【名前】イヤハテ ハルシ (弥終──)
【性別】男(外見上)
【年齢】0歳3ヶ月(外見年齢19歳)
【性格】中立・悪。能動的。目覚めた3ヶ月前以前の記憶がなくやや無機質的で、ぼんやりしてる(ように見える)。死に対して人一倍強い忌避と恐怖があるが、死の要因の排除(殺害、逃走)には積極的に動く。そうでない限りは割と他人と関わりたがる。自分の実存を確かめたいからだ。
【容姿】艶のあるウェーブの緋色の髪。寒暖差に疎く、一応冬服を着込んではいるが明らかに現在の環境と釣り合ってない。瞳孔が「Ω」の形状をしてる。
【神禍】
 『輝く星よ、黎明の地より昇れ(インカルナティオ・イデアルクス)』
 思想:「生きる」「死なない」

 ───自律型神禍。意思持つ呪い。禍者出現以来前例のない、受肉したエスカトン。

 黄白色がかったオーラが全身に展開。これは肉体の構成要素、つまり神禍の一部を剥離させたもので、励起状態では複数の翼を広げたように見える。
 肉体というフィルターを通さない純粋な神禍はリミッターがないに等しく、凄まじい出力を誇る。本能に任せた戦い方は無駄のない狩猟動物というより、機械の精密作業に近い。
 同類といえる神禍とは互いに相殺する形となり、神禍自体に接触・干渉できる代わりに、自身もダメージを受ける。
 実体を持つとはいえ元来生命ですらない神禍。失血、病理程度では止まらず、欠損が起きても身体構造を組み換え元の形に戻してしまう。
 とはいえ感覚はあるし痛いのは嫌。死ににくいだけで限界点はあり完全な不滅というわけでもない。

 ハルシが自身の死を認識し、抗うほどにこれらの効果は強まっていく。死を厭い死を与える、無敵不滅を喰らう禍つ明星。
 だが力を解放する間、ハルシには全身に激痛が走り、肌には黒い罅が入り、体が徐々に崩壊していく。
 人類絶滅を本能に持ちながら生存を第一にする、存在自体が矛盾した反発作用が出力の所以であり、自死に至る弱所となっている。

 神禍の詳細、自身が神禍であること、既に元になった人間は死んでいる真実を、ハルシはまだ知らない。

【詳細設定】
 ローマに旅行で来ていた夜涯晴司(やはて せいじ)は、禍者出現黎明期に多発した無数の暴動の犠牲者の一人でしかない。
 家族や友人、現地の見知らぬ人を助けようと震える足で賢明に走り、あっけなく死んだ。それだけの男だった。
 だが未発現だった神禍の影響か、死んだ後になって奇跡的に意識を保つ───死体のまま、それ以外には何の現象も起こさずに。
 暴動で破壊され尽くして動かない骸。救援の来ない凍土。体温も鼓動も感じられない躰、変化のない静止した世界。
 発狂し、死んだ方がマシな環境に野晒にされても、晴司は意識を手放す事はしなかった。
 生きたい。
 死にたくない。
 どうやって、何を犠牲にしてもといった余分な考えは持たない。 ただ生きるのだという、誰であれ持つ原初の衝動。明日の光を求める希望。
 ……決定的に他人を害する意思に欠けていた晴司は、神禍の発現に適性を持たず、後年を生き地獄に費やすばかりの月日を送った。
 そして3ヶ月前。とうとう意識が途絶えたと同時に初めて神禍が噴き出し、「晴司の願いを代行する」という形で顕在化。
 姿を模しても記憶を持たないソレは、落ちていた文字の掠れたパスポートから自分を「イヤハテハルシ」と定義。
 使命も目的もない、ただ胸の内に宿る「生きる」という願いに衝き動かされて歩き出し、必要な常識をどうにか身につけ、飢えとも寒さとも無縁の身で凍る世界を歩き回っている。
 なぜ自分は、人は、こんなにも「生きる」ことを諦めないのか。自覚なく呪いの存在意義を問いながら。

 ソレは救世主による世界再生を阻む自滅因子の最終機構(アポカリプス)か。聖女の傲慢に神罰を下すべく氷獄から這い出た堕天使(ルシファー)か。呪いの淘汰を乗り越え、次代の霊長となる新人種の再臨(パルーシア)か。
 あるいは、だいそれた天命となんら関係のない、機械が誰かの夢を引き継いだだけの、ただの誤作動(ハルシネーション)に過ぎないのか。
 生贄に選ばれた以上、ルクシエルはともかく主催者のソピア、少なくとも蒐集に携わったエヴァンは存在を認知しているはずである。

 夜涯晴司と弥終ハルシは既に別個の存在である。
 晴司の死を契機に発現した神禍のハルシは、それが覆れば当然の理屈として実体を維持できない。
 ルクシエルによる全死者の蘇生が叶えられた場合───即ち晴司が生き返った時、ハルシは消滅する。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2025年06月15日 00:37