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クリスタルシンガー

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Book reviews

SF

クリスタルシンガー

アン・マキャフリィ著 早川書房

高収入にはわけがあります

 キラシャンドラは一流の歌手になる夢をたたれ、絶望していたときにクリスタルシンガーと出会います。
富と名誉、そして謎に包まれたクリスタルシンガー。人生の目標を修正したキラシャンドラは、周囲の反対を押し切ってクリスタルシンガーとなるべく一歩を踏み出します。
マキャフリイの描く女の子は自己主張の出来るしっかり者が多いのですが、このキラシャンドラはちょっとねえ。
一流になる資質に欠けるので、裏方を進められたからといっていきなり失踪して見知らぬ男について行くわ、みんなの忠告をはなでわらうわ、気に入らない相手にはいきなり「プライバシー」を主張してはねのけるわ、かなり自己チュー入ってます。
そのくせ次々に男の人が寄ってくるんだから、絶対友達になれないタイプでしょ。
でも、この話、面白いんです。
 このとんでもない主人公に勝る魅力を持つのが、題名の「クリスタルシンガー」という職業。
絶対音感を必要とするこの職業の謎がこの本の一番の魅力ともいえます。
クリスタルシンガーたちが高収入と引き換えにしたものは? 彼らと接触した人たちがなぜ彼らを嫌うのか? そして彼らのすむ不思議な星。
この魅力的な世界をわがままパワー全開でブルドーザーのように突き進んで行くキラシャンドラもまた「クリスタルシンガー」に魅せられた一人なのです。
 ところで、この本の中ではクリスタルシンガーへの言及にさかれて書き切れなかったと思われるキラシャンドラの成長を描いた「キラシャンドラ」という続編があります。
キラシャンドラも少しマシになってるみたいなので、クリスタルシンガーの世界が気に入った方はどうぞ。
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