ワイナリー訪問その145
Paso Robles > Hope Family(ホープ ファミリー)


Hope Family Wines(2012年6月訪問)

 第2回パソロブレス旅行2日目の朝、まず向かったのがここHope Family。

 「スーパーパソ」との異名を授かっているというワイン"Treana"を擁するHope Familyは、他にもLiberty Schoolなどのブランドでワインを造っており、いずれのブランドもここでテイスティングできる。今回、事前に予約してPrivate Tasting ($15)をお願いしていた。


 現オーナーのAustin Hope氏は、Hopeファミリーの3代目葡萄生産者にして、初代ワインメーカー。"Treana"は先代が立ち上げたブランドだそうだが先代の頃はワインメーカーを雇っていたらしく、オーナー自らワインメーカーも務めるということはなかったそうだ。Austin氏は、NapaのLiberty Schoolブランドを購入する他、自らも3つのブランドを立ち上げている。訪問したこの日はなんと日本に滞在していたようで、どうも日本や中国などアジア市場に熱い視線を注いでいるようだ。

 Hope Familyのテイスティングルームは実にカッコいい。建物の中に入ると、樽の並んだ暗い空間の奥に、外光の射し込む明るい試飲空間が広がっている。


 テイスティンググラスはリーデルのオー。グラスの底にロゴが入っている。これだと横に入っているよりもワインの色を見極めやすいので、実に合理的だと思った。ただ、ワイナリーのスタッフによると、客によっては、間違って「グラスの底に汚れがついているよ」と言ってくるとのこと。


 さて、飲んだワインは以下。

2009 Liberty School Cabernet Sauvignon ($16)
 Liberty Schoolは値段を抑えることに主眼を置いたブランドとのことだったが、いやこのお値段でこの味は悪くない。キレイでうまい。引き続き頑張ってほしいものだ。

Candor Merlot Lot 3 ($20)
 Candorは複数のヴィンテージをブレンドしているためにノンヴィンテージ。ただし"Lot 3"というのは3つめのロットということで、つまりこのブランドを造り始めて3年目の作品ということになる。このLot3は2008年のSanta Ynez Valleyのメルローと、2009年のPaso Roblesのメルローをブレンドした、100%メルローのワインだそうだ。口中で美しい酸が感じられ、そればかりが目立つわけでなくバランスが良い。悪くない味だった。何せお値段がまた悪くない。

Troublemaker Blend 3 ($20)
 "Troublemaker"も、複数ヴィンテージからなるローヌブレンド。Blend 3というのは3作品目ということで、これは2008、2009、2010のブレンドだそうな。香りにはスモーキーさやローヌ系にありがちなクセがあり、残念ながらちょっと好みではないが、やはりお値段は安くて秀逸。

2010 Austin Hope Syrah Hope Family Vineyard ($42)
 オーナー兼ワインメーカーの名を冠したAustin Hopeは比較的高級なブランド。このシラー、舌触りが実になめらかで、果実の甘酸っぱさと舌の摩擦が調和していて、なんとも美味しい。スルスル飲めてしまう。

2009 Treana Red ($45)
 70%カベルネ・ソーヴィニヨン、30%シラー、というブレンド。このTreanaが「スーパーパソ」と呼ばれている理由は、このワインがパソロブレスでシラーとカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドした初めてのワインだからだそうだ。確かにJustinL'Aventureも、他のワイナリーもボルドーとローヌのブレンドを造っているが、その先駆けがTreanaだったらしい。ほほー。スーパー●●、という呼び方は、恐らくスーパータスカンをもじったものなのだろう。ブレンド比率からしてうなずけるが、このTreanaはどちらかというとカベルネのプルーン的な甘い香りが主体的。口当たりはクールで穏やかな甘さ。苦味や渋みはあまり感じられず、ボディは柔らかく、酸が美しくてジューシー。ちなみに"Treana"とは"Trinity of Natural Element"とか"Sun, Soil, Sea"というような意味の言葉らしい。




ワイナリーのWebサイトはこちら:http://www.hopefamilywines.com/

最終更新:2014年05月08日 01:31