【名前】バラケル・デュラン
【性別】女
【年齢】16歳
【性格】理知的かつ冷静。誰に対しても一歩引いた態度を取り、自分の心の内を見せることは少ない。利のない戦いを嫌い、徹底して狡猾に立ち回ることを是とするが、それは敗北が許されないという強迫観念から来ている。誇りを重んじるが、それに縛られる者を内心では愚かとも思っている。
【容姿】鍛えられた細身の肢体に、深紅の外套を羽織る少女。黒髪を一つに結わえ、瞳は青灰色。鎧の一部を裁ち落とした軽装を好み、利便性を優先するが、その佇まいにはどこか旧時代の騎士の影を残す。
【神禍】
『刃に堕ちる誇り(グロリア・カタストラ)』
思想:「誇りだけで勝てると思うな。勝たなければ誇りなど意味がない」
斬撃力を著しく強化する神禍。
金属・肉体・魔力障壁問わず、切れ味が敵意に比例して鋭くなる。
敵を明確に「倒すべき存在」として認識するほど能力は高まるが、誤認や迷いがあると逆に切れ味が鈍る。誇りを語る父と、無様に散った騎士たちを見て育ったバラケルが抱く、「誇りなど勝利と比べれば意味がない」という歪んだ思想から生まれた。
【詳細設定】
騎士の家に生まれ、幼少期から武と礼節を叩き込まれて育つ。しかし、敵対勢力による理不尽な暴力の前に理想を貫き命を落としていく父や兄たちの姿に、彼女は「誇り」そのものに疑問を抱くようになる。人を救えない信念に価値はあるのか――。やがてバラケルは、誇りを表に掲げつつも、裏ではその言葉を冷笑し、確実に勝てる手段を選ぶようになった。周囲からは騎士の系譜を継ぐ天才と称えられたが、当人にとって騎士道は信仰ではなく「武装した交渉術」に過ぎない。父と兄の死をきっかけに家を出奔、自由を得るため生存競争の世界へ身を投じる。バラケルは他人を「交渉相手」として見る癖がある。信頼も好意も、それが自分の生存に資するかどうかが判断基準だ。ただし、情がないわけではなく、取引の中で思わぬ感情を抱いてしまうことに本人も戸惑っている。終末の世界では、信念に縋る者ほど早く死ぬ――そう思いながらも、彼女はどこかで「誇りの美しさ」に惹かれ続けている。敵として相対する者が誇りを守って死ぬ姿に、嘲笑と同時に、嫉妬にも似た感情を覚えることがある。
最終更新:2025年06月01日 15:25