【名前】No.4『魔王』 / ゲルトハルト・フォン・ゴッドフリート
【性別】男
【年齢】38
【性格】寡黙。冷酷無比。その行動は苛烈。
【容姿】氷水の如く耽美な青い長髪。冷めきった碧眼。
黒地に青のラインが入ったドイツ軍服。灰色の外套。
目深に被った軍帽。右の胸元にⅣの刻印。
【神禍】『第四崩壊・最終冰期(エルケーニヒ・カイルヅァイツ)』
思想:現人類を可能な限り上質な状態で保存する。
第四の災禍。
上記、神禍の名称は当機関による命名。
併記した思想は推測に過ぎないが、対象による過去の発言、行動記録から大凡このようなものと判断された。
神が地へ降ろした凍土の魔王。
対象は知覚する範囲の気温を著しく低下させ、氷結や降雪を初めとした汎ゆる低温現象を自在に行使する。
神禍発現の黎明期、先立って地球全土を席巻した寒冷化現象の影響により、寒気を操る禍者は大量に出現していた。
しかし対象のそれは単純に規模と威力が規格外に図抜けており、冬の神が遣わした意思を持つ冰期と評される。
そして、なによりも特異な点は、対象によって凍結された物質は永久に凍ったまま、時間の経過を停止すること。
即ち生命体としてだけでなく、存在として自然界から外れ、たとえ地球が停止しようとも永久に在り続けると判明した。
つまり彼が作り出した環境は不可逆であり、復興は永遠に不可能であることを知らしめ、国際社会を絶望の淵に叩き落とした。
最終冰期とは地球最新の寒冷期であるが、対象の神禍は永遠に更新されることのない最後の氷河期を齎すだろう。
軍部のコントロールを外れ僅か数ヶ月、単一で欧州のほぼ全域に渡る社会秩序を崩壊させた規格外の魔王。
以上の記録から当機関は対象、ゲルトハルト・フォン・ゴッドフリートを4番目の災禍に認定する。
―――『国連秘匿資料:過重神禍・第四位』より。
【詳細設定】
過重神禍・十二崩壊。
寒冷化現象の黎明期、地球上に12体発生したとされる特級の災禍。
当時まだかろうじて機能していた国連機関が認定した、やがて人類を滅ぼし得ると目されし、恐るべき禍人たち。
人間社会にとどめを刺したのは寒冷化ではなく、後に発生した神禍による国家間紛争や内乱であることは今や周知の事実である。
中でも極めて異端とされし、神の見えざる手によって世界各所に配置された十二崩壊は、人類を効率的に自滅させる術を授かっていた。
必ずしも彼らの全員が人類に仇なしたわけではないが、多くは近隣国家に壊滅的被害を与え、厄災を振りまいたという。
人類滅亡が決定的になるにつれ、役割を終えたように討滅、同士討ち、自滅等によって数を減らし、現存確認される個体は僅かとされる。
ゲルトハルト・フォン・ゴッドフリート。
ドイツにて発生した4番目の災禍は、史上最も直接的な手段で人類を滅ぼした暴君として記録されている。
即ち意思を持った寒冷化現象。人の生存を決して許さぬ、絶対零度の化身。
人類の最盛期は常に現在であり、以降は緩やかな衰退あるのみ。
故に最も素晴らしきイマをもって、人の歴史を永久に保存する。
由緒正しき騎士家系に育ち、ドイツ陸軍の中でエリート街道を邁進していた彼が、如何にしてその破滅的結論に至ったかは不明である。
いずれにせよ神は滅びの担い手として彼を見初め、彼は正しくその神命を実行した。
寒冷化から間もない混乱の時代、暴走する諸外国から国境を警護する任を受けていた彼は、神禍に目覚めて程なく反転。
狂奔する部下と民衆を従え、一夜にして自国の首都を制圧せしめた。
驚異的な手際で軍部の実権を掌握するやいなや、今度は周辺諸国に攻め入り、瞬く間に欧州全域を戦乱の嵐に巻き込んでいく。
彼の進軍の後に残されたものは、鏖殺の暴威と永遠に停止した氷像のみであったという。
国連のヨーロッパ支部が定期連絡を断って程なく、彼の姿もまた忽然と消えた。
しかし我々は、彼はまだどこかで生存していると信じている。
魔王が作り上げた氷像の世界は、未だ朽ちることなくこの地に残されている。
それが彼の、生存の証明でなければならない。
魔王の死をもって永遠の氷は砕ける。
そう信じなければ、あまりにも救いが無いからだ。
―――『ベルリン研究所の跡地から発見された手記』より。
最終更新:2025年06月04日 15:41