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ケインズの予言

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幻想のグローバル資本主義(下)

ケインズの予言

佐伯 啓思
内容(「MARC」データベースより)
国家と市場の相克を超え、いかなる「生」と「社会」を築いていくべきか。ケインズの思想を読み直し、グローバリズムへの幻想の超克と、新たな社会秩序の可能性を論考。

古典を謙虚に参照。「新解釈」に非ず。

名著に解釈をつける本は「彼が言ひたかつたのは実は斯々云々であつたのだ」等と、自分の解釈が世紀の大発見で在るかの様に述べがちであります。

この著者はその反対でありまして、正直だなと思えるのは、元著のテクストを参照した後、自分の解釈を述べて「・・・と読みたい。」と締めくくる処であります。亦彼は、アダムスミスなりケインズは、現代に於いて重要性を持つ「グローバリズム」の観点から見た場合には共通点を持っていたと述べているだけであって、恐れ多くも佐伯氏の解釈が彼らの思想の全てでは無いとはつきり自覚してをり、その限定が考察を素直なものにしてゐます。

処方箋の端緒を示す

グローバル資本主義を採用しないとすればどうすれば良いのか、またどの様にそれが可能となるのかと云ふ事が最終的に問題なのでありますが、今後の世界への処方箋の端緒も示されております。

アダムスミス、ケインズは一般的にどの様に理解されているのか等、経済学についての最低限の知識、用語、発展経緯は知つて読む方が良く味わえると思いますので、初学の方は下記の「経済学入門」などを読まれてから当たられた方が良かろうと思ひます。

DATA

発行
PHP新書(1999/05)
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