真冬の冬木市に、1人の少女?が降り立った。
冬だというのにノースリーブのワンピースを着用し、奇妙な形の帽子からは不気味に蠢く触手を生やしている。
そう、彼女は人間ではない。
――地上を侵略し、人類を征服するという野望を胸に、仄暗い海の底からやってきた正義の使者なのだ。
広大な海を無限のゴミ箱かなにかだと勘違いした人類へ鉄槌を下す者。
こと聖杯戦争という舞台において、彼女が呼ばれるのは当然のことと言えた。
そんな恐ろしい存在が今、人類への侵略を開始しようと――
「……くしゃん! うぅ……寒いでゲショ。英子~千鶴~どこでゲショ~?」
――……してはいなかった。
口と鼻から真っ黒いイカスミを垂らしている彼女は、アダ名でもふざけている訳でも無く、「イカ娘」という名を持つ人外である。
しかし、崇高な使命を持って地上に上陸したわけだが、なんやかんやあってすっかり地上に馴染んでしまっているのだ。
そんなイカ娘は今現在、絶賛迷子中であった。
というのも、居候中の家の者達と久しぶりに遠出をしたと思えば、見知らぬ街にひとりぼっちという状況に置かれてしまったのだ。
「まさか意地悪してるのでゲソ? 昨日たけるの分までエビを食べたのは悪かったでゲソ~許して欲しいでゲソ~」
未知というのは人に不安を掻き立てさせるものである。
イカとて例外ではない。
人気も無く、暗く凍える様な夜の街に声を掛け続けるのは容易なことでは無かった。
次第に、自分は置き去りにされてしまったのでは? という嫌な考えが頭を掠める。
「と、取り敢えず、寒さを凌げる場所を探すでゲソ」
余談だが、本来ならばイカ娘にとって冬の寒さというのはそこまで脅威では無かった。
故郷は海であり、深海付近ともなると1℃を記録する場所もある。
しかし、地上での快適な生活に慣れてしまったイカ娘は、もはや暖房器具のない冬など考えられない物となっていた。
イカ娘は非常に進化と退化のスピードが早いのだ。
無断からよく使う触手でさえ、しばらく使わなかった時期があっただけでただの髪になりそうだった事もある程である。
「……お? あそこに見えるのはコンビニじゃなイカ?」
しばらく寒さに震えて歩を進めていたイカ娘だが、遠くにコンビニの灯りを見つける事に成功した。
多少世俗慣れしたイカ娘は、ついでに電話を借りよう、と考えたが、そもそも誰の連絡先も知らなかった事に気づいた。
しかし、店内の温度は少なくとも外よりはマシなはずである。
イカ娘は歩を急いだ。
「はぁ……生き返るでゲソ……」
幸い電気ポットが設置してあるコンビニだったため、なけなしの金で安いシーフードヌードルを購入し、小さな飲食スペースで休憩する事にした。
ちびちびとラーメンを啜り、世間からは謎肉よろしく謎エビと言われているエビを惜しみながら食べる姿は哀愁が漂っている。
「こんな事なら昨日栄子の分までお腹いっぱいエビを食べておくんだったでゲソ……」
ついさっきまでの反省などすっかり忘れて厚かましいことをのたまっているが、これがイカ娘の処世術なのである。
嫌なことはすぐに忘れて良いことだけを覚える、実に生物として理にかなった生き方であった。
それでも、家主であり地上最強の生物と名高い(当社調べ)千鶴のエビに手を出そうと思わないのは、最後に残った防衛本能によるものだろう。
「ふぅ……まあ千鶴も鬼じゃないでゲソ。その内迎えに来てくれるでゲソね」
身体に悪そうなスープまで綺麗に飲み干し、すっかり気分が良くなったイカ娘は、持ち前の楽観思考で迎えを待つことにしたのだった。
しかし、そこで疑問が沸き起こる。
「しまったでゲソ。さっきの場所からここまで結構歩いたんじゃなイカ? みんなが探し回っていたら大変でゲソ!」
イカ娘は決して馬鹿ではない、それくらいの思考は当然といえる。
しかし、外は寒い、比較的温かい拠点を離れるのは困難を極めた。
それでも、温かい拠点と温かい自宅(居候)では比べるべくもない。
それに、まだ深夜ではないとはいえ、13~4歳くらいの見た目の少女が1人で夜のコンビニにたむろしている光景は決してありふれたものではないだろう。
現に、数刻前から店員がイカ娘の様子をチラチラと伺っているのだ。
これ以上長居はできそうもなかった。
「こうなれば腹を括るしか無いでゲソ!」
聖杯戦争の地とは思えないほどショボい葛藤だが、イカ娘にとっては一大決心である。
大海に見を投げ打つ覚悟で、イカ娘はコンビニを飛び出した。
――すると。
「おや、やっと出てきたかマスター。全く、待ちくたびれてしまったよ」
イカ娘に近づいてくる人物が1人。
かなり大柄な男で、イカ娘と並ぶと大人と子供というより大人と幼児の様である。
イカ娘の事を“マスター”と読んだ男は、いかにも仕立ての良い暖かそうな服を着ていて、とても気さくな様子であった。
「お主、誰でゲソ? 千鶴の友達でゲソか?」
「いやぁ、違うよ。サーヴァントさ、キミのね」
千鶴の知り合いではないと言うし、勿論自分も知らない親しげな人物にイカ娘の頭は疑問符でいっぱいになったが、彼の“サーヴァント”という言葉は妙に引っかかった。
そして、目の前の人物などそっちのけで考えること数秒――イカ娘の脳にやっと聖杯戦争の情報が舞い込んできた。
「うわぁ、なんでゲソ!? 知らない言葉がいっぱい入ってくるでゲソ~!?」
目をぐるぐると回して混乱状態のイカ娘を、サーヴァントの男は愉快そうに見つめていた。
――待つこと数分、やっと落ち着いたイカ娘は持ち前の高い学習能力で聖杯戦争の情報を整理し始め、同時にその右手には令呪が宿り始めていた。
「落ち着いたかい? マスター」
「うぅ……なんとか……道理で栄子達が来ないはずでゲソ……」
イカ娘が得た情報は、今の状況を納得させるだけの説得力があるものであった。
願いを叶える聖杯やサーヴァント、彼らに対して絶対的命令権を持つ令呪に、マスターとしての自分の立場。
よくよく考えてみれば美味しい話である(命の危機などは考えつきもしない)。
「ふっふっふ、聖杯があれば、一年中エビが食べ放題じゃなイカ! これを逃す手は無いでゲソ!」
利点だけを見てご機嫌に笑うイカ娘を見て、サーヴァントの男は無いはずの髭を擦る様な仕草をして頷いた。
なんとなく疑問を浮かべているその顔を察知したイカ娘は、ためらうこと無く訪ねた。
「どうしたのでゲソ?」
「いや、やはりマスターはエビが好物のようだと思ってね。そしてその、なんだい? ラーメンを食べていた時も思ったんだが……感情に起因して勝手に動く帽子や髪の毛なんて初めて見るよ。一体どうしてなのかと考えていたんだ」
「ああ、そんなことでゲソか……私はイカでゲソ。人間と違うのは当然じゃなイカ?」
さも何でも無いことの様に言い放つイカ娘だが、男にとっては衝撃どころの話ではない。
「イカ? キミはあの動物界軟体動物門頭足綱十腕形上目のイカに分類される生物だと?」
「そんな人間が決めた分類は知らないでゲソが……申し遅れたでゲソ! 私は人間たちを侵略するためにやってきた海からの使者、イカ娘でゲソ!」
イカ娘の会心の名乗りも、もはや男の関心を引いてはいなかった。
男は小さくブツブツと、「イカだと……まだ死んでから100年ほどじゃ……まさかぼくの時代にも……いや、まずあれは軟体動物では……十腕でもない……人に似すぎているし……自然選択の適応……スズメガとハチドリの様な……いや、まずあれは海生生物なのか……しかし私の勘が紛れもなく彼女は“イカ”だと告げている……」などと呟き、いかにも危険な匂いが漂っている。
「お主! おいお主! 私が名乗ったんだから名乗り返すのが礼儀じゃなイカ!」
自分から聞いておいてガン無視のサーヴァントに激昂し、イカ娘は声を荒らげる。
そこでやっと我に帰った彼は、一度冷静を取り戻し、名乗りを返した。
「ああ、ぼくはダーウィン。チャールズ・ダーウィンだ。クラスはライダー……はわかるか。――さて、とにかくキミはイカなんだろう? 生まれはどこの海かな? 呼吸は肺呼吸? エラはあるのかな? ええとそれから――」
否、まだ冷静を取り戻してはいなかったようだ。
何処に他の主従がいるともわからないのに、安々と真名を名乗り、さも命令は果たしたと言わんばかりにイカ娘に質問の嵐を浴びせる。
心なしかじわりじわりとイカ娘に距離を詰めている様子は、その身長差もあってか傍から見れば事案物である。
触手に手を伸ばしつつあるライダーに、イカ娘が身の危険を感じるのは当然の結果と言えた。
「う、うるさいでゲソ!! それ以上騒いだら令呪を使うでゲソ!」
イカ娘は素早く飛び退き、令呪の使用を宣言――やむを得ない処置である。
こんな序盤で三画しかない令呪を使うほどイカ娘は馬鹿ではないが、この暴走がずっと続くくらいなら令呪一画くらい安いと思えた。
なにせ触手や頭部のペチペチによる物理的な防衛が通用しない相手であることは、イカ娘には理解できてしまっているのだから。
ある意味早苗やシンディーよりも恐ろしい存在である。
人類とは異なる異形の者として認められたい気持ちはあるが、このような反応は求めていないのだ。
「わかったわかった! 今は一旦引いておくよ……ぼくとしても、キミとの仲を悪くしたいわけじゃあ無いからね」
イカ娘の態度を見て妙に聞き分けの良くなったライダー。
それも当然であろう、令呪によって“イカ娘に対する研究を禁止する”などと命じられては堪ったものではない。
面と向かって質問する事が警戒される要因ならば、面と向かわずに研究すればいいだけのことである。
これから聖杯戦争の間はずっと一緒に行動し続ける関係ならば、チャンスはいくらでもあるのだ。
それに、とっさに飛び出した言葉も嘘というわけではない、マスターとは友好な関係を築いていきたいのもまた本音であった。
「わ、わかればいいでゲソ!」
普段しつこい相手ばかりと接していたイカ娘にとって、引き際をわきまえるライダーの態度は新鮮なものであった。
子供達ではない歴とした大人が、自分の鶴の一声で行動するのはいかにも征服者っぽくて気分が良い。
マスターとサーヴァント、いわゆる主従関係。
目の前に佇むこのライダーはイカ娘にとって自由に動かせる駒、下僕なのだ。
再び再確認できた事実を前に、イカ娘の心情はもはや王様気分である。
そんなになっている有頂天なイカ娘とは対象に、ライダーはまたも考え込んでしまう。
召喚された時まではあまり本気になるほどではなかった願い――受肉。
少しばかり現代の生態系に興味はあったが、たかが百数年では大きな発展は見られないだろうと考え、マスターが何も願わないならば受肉させてもらう程度の考えだった。
しかし、ここに来てマスターがなんとも興味をそそられる存在だったのだ。
スキルとして表れるほどの観察眼が彼女はイカだといい、人間としての常識や倫理観が彼女はイカではないという。
自分の脳内で駆け巡る矛盾は、これ以上無いほど科学者としての本能を刺激するのだ。
「なぁマスター、キミは聖杯でエビを食べたいのか、世界征服をしたいのか、どっちなんだい?」
「むむむ……そういえば地上侵略を願うという手もあったでゲソ……」
――しまった! とライダーは後悔に苦心した。
ライダーには、エビくらいならば受肉した後でいくらでも提供してやれる自身があった。
それを切っ掛けに聖杯を譲ってもらう交渉を持ちかけようとしたのだが、まさか二択で迷っていたのだと思われる願望を、今の今まで認識していなかったとは思わたかったのだ。
策士策に溺れるとはまさにこの事、意図せずして聖杯戦争のおけるイカ娘の新たな可能性を意識させてしまった。
「……地上征服=人類の物は全て私の物、地上を征服すればエビ食べ放題……つまり、一石二鳥じゃなイカ!」
「ちょっと待ってくれ、そういった大きな野望は自分の手で達成した方が、やりがいとかがあるんじゃないかな? なんなら聖杯を私にくれても……」
イカ娘の脳内ビジョンはすでに最高の形で完成している。
そこにライダーが付け入る隙など、もはや欠片も無くなっていた。
「私は海を汚す人類を懲らしめられれば、やりがいとかどうでも良いでゲソ。簡単に地上征服が出来るなら、それに越したことは無いじゃなイカ!」
そう、イカ娘1人で出来ることなど限界がある。
最初に侵略しようと試みた家の長女にさえ頭が上がらないのに、どうして軍や70億人にも上る人類を征服できようか。
まさに聖杯は、棚から落ちてきたぼた餅の様に、イカ娘にとって願ってもない最高の機会であった。
「そうと決まれば話は早いでゲソ! 早速他のサーヴァント達を倒して、地上を侵略するでゲソ!」
キンと張り詰めた冬木の闇に、イカ娘の決意が響く。
多くのことがありすぎて興奮しているイカ娘は、この決意が曲がらぬものだと信じているが、未来はまだわからない。
戦闘で現実に打ちのめされるどころか、下手したら朝起きたときにでも寂しくなって、すぐ家に帰りたくなるかもしれない。
ライダーは決してイカ娘に害をなすことはないだろうが、それでもイカ娘への興味は尽きてはいないのだ。
――否、今この瞬間にもその研究欲は沸々と煮えたぎっている。
「……クショ! やっぱり外は寒いでゲショ……」
ああ、イカ墨を吐いたことで更にライダーの興味が惹かれてしまった。
ライダーは凍えそうなイカ娘に羽織っていたコートを掛け、友好を示す。
イカ娘も、ありがとうでゲソ、と笑顔を咲かせて上機嫌である。
戦争するにも、研究するにも、まずは住居が必要だ。
どこか身を置く場所を探すために、2人は夜の街へと歩き出した。
【クラス】
ライダー
【真名】
チャールズ・ロバート・ダーウィン
【出典】
19世紀イギリス
【性別】
男
【属性】
秩序・善
【ステータス】
筋力E+ 耐久E+ 敏捷C 魔力A 幸運EX 宝具EX
【クラススキル】
騎乗:C-
乗り物を乗りこなす能力。
「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。
乗馬に関してはプロ並みの腕前。船酔いが酷い。
対魔力:A
魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
【保有スキル】
進化論:EX
自然選択説とも呼ばれ、厳しい自然環境が生物に起きる突然変異を選別し進化に方向性を与えること。
適者生存の意思のもとに、苦境に立たされた時に”苦境に適応し、生き残る”為に変化が起きる。
変化、星の開拓者などが複合したもの。
博物学:A+
自然に存在するものについて研究する学問の理解度合い。
自然への高度な理解は超能力や予知の域に達する。
ライダーは特に生物学・地質学に優れ、相手の特性・本質やその場で起きた出来事を察知する事を得意とする。
病弱:C
虚弱体質。ライダーの場合後天的なものであるが、半生を病に侵されて過ごしたことや医者でも病状を掴めず後世の民衆が様々な病を議論したため付加された。
発生率は限りなく低い(約5%)が、あらゆる行動時にステータス低下のリスクを伴うようになる。
このスキルは自己進化によって消えることはない。船に乗ると発動する確率が逆転する(約95%)。
【宝具】
【この小さな船は偉大なる者のために大いなる未知を征く(ボヤージュ・オブ・ザ・ビーグル)】
ランク:EX 種別:対運命宝具 レンジ:1~99 最大補足:50人
イギリス軍の砲10門を搭載した小さな帆船、”ビーグル号”と乗組員数名を召喚する。
このビーグル号による航海がなければ、ライダーは聖職者という正反対の職に付いていたであろう奇跡の船。
後年、ビーグル号が停まった入り江が「ダーウィン港」と名付けられ、その地域にダーウィンという街や大学が立てられるまでとなった。
神を否定したライダーには皮肉なことだが、ライダーとビーグル号の出会いは、神の啓示の如き奇跡が重なった結果とも言われている。
もちろん砲撃など、戦艦としての戦力としても有効だが、宝具としての真価はそこではない。
ライダーが転機となる重要な場面に差し掛かった時、ライダーの意思に関係なく現れ、進むべき進路を示す。
未来への干渉をも行い、より知るべき重要な真実に向かった方角へと船頭を向けて出現する。
その先で何と出会い、何を見て、何を考えるかはライダー次第であり、必ずしも(都合の)良い結果になるとは限らない。
ライダー自身にこの船を動かす力は無く、乗組員を追加で召喚しなければならない。
本来の船よりも人員は少なく済み、動かすだけならば艦長だけで良いが、砲塔を動かし戦闘を行うならば更に数人必要。
【ロバート・フィッツ=ロイ】
召喚される乗組員の1人で、ビーグル号の艦長。
情緒が不安定気味ですぐ癇癪を起こし、神経質で非妥協敵な性格。其の上狂信的なまでのキリスト教徒である。
ライダーとは思想の違いでよく対立し、そして冷静になるとすぐに仲直りする。
しかし、その反面は仲間思いで気配り屋であり、彼がいなければビーグル号は動かせない重要な人物。
【真実は変化を受け入れる者だけに(オン・ジ・オリジン・オブ・スピィシーズ)】
ランク:A 種別:対生物宝具 レンジ:1 最大補足:10
ライダーが5年の航海と、20年の製作期間を経て完成させたの常識を変えた書。5回の改訂を行って第6版まで出版された。
この書は『生命は全て神が作り出し、不変のもの』という聖書を真っ向から否定し、多くのキリスト教徒から批判を集めた。
この宝具は全ての生物(植物含む)に自然選択説によって、より環境に適応させるための変化を与える。
もしくは環境適応の為に必要の無くなった獰猛さや体の大きさを退化によって取り戻させる。
英霊たるサーヴァントは死んでいるため生物としての可能性は無く(例外:アルトリア等)、ライダー自身もこの宝具によって変化することは叶わない。
また、聖書の否定を行う禁書としての反面も持ち合わせる。
宝具が発動している間は、神及び悪魔に類する者や魔物・魔獣などの生物学的に種の起源を推測できない、生物学的に説明出来ない存在を強引に説明出来る存在へと落とし込み、それに起因スキル(神性、鬼種の魔、魔眼など)を打ち消す。
【人物背景】
裕福な医師の家系に生まれ、高名な博物学者の祖父を持つ生粋の博物学者。
幼い頃は家の資産目当てに勉強もせずに遊び呆け、将来の明確な計画など無いドラ息子であった。
父ロバートは彼を医者にしたがり様々な学校に通わせたが授業に出たのは数える程度で、日々を乗馬や狩猟にかまけ、たまの授業で人の血を見れば吐く始末である。
医学そっちのけで博物学に興味津々だったチャールズは、個人的に数々の博物学教授と信仰を深め、父に内緒で博物学の授業を取り続けた。
そんなチャールズの父はもう医者にすることを諦め、牧師になるよう促した(無論博物学者は認めなかった)。
チャールズもそれを渋々承諾、このままいけば敬虔とは言わずとも神の信徒になっていたのだから面白い。
そしてチャールズが奇跡の如く出会ったのが、仲の良いの教授の1人から進められたビーグル号の世界一周測量航海であった。
その5年に及んだ航海で彼は多くの発見をし、その功績によって王立協会の会員として認められた(本人曰く「自分が英国の国王になるが如き奇跡」)。
そして20年の苦節を経て「種の起源」を書き上げた。
そこには聖書を否定する内容があったため多くの批判や誹謗中傷が飛び交ったが、味方も多く、チャールズ・ダーウィンの名は広く知れ渡った。
種の起源は第六版まで改定されたが、30歳辺りから弱り始めた身体に限界が訪れ、73歳のときに心臓病でこの世を去った。
人生の半分以上は病によって苦しみ続けた生涯であったが、彼の唱えた進化論は近年徐々に常識として認知されつつある程の説となっている。
【特徴】
外見は20代の時分で英国紳士な服装をしている。
父親譲りの高身長で、英国人の中でも一際大きい190cm前後。
髪が後退し始めた頃で、額が広いのが悩みである。
【weapon】
狩猟用の銃:一般的な狩猟用ライフル。狩りは天才的だが、グロ耐性がないため人は撃てない。
【聖杯にかける願い】
受肉。科学が発展した現代で再び博物学を研究したい、特にイカ娘を。
【マスター】
イカ娘
【出典】
侵略!イカ娘
【性別】
女
【Weapon】
触手
【能力・技能】
髪の毛のように頭部から生えている10本の触手を伸ばし、手足よりも精密に動かせる(木を性格に切り裂き、壁に穴を開けるなど威力は高い)。
ホタルイカの能力も持ち合わせ、体全体を発行させることも可能。
その他にも口からイカ墨を吐いたり、頭部のエンペラを動かしたり(人を吹き飛ばす程の威力がある)できる。
本人の能力化は定かではないが、着ている一張羅は傷や汚れが自動修復される優れもので、常時付けている腕輪は自分の体重を自由自在に増減できる。
【人物背景】
ゴミの不法投棄や汚染水の垂れ流しなどの自然を敬わない人類から海を守るべく、地上を侵略しに来たイカの少女。
故郷に一番近い人類の棲家として、海の家「れもん」を侵略しに来たが、あえなく失敗して従業員として働くことになった。
侵略するといっても人を殺したり傷つけたりすることは苦手で、悪事も悪戯レベル以上は気が進まない優しい侵略者である。
推定では13~14歳ほどだが、同居人の女性2人の小6時代よりも背が低く、その身長の低さがコンプレックスとなっている。
イカなのに人間の病に罹りやすく、イカ特有の病気(ゲソニンムルゴボング病、イカモスロップソン病)もあるため同居人には虚弱なのではないかと言われている。
やや世間知らずな面が多く、常識に対して無知な事がある(イカとしては博学)が、頭がよく物覚えも良いため、教えたことはすぐに実行できる(英会話や大学レベルの数学、機械の操作もすぐに覚えた)。
好物はエビ、嫌いなものは無いが、エビを長期間食べないでいると禁断症状が起きる。
すっかり海の家に馴染んでしまい、侵略の事を忘れている節が多々見られる。
【マスターとしての願い】
エビ……じゃなくて、地上を征服するでゲソ!
最終更新:2016年09月23日 23:17