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エロティシズムは、死にまで至る生への称揚だ。
――ジョルジュ・バタイユ
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いくら考えても、私が此処にいるのかが理解出来ない。
確かに、大お爺様の悲願――いや、あの人の夢を果たさせてあげようと、初めて乗る筈だった飛行機で冬木の街に赴いて、聖杯戦争を勝ち抜く。
その、筈だったのだ。確かに私は今、冬木の街にいる。そして、ソファに座りながら、自信の左手の甲に刻まれた、紅く光る痣の様なものを見つめた。
赤子に蛇が巻き付きているような形に、私には見える。何て、不吉なタトゥーなのか。これからの未来の不吉さを暗示させる、何ていやな、令呪なのだろうか。
私は確かに、聖杯戦争を参戦し、勝ち抜く筈の女だった。
だけど、令呪が刻まれるのは実際には、最愛の人、衛宮切嗣の筈であり、いわば私は彼がマスターであると気付かせない為の、彼が言う所のデコイだった筈。
なのにどうしてか、私はマスターとして聖杯に認められ……何よりも、何故今私は冬木の街のアインツベルン城にいるのか。
私はまだ、『本国のアインツベルン城』にいた筈なのに。考えても解らない。だから私は、ソファに座り、良く冷えた水を口にした。
何度も何度も、この冬木に来てから考えて来た事だが、やっぱり考えが纏まらない。此処で、眠るべきなのだろうか。夜も遅い、そうしよう。
「もうおやすみの時間かしら、アイリスフィール?」
ガラスで出来た鈴か風鈴でも鳴らすかの様な、愛らしい女性の声が、私、『アイリスフィール・フォン・アインツベルン』の耳に転がって来た。
声の方向を見てみると、其処には、世故に疎く、俗世の塵埃に疎い私ですら、これは『美しいもの』だと解る美少女が立っていた。
「清楚なものね、女の一番元気になる時間にお眠りなんて」
「淑女は規則正しい生活と慎みを主とするものよ、アヴェンジャー」
「堅い事ばかり言うと、女を楽しめなくなるわよ、アイリ。男を悦ばせる女こそが、真の淑女なのよ。お解り?」
つくづく、いやな性格をしていると、引き当てた自分でもそう思う。改めて私は、彼女の方に顔を向ける。
愛娘であるイリヤがもしも、順当に成長して、十数歳になれば、きっと体格はこうなるのだろうか? 性格だけは、似て欲しくないけれど。
風の任せるがままに伸ばした彼女の黒髪の輝きに比べれば、黒メノウの輝きなど安っぽいおもちゃのようなそれにしか見えない。
その上肌の色は、日の当たらない雪国で生まれた人間のような白磁色のそれであるのが、白と黒と言う見事なコントラストを作り上げている。
だがそれ以上に目を瞠るのは、その顔立ちの艶麗さ。柳の葉のように形の整った長い眉、大きく見開かれた瞳に、瑞々しい唇。
全てが、目も鼻も唇も、耳の形に至るまで、美の精髄足らぬ所など何一つとして彼女には存在しない。洗練された美そのもの。それが、彼女だった。
だが、その身に纏っている、薄らと透き通って身体のラインやその恥部を微かに仄めかせる黒いナイトドレスは、自分は清楚の対極の存在と言っているようなもの。
ドレスの下には、何も纏っていなかった。生まれたままの姿であり、その身体には、汗と、ぬらりとした液体が伝っていた。
何があったのかは、容易に想像が出来る。背中や腰の辺りからコウモリに似た翼を生やした裸の女性を、左に右にと侍らせていれば当然である。
彼女達にも、淫らな一時を過ごした後だと解る雫が、身体と髪とを淫靡に濡らしていた。
「聖杯戦争、まだ始まらないのかしら?」
彼女――アヴェンジャーのサーヴァント、『リリス』が言った。聖杯戦争の開催を期待しているらしい。劣悪とも言えるこのステータスでだ。
私の目に映るリリスのステータスは、とてもではないが優秀な三騎士のものには遠く及ばない。勝ち抜く事など困難に近い。
――しかしそれでも、彼女が聖杯戦争について並ならぬ自信を有している事に、思いあがっていると言う評価を私は下さなかった。
そう思い込むだけの力が、リリスにはある。何故なら彼女は、夢魔の女帝であり、アダムとイヴの子らへの永劫の敵対者であるから。
「この娘達で無聊を慰めるのも飽きたのだけれど。やっぱり交わうのなら同じ性より違う性ね」
要するに、人間の男性で、己の欲する所を満たしたい、と言う所なのだろう。淫乱と言う言葉がこれ以上相応しい存在も、ないように思う。
「あらお母様、私達ではご不満ですの?」
リリスの右腕に抱き着いていた、銀髪を涼しげな短髪に纏めている女性が甘えた様子で言った。
一目見ただけでは卑猥なものなど見た事もないのではと思う程清楚で、洗練された美麗さを誇っているが、腰の辺りから生えている一対の黒コウモリの翼を見れば解るが、つまるところはそう言う生命体と言う事になる。
「もっと遊ぼうよお母さぁん」
言ってリリスの左腰の辺りに抱き着くのは、見た所イリヤと年齢も背格好も変わらない、紫色の髪をした褐色の少女だった。
彼女もまた身に纏う服がなく、その背中の辺りからコウモリの翼を生やしていた。
「あぁ、私の愛し子達。不満と言う訳じゃないのよ、同じ技ばかりじゃ飽きるだけ。貴方達だって、そろそろ好みの男と褥を共にしたいでしょう?」
「うん」
「えぇ」
「はい」
即答した。最後の返事は、リリスの後ろにいた、此処にいるリリス以外の三人の中で一番年上。
もっと言えば、私ぐらいの年齢と背格好をした、青い髪の女性だった。彼女は翼の代わりに、臀部に近い所から白い狼に似た動物の尻尾を生やしている。
「……聖杯戦争の事なら、まだ始まってるかどうかも解らないわ。もう少しだけ我慢してて」
「その間、どうやって退屈なのを過ごせば良いのかしら? アイリ、私達は『夢魔』よ」
――そう。
リリス、と言う存在をもしも、サーヴァントとして召喚するのであれば、二つの側面の内どちらかで召喚される可能性が高い。
一つは、知恵の実を齧った事でエデンを追放された、『唯一神』の手によって自ら作られた神造の人間・アダムの最初の妻、つまり、同じ人祖としての側面。
そしてもう一つが、楽園を自分から飛び出し、楽園の外で跋扈していたとされる嘗ての地球の原生生物と交わり、無数の悪魔の子を成した、夢魔の女帝としての側面。
何の因果か知らないけれど、私はリリスと言うアヴェンジャーを人祖としてでなく、夢魔の女王、あらゆる書物の中で語られる悪魔として召喚してしまった。
西欧の古書や魔術書に記され、各地に伝わる伝承の中で語られる通り、彼女或いは彼らは、性に対して非常に放埓な性格をしている。
男や女の精を吸って生き、男の性で孕んで子を産み、女を孕ませ悪魔の子を成させる。それこそが、夢魔と言う悪魔の本質である。
つまり彼らの行動原理の中で性行為が非常に重要なウェートを占めているのは、性行為が彼らを悪魔足らしめる最も重要なファクターであるからだ。
精を吸わねば生きていけない、と言う事は言ってしまえば彼らにとってセックスは人間で言う所の食事と同じ。
リリスは夢魔として召喚されている以上、人の精を求める性が強い。が、生憎今はサーヴァントの身である為、私から供給される魔力がある限り、
性行為などしなくても現界が可能である。それでもなお彼女らが行為を求めるのは……、それが、彼女らにとっての生き甲斐だから、なのだろうか。やはり、いやらしいとしか言いようがない。
「聖杯戦争が始まったら、相手のマスターを幾らでも枯れ果て……殺しても構わないわよ」
表現を途中で私は言い直す。顔に熱が上るのを感じる。それを見てリリスが、クスッと笑った。
私が口にするにはそぐわない表現を使いかけたのには訳がある。アヴェンジャーは直接戦闘が出来ない。
夢魔と言う種族は夢の中でのみ本領を発揮出来る悪魔達で、戦う場所が夢や悪夢と言う世界である限り先ず彼らには負けと言うものが訪れない。
その中では全能に限りなく近い万能である。何故、全能と言う言葉を使わないのか。リリスから聞いたが、夢魔は夢を見せている相手に、これは夢魔の魔術だと気付かれたり、
所謂明晰夢の状態にあると、夢魔は著しく弱体化。夢魔と言う種族の最頂点に立つ彼女ですら、ただの一般人に敗れかねない程に弱体化してしまうのだ。
その上夢魔は現実世界に引っ張り出されても弱い。夢の中で凄まじく強い代償、と言う事になる。
つまりリリスの必勝法は――夢の中で相手を腹上死させるか、夢の中で強い悪夢を見せて過度の精神ダメージを与えさせるか、彼女が有する真の宝具を成功させるしかない、と言う事になる。要約すると、実に扱い難いサーヴァントと言う訳だ。
「でもその間、暇で暇でしょうがないわ。……アイリ、貴女が私を楽しませても良いのよ。貴女に初々しい嬌声、上げさせて見たいわ」
「馬鹿言わないで。私は大切な人に操を立ててます」
「あら、初耳」
「言えば小馬鹿にされそうだと思ったから、言わなかっただけです。全く、そんな性格だから、アダムに愛想を尽かされるのよ」
その一言を口にした瞬間――部屋の温度が急激に下がった気がした。
ゾワリ、と背筋を冷たいものが這った。氷で出来た蛭が、私の背中を伝って行くかのようだった。
この原因は何なのだろうと思い、顔の向きを再度リリスの方に向ける。……余裕を感じさせるような、不敵で、しかし艶然とした笑みを浮かべていた先程の表情が、
嘘のようだった。烈しい怒りに満ちた顔で、夢魔の女帝が私を睨みつけている。これは……切嗣が言っていた感覚だと、私は知った。戦場に於いて当たり前のように向けられる感情。殺意。
「……軽蔑したわね、私の事を。そして……その分際で馬鹿にしたわね、『あの人』の事を」
リリスの口調、それまでの甘やかすようなそれから、木の板ですら断たんばかりの強い殺気を孕んだそれに変わったと、彼女が生み出した悪魔達。
即ち、三人の『リリム』は気付いたらしい。彼女達の表情から余裕そうな微笑みが消えた。そして次に浮かべたのは、母の折檻の予感に怯える、子供のような顔。
彼女らはいそいそと、母と交わっていたあの部屋へと退散する。逃げ出した事は、明白だった。
自身のサーヴァントから、本当の殺意を向けられるとは思わなかった。
こう言う時の為に令呪があるのだと言う、極めて初歩的な事すら忘れてしまった私は、リリスがつかつかと此方に歩いて来るのを許してしまった。
「きゃっ!?」
リリスはガッと私の両手首を掴み、力を込め、私をソファへと押し倒した。勢い余って身体が、近くの小物置きと、その上の水の入ったコップごと倒してしまう。
水とガラスが砕ける音が、痛い位鼓膜に響いたその後で、リリスは怒りを吐き出した。
「貴女が気に入らなかったわアイリスフィール。初めて貴女を見た時、心の底から嫌悪した」
リリスが力を込めて私の手首を握る。
これが本当に、あらゆる悪魔を産み落としたとされる、キリスト教の聖者や天使、果ては神ですらが不倶戴天の敵とした女悪魔の力なのだろうか?
余りにも、か弱かった。イリヤと対して変わらない握力しかなく、恐れよりも寧ろ、申し訳なさの方が、先に立ってしまった。
「貴女が清楚だからじゃない、貴女が私みたいに汚れの知らない無垢な身体だからじゃない」
より強い怒りの炎を、黄金色の瞳の中で燃え上がらせるリリス。
その気になれば、百万の男を瞬時に蕩けさせる程の魅了(チャーム)の力を発揮させる魔眼には、相応しくない赫怒が爛々と燃えていた。
「――貴女が、神の定めた命の摂理を歪ませて生まれた、忌むべき子だから」
「……気付いてたのね、私が、ホムンクルスである事を」
そう、私、アイリスフィール・フォン・アインツベルンと言う女は、ただしい生殖行為で生まれた人間ではない。
私は、錬金術の大家であるアインツベルン家が遥か昔に偶然生み出したとされる冬の聖女・ユスティーツァを模して生み出された者。
今回で数えて四回目に相当する、聖杯降霊儀式の聖杯の『器』として錬成されたホムンクルス。
それはつまり、リリスの言う通り、あるべき命の法を歪めてこの世に生れ落ちた者。そしてその罰として、短命と言う烙印を押されてしまった者。
「私は人間が嫌い。『あの人』を寝取った女狐の子孫だから。だから私は殺し続ける。そしてそれ以上に嫌いなのが、男女の存在意義を歪めて生まれて来た命」
リリスは続けた。
「男も女も、共に平等なの。何故ならば、どちらが欠けても、命が生まれないから。どちらが欠けても、地に満ちられないから」
「……私は、無から生まれた訳じゃないのよ」
「詭弁よ。例えそうだとしても、貴女は男女の平等を揺るがす亀裂。神も悪魔も存在を許さない、汚れて呪われた女。それを認識なさい」
リリスは其処で、子供の握る力の様にか弱い拘束を解いた。
「マスターじゃなかったら、許してなかったわ」、そう口にする彼女の口ぶりからは、まだ怒りが消えてない。
「意外だった……と言うと失礼になるのかしら、アヴェンジャー」
「……何が?」
遥か高い天井に吊り下げられたシャンデリアの光を受けて危険な煌めきを放つガラスの破片を避けながら、私は口にした。
「私は、貴女が神の法だとか、平等だとか、そんな事を口にするようなサーヴァントには、見えなかったの」
「だから、私は本当は良いサーヴァント、だと言うのかしら? 悪魔のカモになるわよ、貴女」
「ううん、間違ってもそんな事は思わないわ。……だけど、少しだけ貴女の事は解った気がするの」
「貴女、見た目通りの時間を生きてないんでしょう? 良くて、十歳かそこらの人生経験で、何が解ると言うのかしら」
これもリリスの言う通り。私の生きた時間は、切嗣の半分以下だけど。
アヴェンジャーからしたら、半分の半分の半分以下かも知れないけれど。それでも、一人の夫を持つ妻として、大切な愛娘を産んだ母として。解る事が、一つだけあった。
「……貴女は今でも、アダムの事を愛していて、本当は子供の事だって殺したくなんか――」
それを聞いた瞬間、リリスは逃げるように私の下から退散して行き、三人のリリム達が待機しているあの部屋へと入っていった。
私の言う事はやっぱり、彼女の痛い所だったらしい。図星を突いてしまった、後で、謝るべきなのだろうと私は思う。
――初めてそのサーヴァントを引き当てた時私は、こんな女性が自分のサーヴァントだなんて、と心の底から彼女の事を嫌悪した。
我儘で、淫乱。刹那的な快楽主義者。好かれる要素など何一つとしてない、女性の悪い側面と恥たる部分を、人と言う型に詰め込んだ最悪の女性。
それが、私の引き当てたサーヴァント。アヴェンジャー、真名を、リリス、と呼ぶサーヴァント。私とあのサーヴァントの何処に、類似性があるのか私は解らなかった。
私の心の何処かに、そんな淫らな心が在るなんて、信じたくなかった。嫌悪していた。今、この瞬間までは。
リリスが嘗て犯し、今も犯しているであろう、遥か昔に神と天使に宣誓した、『嬰児殺し』によって培われた罪は、きっと償わればならないだろうし、
リリス自体も、何時かは裁かれねばならない人なのだろう。――だけど本当は、アヴェンジャーと言う女性は、誰よりも愛した人に裏切られ、
愛した夫は二度と自分と同じ道を歩まないから自棄になって悪魔になる道を選んだ、哀しい女性なのかも知れない。
悪魔になって、人類の敵になってそれでもなお、アダムと言う人を忘れられなくて、だけどいつの間にかアダムと一緒に人類の祖になったイヴと彼女の子孫を許せなくて。
だから嫉妬でイヴの子供達を殺し、アダムを失った事で空いた胸の哀しみを埋める為に、望んでもない人物と褥を共にして。
アヴェンジャーは、何処までも女だった。女性と言う生き物の良い側面と悪い側面を何処までも詰め込んだ、彼女もまた人類の祖たるに相応しい女だった。
リリスと言うサーヴァントは結局、『女である事に逃げる事しか出来なかった不器用で馬鹿な女』なのかも知れない。
「女である事に逃げる、か……」
私が女として生まれたのは、何故だろうか?
切嗣が言う所の、大お爺様の妄執の一環の為? 切嗣に出会って幸せを享受する為? イリヤを産む為?
私は、生き残らねばならない。この冬木は、明らかに切嗣達と戦いぬく筈だった冬木とは違うかも知れない。
此処には、頼るべき人がいない。だから、心細くないと言えば嘘になる。
だけど、この街の聖杯戦争ならば、私は、聖杯としての機能を復調させずに済むかもしれない。
私は、聖杯になるべくして生み出されたホムンクルス。その身体にサーヴァントを取り込めば取り込む程、私は……。
けど、此処でならその心配がない。此処で聖杯を勝ち取れば、私もイリヤも犠牲にならないで済む。切嗣の理想も、きっと果たせる。
……だから、切嗣とイリヤの為に、負ける訳には行かなかった。それは、女として私が得た大切なものの為だった。
「女である事には逃げるけど、女である事にも逃げられない戦いになったら――」
そう、戦うしかない。だって、人である事の否定だから。
リリスの言った通り、私は命の摂理を歪めて生まれた子供なのかも知れないけれど、そんな私でも、絶対に失いたくないものはある。
アヴェンジャーには、謝ろう。そして勝ち抜こう。私は、胸を新たにそう決め込んだ。
【元ネタ】旧約聖書、或いはユダヤ伝承
【CLASS】アヴェンジャー
【真名】リリス
【性別】女
【属性】混沌・悪
【身長・体重】158cm、47kg
【ステータス】筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:A++ 幸運:E- 宝具:EX
【クラス別スキル】
復讐者:EX
復讐を志す者の性根。恩讐と怨嗟を糧に生きる者。自身の復讐の対象となる存在と対峙した際、有利な様々な補正が掛かるスキル。
アヴェンジャーは人類の敵対者であり、アダムとイヴの子である人類種を憎む者。人類と敵対した時、様々なステータス上昇効果の他、対象のファンブル率の増加、
此方の各種行動の達成率の上昇が発生する。但し、相手が完全な人間でなければならず、人間以外の因子が入っていたり、そもそもホムンクルスでは復讐の対象にならない。
忘却補正:EX
このスキルは通常時には発動出来ず、夢魔としての権能を用いた時、つまり、夢の世界に於いてのみ発揮されるスキル。
アヴェンジャーが夢魔としての権能を解除した時、相手はアヴェンジャーが登場していた夢の内容を絶対に忘れる。つまり、彼女が夢の中で何をしても、相手は何をされたのかも気付けない。
精の強奪者:A++
夢魔としての肉体的特色。アヴェンジャーは人間の体液から吸収出来る魔力量が段違いに高い。有体に言えば、魔力供給の効率が抜群に良い。
相手が男性であれば腹上死させる事など造作もない。少なくともマスターが性行による魔力供給に積極的かつ絶倫である限り、魔力消費による消滅は事実上存在しないとすら言っても良い。
【固有スキル】
淫夢の女帝:EX
夢を通しての精神干渉。人間の無意識化に干渉し、悪夢を見せて恐慌させる心理攻撃。
意志の弱い者は悪夢で起きたことが、肉体へのダメージとしてフィードバックする。悪夢の世界は彼女の領地であり、そこではほぼ万能に近い能力を発揮する。
夢の世界を通じて、アヴェンジャーは任意の存在が見ている夢まで移動、そして干渉。夢を悪夢化させ、相手を殺害する事を得意とする。
但し夢は相手が眠っている時にこそ有効な世界であるので、夢を見ている人間が起きるか、誰かに起こされるかなりした場合は、その時点で夢の世界は途切れる。
また夢魔全体の宿命として、夢を見ている人物が所謂『明晰夢』にある状態の場合、夢の世界に於ける夢魔の万能性は著しく弱体化する。
魅惑の媚態:A+
アヴェンジャーは身体は勿論の事、仕草、流れる髪、目線までもが、人類種を魅了するに足る女性美を有した、いわば人体の黄金律である。
相手を魅了すると決めて、それらしい仕草や目線を送る事で、相手を高確率で魅了させる事が出来る。特にアヴェンジャーは夢魔である為、性的な魅惑に特化し、男なら抗し難い呪縛を架すことができる。
変身:A(A+)
夢の中にて姿を現し、相手の理想とする姿、相手が恐れる姿を取る、変幻自在の種族である夢魔の頂点に立つアヴェンジャーが有する最高位の変身スキル。
このランクになると部分的な変身どころか全身を完全に別の動物に変身させる事が出来、ロバ、雄牛、犬、ヘビ、コウモリなど様々な生物に変身可能。
また夢の中では変身スキルはカッコ内のランクに修正され、相手が理想とする人物や懸想している人物、更に相手の最も恐れる者の姿にも変身が可能。
人類種の祖:-(EX)
本来アヴェンジャーは、人祖アダムと全く同じタイミングで作られた、人類種の祖であるサーヴァントであった。
しかし今回の聖杯戦争においては、人類種の祖としてではなく、夢魔族であるリリム達の長としての召喚である為、このスキルは一切機能していない。
【宝具】
『百合よ、地に満ちよ(リリス・オーダー)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:夢を通じて何処までも 最大補足:召喚された数だけ
アヴェンジャーが有する夢魔としての権能。リリスは自身の魔力と血から、架空の悪魔である『リリム』を創造する事が出来る。
リリムは人間で言う所の六~二十代後半の女性の姿をしているが、皆例外なく美しいか愛らしい容姿を持っている。
リリム自体の個性である肉体的特徴は、つまりスリーサイズや髪の色、年齢などはアヴェンジャーは意のままに調整可能。
リリムは直接的な戦闘能力こそ皆無だが、夢魔の名の通り、夢の世界に於いて絶対の権力を持ち、人間の男性や女性の夢に入り込み、
精神操作を行ったり、サキュバスの系譜に連なる者として性交渉を行い相手を衰弱させたり、最悪そのまま性交渉で殺害する事も出来る。
特にこう言った性交渉に対する判定は、人間男性に対しては成功率が極めて高い。
但し、サキュバスとしての側面で現れた為か、リリム達は皆『性に纏わる行為しか行えず』、直接的に夢の中で相手を攻撃して殺害すると言う手段は出来ない。
また、対象となった相手が、『これは夢魔の見せる権能か魔術だ』と悟った時、リリム達の夢の中での絶対性は消滅し、逆に一方的になぶられ、殺されるだけの最弱の悪魔が誕生する。
『これぞ我が罪、あの人/女狐への復讐(キ・シキル・リル・ラ・ケ)』
ランク:EX 種別:対『人』宝具 レンジ:- 最大補足:-
アヴェンジャーが嘗てエデンの園を脱走し、自分を捕まえに来た三人の天使に対して宣誓した、『人間の新生児を殺害する』と言う呪詛が宝具となったもの。
アヴェンジャーは人間と対峙した時、対峙した人物の年齢を巻き戻させ、『生後間もない新生児にまで対象の時間を逆行させる事が出来る』。
この宝具は復讐者スキルとは違い、部分的に人間の要素を有した、純然ではない人間と何かの相の子でも発動が可能。
例えサーヴァントであろうとも、その存在が人間であるのならばこの呪詛からは逃れられず、対魔力スキルですら防御不可能。
神性スキル等の対粛清・特殊なアーマースキルの持ち主ならば、時間逆行の速度を遅れさせる事は出来るが、根本的な防御は出来ない。
この宝具はアヴェンジャー自身が直接夢の中に出向くか、彼女と直接対峙した時のみに発動出来る。
【Weapon】
【解説】
アダムの伴侶であり、人類種最初の女とはイヴであるとされているが、伝説に曰く、実はイヴよりも先に作られた女がいるとされ、それこそが彼女、リリスである。
リリスは嘗て夫であるアダムに、『同じ土から生まれたのならば私と貴方は対等であるべきだ』と説明したが、アダムはこれに反発。
『自分は君より上の立場にありたい』と主張、これがもとで口論になり、エデンの園を飛び出すが、リリスがいなくなった事を悲しんだアダムが、
神に彼女に戻ってくるよう説得するよう嘆願。楽園を飛び出したリリスは、アダムに裏切られた傷心と心の穴を埋めるべく、エデンの外の原生生物と交わり、
肉欲を満たし、子供を出産する事で心を慰めていた。この時生んだ子供こそが、後に地獄の悪魔になる、と言う伝承も存在する。
根城にしていた紅海に三人の天使が現れ、楽園に戻って来いと説得するが、リリスはこれを拒絶。この時天使達は、『逃げ続ければお前が産んだ子供の内100人を殺す』、
と脅迫するも、それでもなおリリスは拒絶、逆に『これからアダムとイヴが生み出すであろう新生児を殺し続ける』と意思を表明。
これ以降リリスは、人類種の敵として君臨する事になる。キリスト教は元来、男性の優位性が強い宗教であり、中世で起った魔女狩りでも解るように、
ともすれば女権の蔑視とも言うべきムーブメントや事件が度々起こった。リリスはつまり、キリスト教圏特有の強いパターナリズムに初めて反抗した女性なのである。
こう言った行動から、リリスは現代において女性解放運動のシンボルの一つにまでなっている。
アダムの事は今でも深く愛しており、それ故に一緒に対等であり続けようと言う提案を拒否した時の絶望と怒りは凄まじい。
アダムの事は口では馬鹿にしているが、自分以外の存在があの人を馬鹿にする事は断じて許せない、あの人の事を解っているのは自分だけ、
とかのたまうクソ程面倒くさい女。要するに未練タラタラ。こんなもんだからアダムの後妻となった上何食わぬ顔で人類種の祖として君臨しているイヴは死ぬ程嫌い。
楽園を飛び出し、夢魔達の女王やらルシファーの妻とすら言われる程の大悪魔となってなお、アダムの事を慕っている。
元々は全ての人類の祖となるべくして神の手によって生み出された存在である為、本来の性格は極めて女性的かつ母性的(リリスは認めないがこの性格はイヴも同じ)。
そんな性格の上、慕っているアダムの子孫である現生人類を殺す事は、実際にはこれ以上となく苦悩している。
だがそれでも殺しているのは、『後からやって来てアダムを寝取ったイヴの子供である』、と言い聞かせ、無理しているからに他ならない。
聖杯にかける願いはイヴの存在を抹消し、今度こそアダムと対等な夫婦になる事。但し、今ではキリスト教における著名な悪魔としての地位を確立した彼女が、聖杯に何かを願えるのかと言えば、真相は不明である。
ちなみにもしも、夢魔としての側面ではなく、人祖としての側面で召喚されていれば、純粋な人類が到達可能な範囲でステータスを意のままに上昇させられるだけでなく、
突然変異的に得た異能を除けば人類が先天的・後天的に体得出来る技術を自由に獲得出来るスキル・『人類種の祖』と、純然たる人間に対する絶対命令権を行使出来る宝具が解禁となっていた。
【特徴】
見事なまでの黒い長髪に、万年雪のような白い肌。そして、夢魔の中でも特に際立った艶やかな美貌など、夢魔のお手本のような美女。
薄らと透き通った黒いナイトドレスを身に纏い、その下は基本的になにも着用していない。
基本的に変身スキルで背格好もスリーサイズも自由に変化させられるが、基本となる姿はこれ。
あとはマスターや相手の性嗜好に合わせて、コウモリの羽やら犬の耳やらを付与させる事も可能。
【聖杯にかける願い】
イヴの存在を抹消。アダムと再び結ばれ、その時は対等な夫婦として過ごす
【マスター】
アイリスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/zero
【聖杯にかける願い】
聖杯を入手し、切嗣の願いを叶え、イリヤと切嗣、舞弥達で普通に生活する
【weapon】
『貴金属の針金』
錬金術の媒介となる針金。此処に魔力を込める事で針金細工を産みだし、自律的に相手を攻撃させる事が出来る。
【能力・技能】
錬金術や治癒魔術に極めて堪能。ホムンクルス、しかも諸々の事情から精霊に近しい存在の為、魔力量は段違いに高い。
【人物背景】
アインツベルンの手により第四次聖杯降霊儀式の聖杯の「器」として錬成されたホムンクルス。
「冬の聖女」ユスティーツァの後継機にあたり、また究極のホムンクルスの母胎となるべく設計されたプロトタイプでもある。
切嗣がアインツベルンの門を叩いたのと同時に錬成され、彼を夫として迎えて、娘であるアイリスフィールを設ける。
その豊富な魔力量を利用、本来マスターである筈の切嗣のデコイとして、共に聖杯戦争を勝ち抜こうとする筈だった。
第四次聖杯戦争開催前、もっと言えばセイバー召喚前の時間軸から参戦。
最終更新:2016年09月06日 15:37