2012年6・7・8・9月、第一回目の実験班活動報告です。
お久しぶりです。
カナダから帰ってきましたまっしゅです。
さっそくアルドール反応の報告でもしましょうか。
さて、まずは謝罪から…
アルドール反応についてのレジュメが間違っていました。
皆様すみませんでした。
計算しなおしたところ、
モル質量と密度(25℃時)は
Acetone:58.08g mol-1, 0.788g ml-1
benzaldehyde: 106.12g mol-1, 1.0415g ml-1
薬品の量の比はOrganic Synthesesより
NaOH:EtOH:アセトン:ベンズアルデヒド = 2000(ml):1600(ml):1(mol):2(mol)
以上より、
NaOH:EtOH:アセトン:ベンズアルデヒド =
40ml:32ml:0.02mol(0.737056ml×2):0.04mol(2.03784ml×2)
ということで、実験第2回(9/16(金))の実験書を作ったところ、
第1回(6/6(水))の実験書が間違っていることに気づきました…。
(ベンズアルデヒド・アセトンの量がNaOHとEtOHに比べて多い)
実際に行った実験手順は以下の通りです。
<使用した器具(実験第2回)>
試験管、試験管立て、ガラス棒、100mlビーカー、5ml駒込ピペット、1000µlマイクロピペット、マイクロキャップ、水槽、スターラー、撹拌子、アルコール温度計、電子天秤(小数第3位まで)、ブフナーろうと、吸引ビン、アスピレーター、5Cろ紙、純水
<使用した薬品(実験第2回)>
10% NaOHaq(水酸化ナトリウム水溶液), C2H5OH(エタノール), CH3COCH3(アセトン), C6H5CHO(ベンズアルデヒド), CH3COOC2H5(酢酸エチル), BTB溶液
<実験手順(実験第2回)>
① 10%水酸化ナトリウム水溶液40mlとエタノール32mlを100mlビーカーの中に入れ、よく混ぜる。
② ビーカーを水浴下にしてビーカー内の混合溶液を20℃~25℃に保ちながら、1000µlマイクロピペットを用いてアセトン0.737ml(0.01mol分)を加え、次にベンズアルデヒド2.1ml(0.02mol +α分)を加える。
③ ビーカー内の混合溶液を15分間激しくかき混ぜる(ベンズアルデヒドが多め)。
④ 15分待つ間にBTB溶液を用いてベンズアルデヒドのpHを確認する(安息香酸の確認)。
⑤ ビーカーに再びアセトン0.737ml(0.01mol分)とベンズアルデヒド2.1ml(0.02mol +α分)を加える。
⑥ ビーカー内の混合溶液を15分間激しくかき混ぜる(ベンズアルデヒドが多め)。
⑦ 混合溶液をろ過する。試験管派で水ですすぎ、余すことなくろ過する。
⑧ ろ紙上の結晶を1~2日放置し、完全に乾かす。
しかし、第1回の実験で得られた実験結果(計2点)もありました。以下の通りです。
※第2回の実験結果も含めて、報告します。
①激しく撹拌しないと謎のポリマーができる
実験結果:第1回の実験(試験管スターラーで普通に混ぜた)では謎のポリマー(写真①)が生じたのに対し、
第2回の実験(スターラーで激しく混ぜた)では、ポリマーは全く生じません(写真②)でした。
以下考察。
第1回は第2回に比べ、同量の溶媒に対し、
より多くのベンズアルデヒドとアセトン(反応物)が混ざっていました。
→ジベンザルアセトンの沈殿により、試薬が撹拌不足に陥る
→ポリマー生成か?
↑写真①
↑写真②
また、第1回の実験ではベンズアルデヒドとアセトンの入った試験管2本のうち、
- 試験管スターラー(撹拌力弱い)を用いて試験管を撹拌したもの
- 手で撹拌(撹拌力強い)を用いて試験管を撹拌したもの の2種類を用意しました。
このとき、試験管スターラーで撹拌した試験管のみにポリマーが生じました。
→撹拌力が弱いとポリマーが生じる?
よって、「激しく撹拌しないと謎のポリマーができるのではないか」という結論にたどり着きました。
②ろ紙の目がNo.5Cろ紙よりも細かくないといけない
実験結果:第1回の実験では、No.5Aのろ紙を用いてジベンザルアセトン(生成物)を吸引ろ過しました。
しかし、ろ液にジベンザルアセトンが漏れ出てしまいました。(写真③)
第2回の実験では、No.5Cのろ紙(2枚重ね)を用いてジベンザルアセトン(生成物)を吸引ろ過しました。
それでもなお、ろ液にジベンザルアセトンが漏れ出てしまいました。(写真④)
↑写真③
↑写真④
以下考察。
また、ADVANTEC社さんのHPを調べたところ、ろ紙の中ではNo.5Cのろ紙の目が最小であった。
つまり、これ以上ろ紙の目を細かくすることはできない…
→次からはろ紙を3~4枚重ねにして吸引ろ過をしてみようと思う。
とりあえず、以上で9月1回目の
実験班活動報告を終わりにしたいと思います。
近日中に 9月2回目の実験班活動報告を行い、
収率など、実験第2回の詳細な結果をお伝えする予定です!!
いつも実験班活動報告をご覧になってくださりありがとうございます。
今後とも応援よろしくお願いします。
(担当:部長&実験班班長 まっしゅ)
参考文献など
- 清水功雄他,(2011),『ベーシックマスター有機化学』,オーム社
- 『Organic Syntheses, Coll. Vol. 2, p.167 (1943); Vol. 12, p.22 (1932)』, http://www.orgsyn.org/orgsyn/orgsyn/prepcontent.asp?prep=cv2p0167
- 星野泰也, (2010), 『チャート式シリーズ新化学』, 数研出版
- 製品詳細ページ - ADVANTEC, http://www.advantec.co.jp/products/detail/?id=706
最終更新:2012年10月01日 10:45