【名前】グール・グラッセ
【性別】女性
【年齢】15
【性格】純粋にして残酷。戦闘に快楽を感じ、殺すことに罪悪感を持たないが、決して無秩序ではなく自分なりの「戦士の誇り」に則って行動する。他者に対しては無垢で幼さの残る言葉遣いをするが、戦場では老練な兵士のような口調になることも。
【容姿】白銀の短髪と氷のような瞳。肌は雪のように白く、凍土での生活でやや痩せぎすだが、芯の通った筋肉が宿る。騎士を模したボロ布のようなマントと、拾い集めた様々な武具をまとう。背丈は小柄だが、その存在感は戦場で異様なまでに膨れ上がる。

【神禍】
『喰戦(じきせん)』
思想:「私は、勝つためであれば何にでもなれる」

命あるものを捕食することで、その個体が持っていた戦闘経験や知識を蓄積・再現する。
ただし、獲得するのは“情報”であり、肉体そのものはあくまでグールのままであるため、フィジカル的な限界は越えられない。
例外として神禍を蓄積することはできない。


【詳細設定】
グール・グラッセは、もとは温室育ちの「騎士の娘」だった。
血筋は本物かは分からないが、彼女の家系は古の騎士道を信奉し、氷河期が来る前から「戦いを貴しとする」思想を少女に叩き込んだ。
だが世界が終わり、騎士道も国家も無意味となった瞬間、彼女の育ての親たちは「貴き死」を選び、自ら凍死していった。
残された少女は、その思想の外側に放り出される──そこには敵も、ルールも、意味もなかった。ただ「生き延びる」ために、彼女は剣を取った。いや、歯を使った。喰らった。死体から、戦いを学んだ。

グールの神禍『喰戦』は、彼女の騎士道が歪められた形で現れた。
戦いの誇りは「勝つためならば、何にでもなる」という信念に変容し、その結果、敵を喰らうことで戦技と経験を得る能力となった。
彼女の中には、名もなき傭兵、斧使い、弓の名手、蹴り技師、奇襲の専門家……「死んだ戦士たちの業」が幾人も棲んでいる。

戦闘の最中、彼らの口調や癖がふと表に出る時もある。
グール自身はそれを「自分が強くなるなら、それでいい」と笑う。
そこに迷いはない。

しかし、彼女の奥底には、未だ騎士の魂が残っている。
汚れきった世界で、殺しのなかに気高き形を探し続け、純潔を尊ぶように、戦いの中に「美しさ」を求める傾向がある。

グールは都市でも集落でもなく、あえて人の通る戦場や危険地帯を選んで流浪している。
彼女にとっての“居場所”は争いのある場所だけだ。廃墟に身を潜め、戦場に姿を現しては、傭兵や匪賊の依頼を受けて、敵対勢力を文字通り食い尽くす。
依頼を終えるたび、何の感情もなく報酬を受け取り、再び姿を消す。

戦士としての名は知られておらず、「喰い殺す子ども」や「笑う死神」などの噂話だけが、凍てつく風に乗って流れている。
彼女の「日常」は戦いだけだ。食事は肉、睡眠は瓦礫の陰、会話は死者の記憶と。そうしてグール・グラッセは、今日も誰かの“強さ”を喰らい、誰でもない自分を更新し続けている。

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最終更新:2025年06月02日 15:10