【名前】ラルフ・ローガン
【性別】男
【年齢】58歳
【性格】厭世的で粗暴。皮肉屋で人間嫌いを装っているが、実際は「守れなかった者たち」への贖罪を抱えている。不器用に他人を突き放しながらも、正義感や誠実さを完全には捨てきれない“頑固な老犬”タイプ。神や信仰に対しては憎しみに近い絶望を持っており、善意や希望を口にする者には強く噛みつく。
【容姿】頭髪は完全に禿げ上がり、皺の刻まれた額と鋭い目付きが印象的。長年の鍛錬を感じさせる筋肉質な体躯を持ち、無駄のない動きが際立つ。いつもボロボロの軍用コートを着ており、中には使い古された一本のレイピアが仕込まれている。

【神禍】
『瞬きよりも速く(エクス・テンペスト)』
思想:神なんぞ待ってられるか。助けたきゃ、自分の脚で走れ。

──祈っても、叫んでも、あの時、娘は助からなかった。
だからラルフは決めた。神に救いを乞う時間があるなら、自分が誰よりも速く動いて、奪われる前に守ると。
その信念が歪み、視界がスローモーション化する超加速の神禍を発現させた。時間を引き伸ばしたような感覚の中でも、ラルフは動体視力と剣技で一撃必中の「突き」を放つことができる。
ただし、この力は「何かを守りたい」という原初の衝動からしか発動しない。

【詳細設定】
ラルフ・ローガンは、かつて武門の家に生まれた男である。
文明の瓦解以前、彼の家系は旧時代の儀礼的な騎士道を受け継ぎ、剣術を家業としていた。だが世界が崩壊して以降、そうした名誉や伝統は無価値となり、ラルフもまたただの剣を振るう老人となった。
娘は唯一の希望だった。聖職者の道を志し、自らの命を奉じて人を救おうとした少女。だが過酷な寒さと略奪、そして力を持つ者たちの理不尽な暴力の中で、その娘は無惨に命を落とした。何の意味もなく、誰にも悼まれず。
その喪失はラルフの信仰を完全に打ち砕いた。神などいない。いたとして、そんなものは信ずるに値しない。ただ生きる。剣を振るい、自分が納得できる死に場所を探している。かつての騎士の誇りも、父としての後悔も、すべてを心の奥底に押し込めて。
神禍に目覚めたのは、娘の死の直後だった。「救いたい」という願いは決して力にはならず、その代わりに彼の中に残ったのは、「奪われる前に先んじて動け」という戦場の直感だった。
それが今の彼に与えられた力、常人の目では追えぬ速さで動き、殺すために突く神禍の正体である。

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最終更新:2025年06月01日 15:24