響きライブラリー
ブールウェア「サマータイム」
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ウィル・ブールウェア |
Will Boulware
「Summertime」
2007.10
躍動するトリオ。テナーサックスという隘路
日本のレーベル。スタッフも全員日本人。
一聴して印象的なのは音質が良いこと。きめの細かい仕事。ローゼン閣下の本で「とんでもない日本」というのがありましたが、確かに凄いことが出来ちゃっています。更には、マスタリングのシステムなんかを考えると東京でしか作れない気がします。大阪の老舖、澤野工房さんなどは唸ってしまうのでは。
躍動するトリオ。テナーサックスという隘路
オープニングはトリオで切れのあるユニゾン。思わず「おおっ」と言ってしまうくらい活きがいい。
その後フロントにエリックアレキサンダーのテナー。この人選は正直ユルイ。「纖細なブールウェア/野太いエリックのブロウ」みたいな対比がライナーに書いてあったけど、正直、「ブロウ」はもういい。「ヤング」という言葉と同じくらい機能不全。テナー界停滞の元だ。ジャズファンとしては次のコンセプトを探したい。
ブールウェアという職人に対して、頭と腕の切れる若者を据えるのが正解だったと思う。
時代に追いついてるトリオ
しかし、その役割をベースのボナに集中させとのだとしたら、このアルバムに対する評価は「大躍進」に一転。ナイス抜擢。ドラムのビリーも盟友たり得ます。
ジャズでもフュージョンでもない音楽と、アナログとデジタルの良さを併せ持ったCDとが一体となって、これから面白いものが出てきそうな希望を感じることが出来ます。
トリオはこのまま継続して、フロントをとっかえひっかえしてみて欲しいというのが私の希望。できれば敢えてボーカルものをやって欲しい。アシッドジャズという行き止まりを突破出来る何かが見えそうな気がする。アルジャロウが隠居する前だったら面白かったのになあ。
マリリンマンソンさんなんていかがですか?余談
エリックは「ブロウ」という資産を食い潰していってる人。いわばヒモみたいな人なのだ。「もうしょうがないわねエーちゃんたら。ねえ、いつものアレ聴かせてよ。」なんてのが本来の立ち位置。それはそれで彼の人生がある。こっそりと明るい処に連れ出してしまったのは気の毒だったと思う。
DATA
メンバー | ウィル・ブールウェア (p), リチャード・ボナ (eb), ビリー・キルソン (Ds), エリック・アレキサンダー (ts) | |
発売日 | 2007.8 | |
録音 | 2007.6 NY | |
フォーマット | Hybrid SACD (普通のCDプレーヤーでも聴けます。DVDプレーヤーでは難アリらしい) | |
レーベル | ヴィレッジ・レコード |