【名前】『ヘルメース』(本名不詳)
【性別】男
【年齢】39
【性格】軽薄で胡散臭いが、人を惹きつける話術と妙な信頼感を持つ男。嘘と真実を巧みに織り交ぜ、相手の心に真実らしい虚構を刻み込む。シニカルで底抜けに楽天的に他者へ応じる。自らを語る時は常に冗談交じりで、誰も彼の本音を知らない。
【容姿】いつも和洋折衷の奇妙な格好をしている。紺のインバネスコートの下に白い袈裟のような衣を巻き、肩に獣皮をかける。左目には飾り彫金の入ったモノクル、右手には数珠と指輪を重ねてはめている。全身が演出で構成されたような風貌。黒髪で面長、年齢より少し若く見える。
【神禍】
『歪刃顕現・千騙の鋼(ライヤーズソード・オーバーロード)』
思想:真実は、信じたヤツのもの。
嘘を語ることで、その嘘を具現化する刀剣創造能力。
自分が今、語っている物語に応じた性質・形状・能力を持つ刀を作り出せる。
刃そのものの性能は彼の話術の説得力と信念に依存。それは嘘を真実として捻じ曲げる干渉力を得るが、嘘でその場にいる全員にわずかでも”筋が通っている”と思わせないと、能力は発動しないほか、作り出した刀の特性も無効化されてしまう。無効化されても刀としては使える。
【詳細設定】
ヘルメースという通り名を名乗る以前、彼は日本の都市部で探偵をしていた。
安アパートに事務所を構える無許可の私立探偵。
だが、彼は探偵という肩書を演出として楽しんでいた。架空の世界に存在する探偵に憧れがあったのもあるだろう。
事務所にはあえてレトロな電話機、分厚い灰皿、ブラインドにかかったスーツ姿のシルエットが置いてある。
すべてが物語に、フィクションに出てくる探偵を模していた。
彼は嘘つきだった。
だが、彼の語る面白い真実(うそ)は人を救うこともあった。
例えば、恋人の裏切りに苦しむ依頼人には、浮気相手に嵌められていたという物語を語り、最悪の別れを少しだけ穏やかにした。
自殺しようとしていた青年には、君の母親は君のことを最後まで探していたと、捏造の真実を語り、生き延びさせた。
彼は本当のことを語る意味を見失っている。
人は嘘に救われる。ならば、それを語る者こそが真実の語り部なのではないか。
彼はそう信じた。虚飾の力を何よりも。
地球が凍り、文明が崩壊した後、彼は何も持たず吹雪の都市を歩いている。
武器も仕事も、居場所すらなく、物語を語っていた。騙っていた。
オレはむかしむかしに実在した氷の民に選ばれた語り部でね、と言えば、面白がった人々は彼に暖を与えた。
この刃は、かつて竜を斬った武器の一部なんだ、と言えば、拾った鉄くずが聖なる刃に見え、襲撃者を退ける手段となった。
いつしか、彼は数多の欺瞞をもってして多くの人間から真実を暴かぬ虚飾の探偵、『ヘルメース』と呼ばれるようになっていた。
ここからは、蛇足の話。
ある夜のこと。なんだったか、恨みを買ったカルト教団による襲撃者に囲まれ、命を落としかけた時。
彼は、弁舌で襲撃者を丸め込みつつ、ダメ元で口にした。
この刃は、どんなものでも切り裂く。神すらも、と。
すると、言葉に応じるように彼の手元に奇妙な刀が出現した。
神殺しの概念を付与された刀が、禍々しく光を放つ。
こんなモンも作れちまうのかよ。ヘルメースは苦笑した。
襲撃者を退けた後の、刀の行方は、誰も知らない。誰かに渡したかもしれないし、生贄として攫われた際に没収されてしまったかもしれない。
あるいは、彼の手元にまだ残っているのやも。
最終更新:2025年06月04日 15:40