登録日:2025/07/12 Sat 12:15:04
更新日:2025/07/22 Tue 12:49:02NEW!
所要時間:約 6 分で読めます
待ちくたびれただろ…。
全ての「ルパン三世」につながる物語
LUPINTHE IIIRD
THE MOVIE
不死身の血族
◇概要
2025年6月27日公開のルパン三世の劇場作品。例によってPG12指定作品となっている。
公開直前の2025年6月20日からは本作の前日譚となる『LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』が各配信サイトで公開された。
本作冒頭には『次元大介の墓標』から『銭形と2人のルパン』を振り返るネタバレ全開の回想が入るため、未視聴でも一応は問題ないよう配慮されている。
『LUPIN THE IIIRDシリーズ』全般がそうだが、今作はまだルパン達がファミリーを組む前の時間軸で、付き合い方も割とドライでハードボイルドな作風になっている。
主題歌はルパンシリーズ初参加となる
B'zの「The IIIRD Eye」。
◇あらすじ
もう一人の「ルパン三世」を巡るテロ事件が解決してしばらく、ルパン達はこれまでの事件の裏に隠れていた黒幕と決着をつけるため、「地図に載っていない島」を目指していた。
途中、ルパンから招待状を受け取り、戦闘機で追いかけてきた銭形とドッグファイトを繰り広げるが、謎の攻撃で飛行機のエンジンが破損、墜落してしまう。
例の島へ降り立ったルパン達は鬱蒼としげるジャングルと放置された大戦時の兵器の数々を目にし、仮面をつけた不気味な男たちの襲撃を受ける。
島を支配する不死身の男・ムオムを前に、ルパン達は島から脱出できるのか。
◇登場人物
CV:栗田貫一
「この世には信じちゃならないものが3つある。酒の記憶と女の誘惑…それと、世界地図だ」
「俺は泥棒だ。一度盗むと決めたもんは盗む。」
おなじみアルセーヌ・ルパンの孫で高いIQと身体能力を持つ神出鬼没の怪盗。
『銭形と2人のルパン』における事件前、隠れ家を何者かに爆破されて蒐集したお宝や車を失うが、残されていた地図にはバミューダ・トライアングルが描かれていた。
一連の事件に関わった次元達や銭形警部に招待状を送り、黒幕と決着をつけるべく地図に載っていない島に辿り着く。
しかし墜落時にパラシュートを確保できず、次元達とはぐれて一人でジャングルを探索するハメに。しかもただちにルウオに襲撃され、ムオムの元に連れて来られる。
今回は青色のジャケットを着ておらず、終始ラフな姿。
これまでIIIRDシリーズでは他キャラに主役を譲っていたが、本作で満を持して主人公として降臨。
身体能力もさることながら、今作では天才的な知略を武器に敵に立ち向かう王道のルパン三世を見せてくれる。
CV:
大塚明夫、小林清志
「逃げ足だけは負けねえんだ、あいつに限って……。」
早撃ち0.3秒を誇るガンマンで、ルパンとはビジネス上のパートナー。
こちらも始終ラフな姿。
墜落後は残っていたパラシュートで五ェ門と共に島に降り立つ。
ゴミ人間たちに追い詰められる中、かつて自分の命を狙っていたヤエル奥崎と再会する。
「2人のルパン」でいつもの帽子を飛ばされ、今作も序盤にハンチング帽を射貫かれるわで何かと受難。
なお、「墓標」を振り返るシーンでは大塚氏による撮り直しは行われず、
敢えて小林清志氏が演じたままの状態で回想され往年のファンを喜ばせた。
EDクレジットにも大塚氏とは別に小林氏の名前がクレジットされている。
CV:
浪川大輔
「……底知れぬ男だな、ルパン三世という男は。」
斬鉄剣を操る居合の達人。『血煙』で恩を受けたルパンや次元の仲間に加わる。
パラシュートなしで次元と共に島に降り立った後、ゴミ人間たちに生け贄にされそうになっていた不二子を助ける。
その後多勢に無勢で追い詰められた時、かつて戦ったホークに助けられるが、直後彼がムオムに瞬殺される場面を目撃することに。
「墓標」では登場しなかったため、初対面となり助けてもらったヤエル岡崎に礼を言う珍しい場面も。
結果的に彼とは最初で最後の対面となったが。
CV:
沢城みゆき
「あなたは知らないのよ。みんなを騙して最後に笑うのがルパン三世って男だってことを」
ルパンすら手玉にとる謎の美女。島のお宝を目当てに同行する。
飛行機のエンジンがやられた際は一人だけ先にパラシュートで脱出した。
島では銭形と出会い、行動を共にするが、ゴミ人間に拉致されて生け贄にされそうになってしまう。
…が、その時の場面は
全裸で熱々の鉄板の上で踊らされる
というお色気全開のもの。五ェ門から渡された服は大事な部分を隠すのがやっとの布面積であり、小池ルパン作品としてはややコミカルかつリアリスト的な描写が多い。
最終的にムオムの不老不死に興味を持ち、島を脱出するシーンでは
…。
CV:
山寺宏一
「……死ぬなよルパン。お前を捕まえるのは俺だ。」
ルパン三世を追う警視庁公安課の敏腕刑事。
『銭形と2人のルパン』の事件後、ルパンから受け取った招待状を握りつぶして追跡することになるのだが、
なんとルパン一味追跡用としてインターポール(ICPO)経由で用意された軍の戦闘機を自ら操縦してルパン達が乗る飛行機を手玉に取るという原作でもないような能力を視聴者に見せつけた。
墜落後は不二子と行動していたが、不二子が拉致された後は一人ゴミ人間たちと戦っていた。
運良く廃棄された戦闘機に出くわし、生きていた通信機でICPOに救援を要請するも…
その後、ムオムに追われるルパンと合流し、一時共闘することになる。
ゲストキャラクター
CV:片岡愛之助
「人類が果たせない偉業を私が成し遂げる。」
今回の敵であり、これまでのシリーズでルパン達に刺客を送っていた黒幕である。
その風貌は人間離れした長い頭を持ちながらも『
ルパンVS複製人間』のマモーを思わせる姿をしている。
さらに、走っている車に追いつく等、高い身体能力を誇る。
ちなみに意外にも料理の腕も一級品で、序盤では獣の肉を捌きながらソテーにして高級レストランも顔負けの盛り付けを施し、サリファの食事を振る舞っているが、本人は館内に植えられている木の蔦に生えた小さい花の蕾だけを食べるヴィーガンである。
なお、言葉を喋ったのは登場当初のみであり、その後頭を撃たれてからは殆ど喋れなくなるも、サリファには意味が分かるらしくルパン一味との共演シーンでは彼女が通訳の役目を果たしたり、それ以外では字幕が表示される。
頭を撃ち抜かれても、頭を失っても即座に再生して死ぬことがない不老不死の存在。
CV:鈴木もぐら(空気階段)
ムオムに仕えるゴミ人間の一人。
頭以外の全身を機械化されたサイボーグであり、長い首が特徴。
一人で行動していたルパンを襲撃する。
CV:水川かたまり(空気階段)
ムオムに仕えるゴミ人間の一人。
両腕を機械化されたサイボーグであり、赤熱化する両手を武器とする。
マイペースで会話が通じない。
再登場したキャラクター
CV:森川葵
、島本須美、高山みなみ、小堀幸、ゆりあ
「私はムオム様に仕える身。たとえ朽ち果てようとムオム様と共に。」
ムオムと行動を共にし、島のあちこちに現れる神出鬼没な謎の少女。
突然言葉が通じなくなったムオムの通訳をし、ルパン達を嘲る。
『血煙の石川五ェ門』でも登場しておりホークに五ェ門抹殺を命じていたが、声優が小堀幸から森川葵に変更されている―――
CV:広瀬彰勇
かつてルパンや次元を狙っていた殺し屋。
次元との早撃ち勝負に敗れ、利き腕である左腕を失ったが、『峰不二子の嘘』で機械化された義手を装備して再登場していた。
かつては自作の銃と軽い弾を使っていたが、「機械の義手なら武器の重さが勝負に影響しなくなる」という訳で重い銃に鞍替えした模様。
『嘘』で任務にあたっている以上『墓標』での敗戦が今回の島送りになった原因ではないと思われるが、次元と再戦し今度こそ勝利することを望んでおり、ゴミ人間たちに襲われる彼らに助太刀する。
CV:土師孝也
かつて五ェ門を狙っていた巨漢の殺し屋。
五ェ門達の窮地を救い、「10秒戦えたら島から出す」というムオムに勝負を挑むも、
3秒ともたず
瞬殺されてしまった。
五ェ門に切り落とされた右腕はそのままに左腕のみの隻腕となっているが、両腕が健在になっていた「峰不二子の嘘」とは矛盾することになる…?
CV:尾花かんじ
「私の正体に気付くとは──」
真の黒幕であり、ムオムを作り出した永遠の命の探究者。
島の崩壊に際して、ムオムの部屋までたどり着いた不二子を気に入り脱出路で逃がした。
他、回想シーンでビンガム(峰不二子の嘘)、偽ルパン(銭形と2人のルパン)などが登場した。
◇用語
バミューダ海域に存在する存在を秘匿された島。
鬱蒼としたジャングルと、様々な兵器…兵士用の重火器から戦車、果てには核弾頭ミサイルまで多種多様な兵器の墓場が存在する。
川下から川上に逆流する赤い川や脈打つ洞窟など不気味な場所が多い。
島を常に覆う霧には毒が含まれており、24時間以内に脱出できなければ死亡する。
ムオムによって作り出された暗殺者の失敗作。
顔に仮面を付けており、その下には皮膚が破けたゾンビのような顔があったり、サイボーグになっていたりと様々。
先に紹介した2人とは別に、2㎞先から弓矢で狙撃する者など何名かの名有り個体がいる。
◇余談
- パンフレットには島の秘密などのネタバレが満載なので鑑賞後に読むことを推奨する。
- 当初はこれまで通り55分の前後編作品にする予定だったそうだが、劇場版90分作品に変更となったため制作陣は苦労した様子。冒頭の数分間に渡る振り返りシーンはこれが影響していた模様。
- このパンフレットにて、栗田貫一氏は「小池ルパンでようやく自分なりのルパンを演じられるようになった」と語っている。これまでは山田ルパンを引き継ぐことに意識を注いでいたが、小池ルパンの製作と共に「『ルパンを演じればよい』という境地に至った」と過去のインタビューでも述べている。
- 「バミューダトライアングルに存在する島」「暗殺集団」「毒」など『ワルサーP38』へのオマージュと思われる要素が多い。
- 本作公開と同日に放送された金曜ロードショーでは『カリオストロの城』が放送されたが、鑑賞後の視聴者からは『ルパンVS複製人間』が見たくなったという声が相次いだ。
- 一方でその金ローでは、本編終了後になんとクラリス役の島本須美が本作の宣伝を行うというサプライズがあった。サリファの1人としても登場しており、おそらくはダークでシリアスな複製人間よりは大衆向けロマンス作品を放送することによる客寄せ効果が狙いだろう。
- 普段からジブリ系をよく放送する金ローなので、宮崎駿の『カリオストロ』の方が「まあ金ローだし」で納得するイメージは確かにあった。仮に『vs複製人間』の場合「ルパンの中でも古すぎる。何故これを?」と訝しみ考察するであろう視聴者は想像されるので、地上波ゴールデン故のネタバレ回避への念入りな配慮もあったのだと思われる。が、そういう縛りがゆるそうなBS某局(無料)では『vs複製人間』をしっかり放送してたり…。
- サリファ役のうち、森川葵を除く4名は過去のルパン三世作品にも登場している。島本須美…『カリ城』クラリス役、高山みなみ…『DEAD or ALIVE』オリエンダー役
『ルパンvs名探偵コナン』江戸川コナン役、小堀幸…『血煙』でのサリファ役、ゆりあ女史…『隠された空中都市』ルパン(実父)と写真撮影をする女性(CVは大沢さやか女史(実母)が担当)の娘役
追記・修正は“律儀な人”にお願いします。
- 1人のキャラに複数の声優がいるのがすげえ気になる…いやまあ、ルパンだし? -- 名無しさん (2025-07-12 12:20:12)
- 人生は事実でもフィクションだから楽しむだけってのが深い -- 名無しさん (2025-07-12 12:32:05)
- 一味がヤバい局面で助けに入るからヤエル奥崎の頼りになるゲストキャラ感が凄い -- 名無しさん (2025-07-12 13:37:33)
- 言葉喋らないキャラが嫌いなので、ムオムが途中からモゴモゴ口調なのが不満。ドラゴンボール超版ブロリーも同様。 -- 名無しさん (2025-07-12 14:46:16)
- ちなみに公開前後に放送された金曜ロードショーはカリオストロの城。そこはルパン対複製人間だろうに。 -- 名無しさん (2025-07-12 14:54:00)
- ルパン製ブロリーなムオム様が色々やばすぎる件(マモーの最高傑作も納得だわ) -- 名無しさん (2025-07-12 17:03:22)
- パンフレットやHPに本編と食い違う話が載ってたり(ホークと五ェ門の再戦など)二人のルパンと繋がらなかったり(「招待状」を自ら渡したはずなのにとっつぁんを煙たがるルパン)、制作の人がゴタゴタを匂わせたポストをすぐ消したりとなんかしらの事態が発生しているらしく。 -- 名無しさん (2025-07-12 18:21:19)
- 酷評な意見と絶賛の意見で分かれてる感じだが、TV版とかのコミカルなルパンに馴染みのある人ほど酷評側になるだろうな。あとそれとは別になんか消化不良な所もある。弓の人とかどこいった? -- 名無しさん (2025-07-12 19:33:16)
- 全幅の信頼を置く古女房な次元と、ルパンの生死に一喜一憂する銭形が、クソガキの代わりにヒロインやってた -- 名無しさん (2025-07-12 19:51:55)
- 弓の人は島が消えるときに吹っ飛ばされてた -- 名無しさん (2025-07-12 19:52:04)
- ↑3 正直、続編として、このシナリオの流れ及びスタッフでルパン対複製人間をリメイクしてほしい。あと数年で上映50周年だし。 -- 名無しさん (2025-07-12 20:08:50)
- ↑やるにしてもあのtkb解禁は・・・今の時代無理か -- 名無しさん (2025-07-12 20:22:22)
- マモーは一応ネタバレ格納した方が良いのでは?とも思う -- 名無しさん (2025-07-12 20:54:25)
- 「良い点はヤエル奥崎の大活躍で悪い点はヤエル奥崎の大活躍」という的確な評価。ヤエルかっこいいのはすごく良いけどレギュラーキャラの活躍食ってるのはちょっとね -- 名無しさん (2025-07-12 22:20:35)
- ホークが片腕になってるのは峰不二子の嘘が五右衛門の前の時系列の話だからなだけじゃないの? -- 名無しさん (2025-07-12 22:25:41)
- あまりにも複製人間の前座すぎるのがな… -- 名無しさん (2025-07-13 00:14:57)
- ホークは崖から落ちたくらいじゃしなんやろし、終盤ヤエルと一緒に特攻位はして欲しかったし、キャラ減らしてヤエルとの決着も描いて欲しかった -- 名無しさん (2025-07-13 09:16:48)
- ↑↑峰不二子の嘘の時系列は五ェ門の後のはず。ルパンと次元がホークを血煙だと知らなかったけど嘘だと認識してたし、たぶん両腕あるのはホーク2号機なのかも -- 名無しさん (2025-07-13 09:21:06)
- IIIRDシリーズが良かっただけに期待外れ感も感じたかな。クローンに繋がる話なのに各キャラの性格は寄せてないのもどうかと思った -- 名無しさん (2025-07-13 09:46:27)
- サリファも「複雑な感情を秘める」とかなんかそれっぽいこと書いてあったのに実際は通訳兼メスガキでしかなかったし制作のゴタゴタの被害者なのかな -- 名無しさん (2025-07-13 13:25:19)
- シリーズ物のラスボス戦部分だから基本的にずっとバトルしてるってのも珍しいところ -- 名無しさん (2025-07-13 19:40:20)
- ↑質感が概ね劇場版ドラゴンボールなんだよな -- 名無しさん (2025-07-13 21:33:21)
- なんの背景もなくTVSPでこれが出て来たら泣いて絶賛するクオリティ。IIIRDシリーズの完結編としてみたら…まぁ…うん… -- 名無しさん (2025-07-13 22:26:22)
- ↑×2 最終的に決め手になったのは周りを観察して解決策を見出したルパンの頭脳だからその辺はルパンらしさは感じた -- 名無しさん (2025-07-13 23:23:28)
- 複製人間に続くってやったせいで真の黒幕であるマモーは倒せなかったって消化不良感がある -- 名無しさん (2025-07-13 23:53:45)
- エピローグでとっつぁんが観せた、ギラついた眼。複製人間のキマったとっつぁんのソレや!! -- 名無しさん (2025-07-14 00:00:10)
- ↑複製人間のとっつぁんがそう(異様にキマったテンションに)なったのはルパンが死刑になってしまった上で生きてた異常自体のせいだからそれ以前のタイミングでキマっちゃったらますます複製人間と繋がらなくなるね -- 名無しさん (2025-07-14 14:20:58)
- ↑ルパンが生きてたのが判明する前からキマってた気が……いくらなんでも仏に杭を刺そうとするのは普通じゃないでしょ -- 名無しさん (2025-07-14 17:07:57)
- ↑4 もう後数年で上映50周年だし、IIIRDの流れとスタッフで、複製人間のリメイクも見てはみたい。 -- 名無しさん (2025-07-14 22:01:26)
- 前作でなんとなく察してたけどシリーズ物して見るならまぁ不評だよね -- 名無しさん (2025-07-17 05:06:48)
- ムオムは、一個体で完結してるから、上司と違って、女性耐性があるのが面白い。代替が効かないからネタが割れると上司よりもろいが -- 名無しさん (2025-07-17 10:41:42)
- IIIRDシリーズの集大成としてはちょっとなんだかな。冒頭だけでなく本編中でも回想シーンが挟まれたりバトル長すぎて逆にメリハリなかったり、ゲスト声優に単体のお祭りものみたいにこれまで使ってなかった本職でない俳優や芸人を使ってたり、やりたいことが妙にとっ散らかっててストーリーも強引に複製人間に繋げたっていうか。 -- 名無しさん (2025-07-17 14:22:26)
最終更新:2025年07月22日 12:49