「蒼弓ノート」 別館

それから、あれから

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匿名ユーザー

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 32kbps(q-3)に挑戦してみました。まだ問題(特に32kHz mono)があるので公開はしないつもりですが、まあ聞けるレベルのようです。このくらいのビットレート域になると本当に2,3kbpsが貴重で取捨選択がなかなか難しく、alpha版時代には完全に実験のみで終わっていた q-3 モードですが、beta2ベースということもあり、そこそこ納得いくレベルになりました。その反面、先の問題から、beta2の追加コードが完全でないことを改めて確認した次第です。もう少しエンコーダに関する知識があればガシガシ直せるのかも知れませんが、それ以前の解析や実験を手探り状態で続けているという状況ではなかなか難しいです(Vorbisの全てを知り尽くしていると思われるMonty氏でさえ高ビットレートを合わせるのに数ヶ月は掛かると MLで発言していましたから、耳はともかく技術や、エンコーダやフォーマットの理解度で劣る私ではより時間が掛かるのは必然です)。

 aoTuVで、より音質を高めるために必要だと思うこと。
 1.beta2の補正コードをより正確にする。今はチューニングでカバーしているが、限界がある。これは2を実行するためにも必要。
 2.より動的なノイズ制御。ビットレート上昇を出来るだけ抑えつつ知覚できるレベルのプリエコーを抑えることを目的とする。3との関連性も深い。
 3.q4以下でのlossy stereo時に目立つ幾つのアーティファクトの対処(複数の解決方法があるが、ビットレートを小さく保つためには試行錯誤が必要だろう)。
 XX.1~3は諦めてMonty氏に全てを託す。aoTuVではなくなるけれど、彼が本気で対処してくれるのなら自分の出番は多分ないだろう(リスニングテストのaoTuVの結果は彼に影響を与えたと信じたい)。

 現在はまだ、1・2の実験段階なので先は長そうです。状況によってはXXという可能性もありそうです・・・。もともとaoTuVの開発を始めたきっかけはMonty氏のVorbis I の開発を止めて新しいVorbis IIに注力するという発言からでした。ちょうど2003年の暮れ近い頃の話です。誰もやってない(やらない)なら自分でやるしかないな、ということで手を付け始めたわけです。しかし、あれから少し状況が変わりました。Monty氏は1.1という新しいバージョンをリリースすることを宣言されました。また、私の他にもエンコーダを弄る方が出てきました。そういう意味では自分が弄る必然性が薄れたというのも確かです。だからといって、aoTuVの開発を今すぐ止めるということはありません。
 余談になりますが、Vorbis-MLによるとMonty氏は少なくともオフィシャルエンコーダにあるHF boost問題(と一般的に言われる)を解決しようとしています。プランとしては現状のVorbisエンコーダにあるnoise normalization という仕組みを、修正・拡張するとのことです。今のnoise normalizationは失われるはずのエネルギーを回復する仕組みを持っていますが、一方でこれがboost問題の一原因になっています。これを正し、さらに量子化による増幅・減少問題をも一括してコントロールしよう、ということなのでしょう


カテゴリ: [vorbis] - &trackback() - 2004年06月25日

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