時代が望むとき、ヒーローは必ず蘇る。
◆ ◆ ◆
沢田綱吉は、混乱していた。
気が付いたときには、早朝の山の中にいた。
自分がなぜこんなところにいるのか、まったく見当がつかなかった。
なのに記憶には、自分が知るはずのない情報が刻まれていた。
聖杯戦争。その命がけの戦いに巻き込まれたのだと、綱吉は理解せざるを得なかった。
(なんでこんなことになってるんだよ……。
せっかくリング争奪戦も終わって、また元の生活に戻れると思ったのに……)
現在、綱吉は海辺で膝を抱えて泣いていた。
自分の置かれた状況を理解した後、彼は街に下りて公衆電話から自宅への連絡を試みた。
だが綱吉が聞いたのは、「おかけになった電話番号は、現在使われておりません」という非情のメッセージだった。
番号を間違えたかと思いもう一度かけてみたが、結果は同じ。
記憶にある友人宅や学校の電話番号にもかけてみたが、どれ一つとして繋がることはなかった。
途方に暮れた綱吉は、警察に助けを求めようと交番を探した。
その途中偶然目にしたのは、道ばたに捨てられていた新聞の日付。
それは、彼の知るものとはまったく異なっていた。
自分は場所だけでなく、時間すらも移動してこの場所に連れて来られた。
その考えにいたった綱吉は、現実から逃げるかのようにがむしゃらに走り出していた。
そして最終的に海にたどり着き、現在にいたるというわけである。
(なんで俺なんだよ……。
俺は聖杯なんてほしくない。ただ普通に過ごしたいだけなのに……。
だいたい、俺一人で何ができるっていうんだよ……)
綱吉はこれまで、いくつかの命に関わる戦いを切り抜けていた。
だがそれは、彼一人の力でできたことではない。
自分を叱咤する家庭教師も、重荷を共に背負ってくれる友人たちも、ここにはいないのだ。
「誰か……助けてよ……」
無意識に、綱吉は声に出して呟いていた。
その直後、その場に轟音が響いた。
「ひいっ! な、何!?」
怯える綱吉に、轟音はだんだんと近づいてくる。
その正体がバイクのエンジン音だということに綱吉が気づくには、さほど時間はかからなかった。
「なんかこっちに近づいてくるしー!?」
自分に向かって走ってくるバイクの姿を確認した綱吉は、すぐに逃げだそうとする。
だがとっさに立ち上がることができず、その場でバタバタともがいてしまう。
そうこうしているうちに、バイクは彼の目前まで来ていた。
「わー! なんだかわからないけどごめんなさい!
どうか見逃してください!」
日頃の習性で、とりあえず謝る綱吉。
だがバイクに乗る男から発せられたのは、彼の予想を裏切る言葉だった。
「大丈夫。僕は君の味方だ」
「え?」
戸惑う綱吉の前で、男は十字があしらわれたヘルメットをゆっくりと脱ぐ。
その下から出てきたのは、もじゃもじゃ髪の穏やかな顔だった。
(あ、あれ? なんか優しそう?
ていうか、こんなおじさんがこのすごいバイク乗り回してたの?)
目をぱちくりさせる綱吉に、男はなおも語りかける。
「僕自身がヒーローになったつもりはないんだけどねえ……。
けどやっぱり、怯えてる子供を見捨てたくはないからね。
僕は、ライダーのサーヴァント。君を守りに来た」
彼は決して、ヒーローではない。
だが彼は、数多の子どもたちから愛されるヒーローを生み出した男だ。
ゆえに今回の聖杯戦争において、彼は子供を守るヒーローとして現れた。
「真名、って言ってもペンネームなんだけど……。
石ノ森章太郎って、知ってるかな?」
【クラス】ライダー
【真名】石ノ森章太郎
【出典】史実(現代)
【性別】男
【属性】中立・善
【パラメーター】筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:E 幸運:C 宝具:A
【クラススキル】
騎乗:EX
乗り物を乗りこなす能力。
日本で「ライダー」といえば、たいていの人は「仮面ライダー」を思い浮かべる。
この聖杯戦争の開催地が日本である以上、仮面ライダーの生みの親である石ノ森はライダーとして極限の補正を得る。
対魔力:E
魔術に対する抵抗力。ダメージ数値を多少削減する。
【保有スキル】
萬画の王様:C
多数の名作を残した石ノ森に贈られた、唯一無二の称号。
漫画を描くことにより、その内容に応じたスキルをDランクで取得できる。
暗殺者が主人公の漫画を描けば「気配遮断」を、弁慶が主人公の漫画を描けば「仁王立ち」を得られるだろう。
取得したスキルは、原稿が破棄されない限り消えることはない。
なおキャスターとして召喚されたならこのスキルはAとなるが、今回はライダーでの召喚のためランクが落ちている。
【宝具】
『全ての騎兵は我に通ず(ライダーズ・オリジン)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1-100 最大捕捉:1人
「仮面ライダーの生みの親である」という功績が具現化したバイク。
旧サイクロン号から連なる、全てのライダーマシンに変形することができる。
彼がいなければ後続の仮面ライダーが生まれることもなかったため、彼の死後に誕生した仮面ライダーのマシンにも対応している。
『英雄たちの借宿(ホテル・プラトン)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1-50 最大捕捉:100人
彼の作品である「HOTEL」に登場するホテルプラトンをイメージの基点とした、固有結界。
この中では石ノ森の作品に登場したありとあらゆるキャラクターを具現化することができ、本人に代わって敵と戦ってくれる。
固有結界としては、やや規模は小さめである。
【weapon】
ペンと原稿用紙
【人物背景】
日本を代表する漫画家の一人。
伝説の「トキワ荘」で青春を過ごし、「サイボーグ009」のヒットでスター漫画家に。
その他の代表作に「HOTEL」「猿飛佐助」「ロボット刑事」など。
また「仮面ライダー」を始めとして、多くの特撮作品にも携わった。
今回は「仮面ライダーの生みの親」という面を強調され、ライダーとして召喚されている。
【サーヴァントとしての願い】
マスターを生還させる。
【マスター】沢田綱吉
【出典】家庭教師ヒットマンREBORN!
【性別】男
【マスターとしての願い】
聖杯なんていらないから、無事に帰りたい。
【weapon】
「死ぬ気丸」
綱吉の父・家光が開発した丸薬。
1錠飲めば死ぬ気モードに、2錠飲めば超死ぬ気モードになれる。
「X(イクス)グローブ」
綱吉の専用武器。
普段は毛糸の手袋だが、超死ぬ気モードになると革のような素材と金属でできたグローブに変化する。
死ぬ気の炎を灯すことにより、攻撃力を増加させる。
「大空のボンゴレリング」
ボンゴレファミリーのボスに受け継がれる指輪。
現時点の綱吉はこれを戦闘に活用する方法を知らないため、今の彼にはただのアクセサリーにすぎない。
【能力・技能】
「死ぬ気モード」
死ぬ気弾、もしくは死ぬ気丸によって覚醒する、「死ぬ気の炎」を灯した状態。
「心残り」を解消するために邁進し続ける、一種の暴走状態である。
その上位である「超(ハイパー)死ぬ気モード」では理性を保ったまま身体能力が向上し、冷静かつ勇敢な人格となる。
「超直感」
ボンゴレの血を引く者が持つ、物事の真実を見抜く超感覚。
サーヴァントの「直感」スキルに当てはめると、通常でEランク、超死ぬ気モードでBランクに相当する。
【人物背景】
勉強もダメ。運動もダメ。好きな子に声もかけられない。
周囲から「ダメツナ」と馬鹿にされ、不登校気味になっていた中学生。
実はイタリアの古豪マフィア「ボンゴレファミリー」ボスの遠縁であり、10代目ボスの候補者として謎のヒットマン・リボーンの指導を受ける羽目になる。
不本意ながらも裏社会の戦いに巻き込まれ幾度も死線をくぐり、少しずつ成長し、かけがえのない友も増やしていった。
しかし成長が表に出るのは追い詰められたときだけであり、普段は臆病で情けない性格のままである。
今回は10年後の未来に飛ばされる直前からの参加。
【方針】
生存を最優先
最終更新:2016年09月06日 01:02