2012年6・7・8・9月、第二回目の実験班活動報告です。
なんと、この前の実験第2回の
収率は・・・・81%!!!
高校の施設で実験を行ったのにこの収率が取れたことは、なかなかの結果だと思います。
実験第1回は試験管の中で撹拌したのに対し、
実験第2回ではビーカ―の中で、マグネチックスターラーを用いて激しく撹拌をしました。
これが、良い結果の出た一つの要因なのではないかと…。
そして、完全に乾かしたときのジベンザルアセトンが、
実験第1回の物に比べて、とても細かい粉末状(サラサラしていた)でびっくり!!
(近日中に写真アップ予定)
前回に比べ、納得のいく実験結果となりました。
今後の予定と方針
実験第2回で、収率81%という結果が出たので、収率の目標の80%に届きました。
これからは、
「反応にかかる時間をなるべく短縮し、収率を80%台に維持する」
ということを目標に、研究を進めていきたいと思います。
なんでいきなり?と思われる方も多いのではないでしょうか。
5月の
活動報告に話を少し戻して、考えてみましょう。
そもそも僕がこのアルドール反応の研究の2本柱として立てたのは
①収率
②反応速度
この2つでした。
これらを2本柱としたのは、
一般企業が有機合成を行う際、最も重要なのは
「反応の効率」だと思うからです。以下、理由を述べて行きたいと思います。
~以下理由~
◎企業にとって、黒字になることはとても大事!
ほとんどの企業にとって、
有機合成をして物を消費者に売りだすっていう行為は、
最終的に「利益を生み出すため」という目的に直結すると思うんです。
そして以下5月の活動報告のコピペですが、もう一度考えてみてください。
<例> ~以下、フィクションです~
条件1:株式会社まっしゅ社は、ある日、ガンの特効薬を作りだすことに成功した。
条件2:ガンの特効薬は XYZ という化学式で、薬品X、薬品Y、薬品Zを混ぜることで得る事の出来る物質だった。
化学反応式: X + Y + Z → XYZ
~条件は以上です~
この条件で2つほど、考えてみてください。
もし特効薬XYZの収率が、理論収率の1%だったら―――
もし1gの特効薬XYZを生成するために5日もかかってしまうなら―――
もうお分かりいただけましたでしょうか?
反応にかかる時間が長かったり(=反応速度が遅いということ)、収率が悪いと、
薬品が無駄遣いなうえに管理費もかかり人件費も…
利益にとってマイナスなことばかりなのです。
より多くの利益を得るためには「収率」と「反応速度」
この2点を改善すればいいわけですね。
そして、「収率と反応速度を改善する」ということは
「収率を維持し、反応にかかる時間を短縮する」、すなわち
「反応の効率化を図る」と言い換えることが出来ますよね。
(※反応速度=物質の変化量/反応にかかった時間)
また、グリーンケミストリーなどの各種概念はとても大切ですが、
利益が出ない反応なんて経営が立ち行かなくなり、本末転倒ですよね。
ということで、「反応の効率」が有機合成にとってとても大事なわけです。
~以上で理由終わり~
「反応の効率化を図る」という行為を、
僕はこれから、アルドール反応でやってみたいと思っています。
ちなみに、実験第2回では反応にかかった時間が30分なのに対し、収率は約81%でした。
次回は反応の時間を15分に短縮し、若干条件も変えて(薬品の濃度や温度)、
どのくらい収率に変化が起こるか試してみたいと思います。
次回は自分の考えた概念、「平均反応効率」
の説明も兼ねた報告をします。
以上で活動報告を終わります。
今後も
実験班の活動報告をよろしくお願いします。
参考文献
(担当:部長&実験班班長まっしゅ)
最終更新:2012年10月01日 11:48