行こう」[plc]

芽衣子「はい真緒様。そのお荷物、私がお持ちいたします」[plc]

真緒「………」[plc]





油断




真緒「ゆ、油断させるためだよ」[plc]

芽衣子「油断を」[plc]

真緒「そ、そういう事だ」[plc]

真緒(あれ? 昔からの癖だからって、なんで正直に言わないんだ)[plc]

芽衣子「さすが魔王様ですね」[plc]

真緒「はは……」[plc]

真緒(ま、まぁ、いいか)[plc]

真緒「じゃ、岸岡。学校へ行こうか」[plc]

芽衣子「はい」[plc]

芽衣子「それと真緒様、私の事は芽衣子とお呼び下さい」[plc]

真緒「いや、それは……無理というか」[plc]

芽衣子「何故です?」[plc]

真緒「それは教師と生徒だからで……」[plc]

真緒「はぁ、とにかく行こうよ」[plc]

芽衣子「はい真緒様。そのお荷物私がお持ちいたします」[plc]

真緒「………」[plc]






特別




真緒「なんていうかな。莉緒は特別っていうかさ……」[plc]

芽衣子「……特別」[plc]

真緒「妹みたいなもんなのかな」[plc]

芽衣子「………」[plc]

う、まずい。[lr]
教師の言葉じゃないな。[plc]
変な誤解をされても困るし……[plc]

真緒「あ、いや、特別って言っても生徒は生徒だよ?[l] ひいきするつもりもないし」[plc]

芽衣子「………」[plc]

慌てて言葉を付け加えてみるが、岸岡の反応は薄い。[plc]

真緒「その、寺井も岸岡や他の子たちと同じぼくの生徒だ」[plc]

真緒「ただ、ちょっと昔から知ってるってのがあって、名前で呼んじゃったりしたけどさ、これからは気をつけるよ」[plc]

芽衣子「………」[plc]

真緒「岸岡?」[plc]

芽衣子「分かりました」[plc]

真緒「そ、そうか」[plc]

芽衣子「それと真緒様、私のことだけは名前で……
そう、芽衣子とお呼び下さい」[plc]

真緒「いや、だから、教師と生徒で……」[plc]

真緒「はぁ、とにかく学園へ行こう」[plc]

芽衣子「はい真緒様。そのお荷物私がお持ちいたします」[plc]

真緒「………」[plc]




**合流地点へ

***合流地点


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最終更新:2010年07月18日 00:58
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