シナリオ 7月7日(土曜日)・その2
Approach!!
真緒「ふう、終わったな」[plc]
奏「はー、楽しかったけど疲れたし」[plc]
真緒「ありがと北上」[plc]
奏「へへ、どういたしまして」[plc]
真緒「後は配置だけだから、ぼくがやっとくよ」[plc]
奏「じゃ、アタシはいくね」[plc]
真緒「ああ」[plc]
北上を見送って、ひと息つく。[lr]
思った以上に早く終わったのは北上のおかげだな。[plc]
真緒「お、阿部高?」[plc]
和「キミ! なんで俺を呼ばないんだ」[plc]
真緒「え? 何でって」[plc]
和「男の俺を呼んでくれればすぐに済んだだろ。[l]
それに、見せ場じゃないか」[plc]
真緒「あ、ああ、そうだった、すまない」[plc]
和「まったくキミときたら……」[plc]
真緒「悪かったよ、ちょうど北上がいたからさ」[plc]
和「ま、いいさ。で、手伝うことはないのか?」[plc]
真緒「あるよ、お願いしてもいいのか?」[plc]
和「もちろんだぜ」[plc]
真緒「よし、これでほんとに終わりだ」[plc]
和「だな」[plc]
真緒「安部高がいてくれて助かったよ。[lr]
こういう配置っていうのかな、ぼくはセンスがないし」[plc]
和「そうか? まあ男だしな、なくてもいいんじゃないか」[plc]
真緒「そうかな?」[plc]
和「ああ、そんなことよりも男は筋肉だと思うぜ」[plc]
真緒「筋肉ね、たしかに男らしさの象徴でもあるよな」[plc]
和「ほら、脱げよ」[plc]
真緒「い、いきなり何言ってんの!?」[plc]
和「ば、バカ野郎!
汗びっしょりだから言ってるんじゃねーか」[plc]
真緒「あ、ああ、そういう事か。[lr]
でも、じっとしてりゃすぐに乾くよ」[plc]
和「いや、脱いだ方がいいぞ」[plc]
真緒「ぬ、脱ぐわけには」[plc]
和「大丈夫だ、ここには俺とキミしかいない」[plc]
真緒(そう言われても……)[plc]
真緒(たしかに、汗かいてるから脱いでしまいたいが……)[plc]
真緒「そうだな……じゃ、脱ぐか」[plc]
シャツを脱ぐ。[plc]
素肌に直接当たる風が気持ち良い。[plc]
和「ほう……良いね」[plc]
真緒「な、何が?」[plc]
和「下は脱がないのか?」[plc]
真緒「ぬ、脱がないよ! 変な事言わないの!」[plc]
和「そうか、残念だな。
しかしなかなかのものじゃないか」[plc]
真緒「え?」[plc]
和「筋肉だよ」[plc]
真緒「そうかな?
人並みというか、普通だと思うけど」[plc]
和「いや、自然についた筋肉はやはり美しいさ」[plc]
真緒「別に美しくは」[plc]
和「いや、素晴らしい」[plc]
真緒「……照れるな」[plc]
和「キミもそう思わないか?」[plc]
真緒「そうだな、たしかにそうかもな」[plc]
和「ボディビルのような作られた筋肉も悪くはないが、やはりな」[plc]
真緒「ああ、それはぼくも思う。何か違うんだよな」[plc]
和「ふふ、嬉しいぜ。キミもそう思うのか」[plc]
真緒「なんかね、やっぱりこう、プロレスラーや総合格闘化の人たちに比べると
不自然っていうかさ」[plc]
和「そこなんだよ。
人によっては気持ち悪いとさえ言う筋肉だよな」[plc]
真緒「分かるよ安部高。ぼくの友人にもいたよ」[plc]
和「鍛えていることに変わりはないんだろうが、見せる筋肉よりもやはり
使う筋肉、使っている筋肉の方が痺れるぜ」[plc]
真緒「おお、よく分かってるじゃないか!
嬉しいぞ」[plc]
和「ふふ、俺の方こそ」[plc]
まさか、年頃の生徒とこんな話で盛り上がるとは思わなかった。[plc]
似た様な話で盛り上がっていた学生時代を思い出すな。[plc]
和「時にキミは」[plc]
真緒「ん?」[plc]
和「プロレスが好きなのか?」[plc]
真緒「嫌いじゃないけど、凄いファンかと言えばそうでもないな」[plc]
和「そうか」[plc]
真緒「安部高は好きなのか? 少し位なら分かるよ」[plc]
和「俺のことはいい。
それでキミは、男子と女子……じゃなくて」[plc]
和「男子プロレスと女子プロレス、どっちが好きなんだ?」[plc]
真緒「そりゃ、男子の方かな?」[plc]
和「そ、そうか!」[plc]
真緒「やっぱり力強い技とか激しさとかは上だよね」[plc]
和「ああ! その通りだぜ!」[plc]
真緒「でも、最近女子プロの人もさ、綺麗な人が多くていいよね」[plc]
和「………」[plc]
真緒「安部高はどうなんだ?」[plc]
和「お、俺か? 俺はもちろん男子に決まってるさ。
少し前までは女子だったがな」[plc]
真緒「そうなんだ。でもさ、どっちでもいいよな」[plc]
和「どっちでも……」[plc]
真緒「ああ、どっちも面白いしね」[plc]
和「時にキミは、その、好きな芸能人とかいるのか?」[plc]
真緒「え? いきなりどうしたんだ」[plc]
和「いや、クラスで流行っているんだよ。そんな話がさ」[plc]
真緒「ああ、なるほど。皆話してそうだな」[plc]
和「付き合いたい芸能人とか、恋人にしたい芸能人は誰かとかってな。[l]
で、キミは誰かいるのか?」[plc]
真緒「うーん……芸能人とか詳しくないし、テレビもそう見ない方なんだよね」[plc]
和「いないと?」[plc]
真緒「あ、そういえば」[plc]
真緒「大河ドラマの主演してた子かな?」[plc]
真緒「名前なんだったか忘れたけど、可愛い女優さんだなって思ったよ」[plc]
和「付き合いたいと思ったのか?」[plc]
真緒「そりゃ、付き合えるならね、はは」[plc]
和「じょ、女優か……」[plc]
真緒「着物姿が良かったというか、普段見ないからかな?」[plc]
和「………」[plc]
真緒「どうした安部高? 元気ないぞ」[plc]
和「その……なんだ。[l]
俺は男なんだが、最近は男でも可愛らしい子っているじゃないか」[plc]
真緒「ああ、女の子みたいな子もいるよね」[plc]
和「そ、そうなんだ」[plc]
和「俺も少しその、そういう可愛らしさってか、[l]
中世的な雰囲気を出してみようと思ってるんだが……」[plc]
真緒「へえ、良いんじゃないか」[plc]
和「だが、元が男だからな……[lr]
キミの言う女優には遠く及ばないんだろうな」[plc]
真緒「相手は女優さんだからなぁ」[plc]
和「そ、そうだよな!
だいたい良い男の俺に、女性っぽくなんて話は無理なんだよな!」[plc]
真緒「ん……無理じゃないと思うけど」[plc]
和「ど、どうしてだ?」[plc]
真緒(いや、だって女の子だから……
とは言わずにおこうか)[plc]
真緒「どうしてって、阿部高も十分可愛いからだよ」[plc]
和「お、俺が可愛いだと!?」[plc]
真緒「あ、気悪くするなよ? 可愛いし、カッコいいよ」[plc]
和「俺が可愛い……だと」[plc]
真緒「ま、テレビに出てる人は化粧とかの力も大きいしさ」[plc]
真緒「実物に会ってみたら意外とあれ~なんて事もあるみたいだし、
あんまり気にする事は無いんじゃないか」[plc]
和「……可愛い」[plc]
真緒「阿部高?」[plc]
和「吹っ切れた。ああ、吹っ切れたぜ!」[plc]
真緒「な、何?」[plc]
和「いや、こっちの話だ」[plc]
真緒「………」[plc]
和「さて、オレはいったん戻るぜ! じゃ!」[plc]
真緒「ああ、ありがとな」[plc]
なんだか分からないが、意気揚々と出て行ったな。[plc]
さて、ぼくも戻ろうか。[lr]
夜まではまだ時間もある。[lr]
部屋で仕事を片付けよう。[plc]
最終更新:2010年07月19日 01:30