Loring Wine Company(2012年5月訪問)
色々な畑のピノを造っているが、醸造方法は全て同じで、味の違いはみなテロワールの違いから来ているのだとのこと。まさにBrewer - Cliftonと同様のやり方と言えよう。ただ、Brewer - CliftonはSanta Rita Hillsのピノに特化しているのに対し、LWCはSonomaやSanta Lucia Highlandsなど、色々な場所の葡萄を使っている。
テイスティングは$10で、飲んだのは以下。
2010 Durell Vineyard Chardonnay Sonoma Coast ($46)
2010 Parmelee-Hill Vineyard Chardonnay Sonoma Coast ($46)
2010 Russian River Valley Pinot Noir ($29)
2010 Santa Lucia Highlands Pinot Noir ($29)
2010 Sta. Rita Hills Pinot Noir ($29)
2010 Russel Family Vineyard Pinot Noir Paso Robles ($46)
2010 Clos Pepe Vineyard Pinot Noir Sta. Rita Hills ($46)
2008 "Divergence" Paso Robles ($100)
$29のピノ3種、RRVとSLHとSRHが水平試飲できるのは今考えてみても面白い内容で、実際香りはずいぶん楽しめた。だが、2010はいかにもまだ若過ぎたようで、どれも渋み、辛味、苦味、酸味などが目立った。比較的お求めやすいピノながら、どれも将来が楽しみな感じだった。
"Russel Family Vineyard"は、割と珍しいパソロブレスのピノ。インキーと言ってよい暗い色で、酸の効いた香りはシラーのよう。ボディが厚く、アフターも長い。ピノとは信じがたい1杯で、面白かった。
今飲んで一番美味しいかなと思ったのはClos Pepe。色は暗く深く、グラスから立ち昇る香りはかすかにミントのような刺激を含んでおり、スワーリングするとクールな甘い香り。口当たりも軽やかな甘さがあり、それがすっきり潔いアフターまで続く感じ。
"Divergence"は55%カベルネソーヴィニヨン、45%ムールヴェードルというブレンド。11か月アメリカンオークの新樽で熟成させた後、別の新樽に詰め替えてもう11か月熟成させたという、新樽率"200%"という贅沢で面白い造り。インキーな赤紫、甘いポートワインのような香り、甘い口当たりと微かな苦味と渋味、アフターにはほろ苦い余韻。本当にポートワインのようだ。ワインスペクテーター誌から90点を献上されたそう。
…と色々飲めて、楽しい内容だった。混んでいたのが玉にキズではあったが。
最終更新:2013年07月10日 20:33