ラスタファリズム Rastafarianism
  • ジャマイカ独自の思想・運動。ジャマイカ人の祖先である黒人たちが、故郷アフリカへの帰還を夢見て始まった信仰である。
  • 通称「ラスタ(Rasta)」。
  • 信者のことを「ラスタファリアン(Rastafarian)」もしくは「ラスタマン(Rastaman)」という。
  • 1910-20年代に、Marcus Mosiah Garvey(マーカス・モザイア・ガーヴェイ)が指導した黒人地位向上運動が発展したものである。
  • 日本ではラスタファリズムだが、英語では「ラスタファリアニズム(Rastafarianism)」である。
  • ラスタファリズムは、特にレゲエに影響を与え、多くのアーティスト(Burning Spear?, Culture?, Big Youth?, Black Uhuru?が代表的)がMarcus Garvey哲学を盛り込む(Jahをたたえ、人々の意見を代弁する)楽曲を制作した。これにより、ラスタファリズムは国民のみならず全世界に認知されるようになった。
  • ルーツ・レゲエの曲の冒頭で耳にする『Jah Rastafri』(ジャ-・ラスタファライ)とは、「自分には、神であるラスタファリズムの教えが宿っている」という意味である。

歴史

 Marcus Mosiah Garveyは、黒人国家の設立を目指していた。
 Marcus Garveyが1927年に"Look to Africa, when a black king shall be crowned for the day of deliverance is at hand!"(黒人の王が即位する時のアフリカを見よ。彼こそ救世主となるだろう)とスピーチしたところ、3年後の1930年、エチオピアの皇帝としてHaile Selassie I(ハイレセラシエ一世)が即位した。
 このHaile Selassie Iの即位前の名がラス・タファリであったことから、ラスタファリズム信奉者は「Marcus Garveyの預言が適中した」と考え、Marcus Garveyを黒人の救世主・生き神として崇めはじめた。これをきっかけに、下層階級の人々を中心に信者が増えた。
 信者の増加に危機を感じた英国政府は、1934年に弾圧を始める。この弾圧を逃れたラスタファリアンは山の奥地に逃げ込み、そこで共同生活をはじめた。これが、ラスタファリズムの信仰を確立することになった。
 Marcus Garveyは今やジャマイカ国民の英雄であり、イエス・キリスト時代のバプテスマのヨハネの生まれ変わりでさえあると信じられている。

主な教義

  • 1930年にエチオピアの皇帝として即位したHaile Selassie Iが、全ての黒人をバビロン(babylon)からエクソダス(exodus)させ、ザイオン(zion)に帰還させることにより、アフリカから、全ての白人を追い出すことを目指す。
  • 非暴力、人類平等を唱える。
  • 白人のすべてを否定する。

特徴

聖書の教えを根拠とするラスタファリズムの教義に基づいた習慣がある。


出典


参考リンク

最終更新:2007年04月26日 09:38