「――そんなこんなで、避けようのない未曽有の大災害から始まって連鎖的に世界中の人々が不幸のどん底にドーン!
あちこちで起こる流血の事件! 麻痺する政治! 乱れる治安! ヒャッハーして暴れまわるハンパな悪党ども!
地は弱き者たちの嘆きと涙で満ち溢れ、強き者たちも運が悪けりゃ即座に引きずり降ろされる楽しい楽しい大混乱の時代!
そんな中、ありふれた話ではあるけど、人一倍、不幸と苦痛と絶望の極みに落とされた少女が居た! その名は『エリス』!
親も兄弟も家も失い、守る者もなく路上に放り出され、当然のようにレイプされ……あっ今の無し、やっぱレイプはやめた。
それ入れるとなんかジャンル変わってきちゃうわ。あたいもそーゆー不幸は大好物だけど涙を呑んで今回はレイプ無しで行く。
ともかく強姦こそされなかったもののそれ以外のありとあらゆる不幸と苦痛と恥辱と絶望を経験した少女は世界を呪った!
そこで御都合主義的に目覚める、実はこっそり流れてた神霊の血! なんかもう凄い力が湧いてきちゃって一気にドーン!
燃やす! 殺す! 空を飛ぶ! あたいの大逆転のターン! 倍返しどころか億倍返しだバーカバーカ! チュッドーン!
そんな今から見れば未来に起こる大惨事の犠牲者であり、さらなる大惨事の引き金を引いちゃったりした英霊、それが――」
夕日の差す、がらんとした学校の教室にて。
自らが延々と垂れ流す長口上を収めた特大の吹き出しに覆い隠されかけていた黒髪の少女は、そこで言葉を切って。
ばさっ、とその背に生えた黒翼を広げる。
ぶんっ、と身長の倍を超える槍を振るう。
礼儀知らずにも教卓の上に腰を掛け、短いワンピースから覗く細く白い足を組みなおし。
「このあたい。
人呼んで、『全てを嗤う者』エリス!
過去ではなく未来から呼ばれた英霊! 舐めんな原始人こっちは未来人だぞバーカ!」
大ゴマでドヤ顔を決め。
「――と、いう『設定』!
ぶっちゃけ全部てきとーに作った大嘘だけどな!!
あははははは、こんなん信じちゃった奴は馬鹿! 長文お付き合いご苦労さん! ねえどんな気持ち、今どんな気持ちィ?!」
さらにどアップになったさらなる大ゴマで、さらなるドヤ顔(というか煽り顔)を決めてみせた。
とてもではないが、幼い少女がしていいような表情ではない。
ぱち、ぱち、ぱち。
そして数秒の間を置いて。
がらんとした教室に、白々しい拍手の音が響く。
黒翼を背負い、凶悪な槍を手にし、白いワンピースに身を包む、長い黒髪の美少女・自称エリスの独演。
それを聞いていた、たった1人の聴衆は、白々しいほどの爽やかな笑顔で手を叩く。
こちらは一見、ごくごく平凡な学生服姿。
ただ、その眼の奥だけが、暗く淀んだ光をたたえている。
『うわぁ、すごいや。なんて薄っぺらでなんて嘘っぽくてなんて馬鹿みたいな逸話なんだ!
感動しちゃったよ! こんな出来の悪い作文で押し通せると思った君の神経の図太さに!』
「褒めるな、褒めるな。
あと馬鹿にもすんな、マスター……『球磨川禊』。
こういうのは堂々としてりゃ案外ツッコミも受けないモンなんだよ、ウチの実家の神話のガバガバ具合を勉強しろ」
翼と槍を除けば小学校高学年ほどの外見のエリスが、それに見合わぬ眼力で学生服の男を睨む。
睨まれて、それでも球磨川と呼ばれた青年は平然としている。『』(かっこ)をつけた奇妙な言葉を紡ぎ続ける。
『いやあ、聖杯戦争とかいうもう散々やり尽されたバトルロワイヤルに呼ばれたと思ったら、パートナーが神様だなんて!
それもこんな美少女気取りで嘘つきで中身クソババアだなんて、僕はなんてツいてるんだろう! 死にたくなってきた!』
「はっはっは、そんなに褒めるな照れるだろ。あと馬鹿にもすんな。
あたいはこう見えても、今で言うところの『ギリシャ神話』って体系で語られてる、ガチモンの神様だぞ。
オリュンポス十二神が一柱・『戦神アレス」の『妹』にして『妻』。
あの戦闘狂の大馬鹿野郎の脇を固める、半身とも言える存在。
『不和』と『争い』を司る、『ギリシャ界隈で一番嫌われてる神様』の『エリス』と言やぁ、あたいのことよ!
そんじょそこらの下級の神霊とは格が違うんだよ、格が! 舐めんじゃねぇ!」
ボゥッ!
改めて見栄を切って見せた自称エリスは、これまたドヤ顔で炎を虚空に向けて吹く。
神話にも語られた女神エリスの吐く炎の息……そんな大道芸人じみたパフォーマンスに、球磨川も白々しく大喜びだ。
『すごーい! めっちゃ虎の威を借る狐って感じのする自己紹介だ!
他の神様のこと下級って見下してるのに自分の偉さの説明として旦那の自慢をしてみせるだなんて!
そこらの有閑マダム気取ってる専業主婦と大して変わらないね! すごく親しみやすい! 素敵だ!』
「だからそんなに褒めるな。ニヤニヤが止まらねェじゃねぇか。あとそろそろ殺すぞ。
てかウチは共働きみたいなモンで、あたいも戦場に出ればめっちゃ働くしめっちゃ殺すぞ。うん、すっげー殺してる。
この聖杯戦争でも、うーん、どれくらい殺せるかなー。
あんま本気じゃないとはいえ、軽く適当に殺戮くらいは楽しみてぇんだけどなー。
やっぱ『ランサー』ってことにして来るべきだったかなぁ。でもランサー枠って不遇なのが芸になってるくらいだしなー。
バーサーカーでもキャスターでもやれるっちゃあやれるんだけど、暴れるだけってのも引きこもりってのもつまんねぇし。
好き勝手やるなら、何でもありで訳分かんなくて、適当かましても押し通せそうなエクストラクラスが一番だろ、やっぱり」
『えーっと、肩書は『アヴェンジャー』、だったよね? 一応?』
「おう、『アヴェンジャー(偽)』な。
いや違った、(偽)は表向きはつけちゃダメな。
まあこんなもん、聖杯とルーラーさえ騙せりゃいいんだよ、こうして始まっちまえば後はやりたい放題さ」
『さっきの穴だらけの大嘘の設定上で『復讐者』だってのはよく分かったけどさ。
エリスちゃん自身は何か復讐したいことあるのかい? そんなちんちくりんな身体で無理やり潜り込んでまでさ?』
「褒めるな。あと次あたりでガチで一回殺しとくか、たぶん自分で『なかったこと』にして戻ってくるだろうし。
それはそうと、本来のあたいはもっとボンッ! キュッ! ボンッ! のセクシーでナイスバディの美女だからな。
このロリっ子の身体はココに出てくるための方便だからな。
こう見えても子沢山の経産婦だかんな。ぶっちゃけあたい自身も父親が分からん子ばっかりだけど」
『うわぁ……』
「なんだその目は。オリュンポスの神々の性の乱れを舐めんな。ゼウスの親父が『あんなん』なことから勝手に察してろ。
まあ幾人かは兄貴の子だと思うが正直よー分からん。兄貴は兄貴で他所の女にガキ何人か産ませてるしこっちも好きにやるさ。
それはともかく何のために、だったか。
ぶっちゃけるとさぁ……『あいつらズルい!』って思ったのよ。
それで、聖杯戦争ってやつをめちゃくちゃにしてやろう、って思ってさ」
『ズルい?』
「こんなこと人間なんかに愚痴ってもしゃーないんだけどさぁ。
あたいら神霊のレベルになってくると、ほんとは『聖杯』なんて新参の奇跡のアイテムなんてどーでもいいんだわ。
アレが出来そうなことは、だいたいあたいらも本気出せばできるし。本気出すのめんどくさいし下手したら死ぬんだけど。
でもさー、なに考えてんだか知らないんだけどさー、居るんだよ。何人か。
『神様のクセに『聖杯』に呼ばれて『聖杯戦争』に参加してるような神霊』ってのが。
そりゃ半分人間だったり、半分魔物だったり、それぞれに事情はあるみたいなんだけどさぁ。
神様の間でも、暗黙の了解ってやつはある訳よ。そーゆーヒトのレベルの揉め事には無闇に首突っ込まない、っていうさ。
それをあいつら、屁理屈並べてなし崩し的に呼ばれやがって……きっとみんな何か裏技使ってやがるんだろうけどよぉ……」
『それで、アヴェンジャー(偽)も裏技をつかってやってきた? 誰かに方法を聞いたりして?』
「あたいの嫌われっぷり舐めんな。全ての神様を呼んでの盛大な結婚式にあたい一人だけ呼ばれなかったレベルだぞ。
あたいの子供の『迷妄』『労苦』『飢餓』『無法』『忘却』『嘘言』『苦痛』『口論』とかも呼ばれてんのにだぞ。
そんなとっておきの裏技を教えてくれるような親切な友達なんて居るもんか。居たらこんなに苦労してねェよ」
『うわぁ、素敵だ、素敵なボッチだ!
まるで『過負荷(マイナス)』の女神様だ! すごい関わりたくない! とても信仰したくない!』
「褒めるな。惚れるな。あと殺す。とりあえず殺した。次のセリフまでに勝手に『なかったこと』にして復活しとけ。
それはともかく、悔しかったから、あたいはめっちゃ試行錯誤したんだ。
クソガキどもから適当に『嘘言』とか『無法』あたりを呼び出して、脅して無理やり手伝わせてさ。
どーも霊として強すぎるのがマズいっぽいから、いくつか適当に封印したり外したり、まあ要は『縛りプレイ』だな。
そういやあたいらオリュンポスの神々も大概な変態だが、この日本も相当な変態っぷりだよな。縄とか。濡れるぜ。
ついでにロリコン向けにチラリズム全開の衣装を選んで、この時代に合わせて紐パンとかも履いてきてみたんだが……
見る奴いねぇ。死んでやがる。さっさと復活しやがれ。おーよしよし、起きた起きた、とりあえずパンツでも見るか?」
『僕もフェチズムには一言ある男だけど、羞恥心のない布切れなんて汚物でしかないよ!
たぶんこのツンデレヤンデレっぷりからしてエリスちゃんは『責められると弱い』タイプだと思うんだよね!
何とかして恥ずかしがらせてあげたいなぁ! 上手く不意打ちができれば結構チョロいと思うんだけど!』
「よーし分かったそんなに褒めるなもう一回死んどけ。遠慮しなくていいぞ。
まあ話戻るけど、この体格も別にロリコン喜ばせるためじゃなくてだな。強すぎる力を封印してったら縮んじゃったんだよ。
たぶんこの『林檎』を諦めればやりようはあったんだろうけどなー。でもどうせコッチに来るならコレ使わないとなー。
何にせよ、色々削って縛って誤魔化して偽装して嘘ついて、聖杯も騙して欺いて、こうして見事に呼び出された訳だ。
高位の神霊であるあたいが本気出せば、ざっとこんなもんよ!
もっとも偽装の出来が良過ぎて、こっちに来てる間は神様としての力はほとんど使えやしないんだけどな!
見事に在り方から何から完全にサーヴァントさ! あとルーラーまじウゼぇ!!」
『へぇ。
つまり、普通のサーヴァントと同じで、ルーラーが苦手ってことは……令呪とかも効くのかな?』
「おう効くぞ。
神様の偽装を舐めんな。本物より本物っぽい偽物だぞ。その辺の仕掛けは完璧だぞ」
『つまりは、マスターである僕は、あんなこともこんなことも君に命じ放題、ってことかな?』
「いや効かないぞ。
あたいは神様だからな。例外の塊だからな。そんじょそこらの英霊とは違うからな舐めんじゃねぇぞ」
『いやだからどっちだよ』
「あ、あたいみたいな嘘つきで性悪な神様の言うことを信じようって方がアホなのさ! バーカバーカ!」
『それもそうだね』
そこでようやく、球磨川禊は、ニヤリと笑った。
それまでの軽薄で薄っぺらで白々しい笑みではなく、邪悪で攻撃的で、誰もが『こいつとは関わりたくない』と思う笑み。
『なら、確かめる』
「なっ!? おい待て、ちょっ、正気かっ、お前っ、」
『令呪をもって命じる、アヴェンジャー(偽)……!』
そして球磨川禊は、光る紋様の浮かぶ右手を持ち上げると、宣告した――
見開き2ページ分の大ゴマを使って、邪悪の極みともいえる笑みを浮かべて。
『 ぱ ん つ 禁 止 。 』
――こうして球磨川禊は、貴重な令呪1画と、人類の言語能力に挑戦するかのような罵詈雑言3時間分を浴びる苦行と引き換えに。
自らのサーヴァントに課せられた制限の正確な理解と、性悪女神が羞恥に悶える貴重な場面とを手に入れることとなった。
そもそも勝つ気なんてない女神と、勝てない運命の下にある青年。
案外悪くないコンビなのかもしれない――周囲にかける迷惑さえ考えなければ。
【クラス】アヴェンジャー(偽)
【真名】エリス
【出典】ギリシャ神話
【性別】女
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力D 耐久E 敏捷D(B) 魔力EX 幸運A 宝具EX
【クラス別スキル】
復讐者(偽):E-
神霊エリスがアヴェンジャーのクラスで潜り込むために用意した偽装スキル。一応用意しただけ。ほぼ無意味。
忘却補正(偽):E-
神霊エリスがアヴェンジャーのクラスで潜り込むために用意した偽装スキル。一応用意しただけ。ほぼ無意味。
自己回復(魔力):EX
抑えても隠しても溢れんばかりに湧き上がる真正の高位神霊の底なしの魔力。
このクラスになると現界し続けるのにマスターの魔力を一切必要としないどころか、どれだけ使っても余るほど。
事実上の「単独行動」も兼ねたスキル。ぶっちゃけ反則級の能力。
【保有スキル】
真名隠蔽:A+
自らの正体を隠蔽するスキル。
何しろ産んだ子供の中には『嘘言』なども居るので、この手の偽装はお手の物である。
表向きは「まだ見ぬ未来に出現する不幸な少女の英霊・『全てを嗤う者』エリス」という存在であると偽っている。
真名の看破を試みた者は、一段階の成功だけではこの偽装の方に誘導されてしまう。
この偽装は特に対ルーラー、対聖杯に対して強く施されており、これらの対象には+の修正を受ける。
また偽装を完全に看破しない限り、このスキルの存在そのものにも気づくことができない。
神性:A(D)
神霊適性を持つかどうか。様々な防御効果を発揮する。
女神エリスは正真正銘の神霊である。
己の正体を偽り、多くの力を自ら封じた彼女ではあるが、その力は完全には隠しきれない。
なお上記の「真名隠蔽」で偽りの正体に誘導された者は、神性のスキルのランクをDと見誤る。
(もっともD程度であっても、未来の英霊が所持していること自体が不自然であるのだが……)
飛翔:B
自前の黒翼を用いた飛行能力。
飛行中の敏捷判定はこのスキルのランクを用いる(上記ステータスのカッコ内)。
歩くのと同レベルのコストで自由自在に空を飛び回ることができる破格の能力。
翼は自由に消したり出したりすることができる。
本人にとっては当然過ぎるモノだったので、うっかり制限してくるのを忘れていた代物。
翼を持っているだけで特に逸話などはなく、神としては大した飛行能力ではない……のだが、普通、英霊は飛べない。
魔力放出(炎):A
武器・自身の肉体に魔力を帯び、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。
彼女の場合、口から燃え盛る炎を吐き出す形で行使する。
吐いた炎を直接ぶつけて攻撃することも、武器などにまとわせて振るうこともできる。
本来であれば絶大な能力向上の代償に多大な魔力消費を要する技だが……「自己回復(魔力):EX」とのコンボは卑怯。
なおこれでも手加減して封印して能力を抑えているつもりらしい。本来はどんだけなんだアンタは。
争いの母:A
争いの火種になりそうな物事を見つける才能。
人間心理に通じ、さらに文字通り神のレベルの直観力と合わせて、集団を崩壊させるための糸口を確実に見つけ出す。
これは才能であると同時に呪いでもあり、彼女は争いを起こすチャンスを目にすると我慢ができない。
状況に応じて偽装がバレないよう手段を選ぼう、などと考える知性はあるが、行動そのものを自制することは難しい。
【宝具】
『不和の林檎(アップル・オブ・ディスコード)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1~100 最大補足:上限なし 「最小補足」:3人
神話においてトロイア戦争を引き起こすに至った黄金の林檎。
一定の目的や所属意識を持つ集団――ありていに言って『仲間』と思い合っている集団――を対象とする。
集まっているところにこの『黄金の林檎』を投げ込まれた集団は、ささいなことでいさかいを始める。
『林檎』を投げ込む際に争いの方向性を誘導することも可能。
(神話においては『最も美しい者へ』の一言を書き込むことで、女神たちに決定的な対立をもたらした)
影響を受ける者たちを結ぶ『仲間意識』が強ければ強いほど、対立した際の反発も大きくなる。
一時的に打算で繋がっている同盟相手などであれば、ただケンカ別れするだけで済むかもしれないが、
強い絆で結ばれた者たちであれば、最悪、かつての仲間同士で殺し合いが始まってもおかしくはない。
対立の過程で、複数のグループに分かれることもある(神話においては、3女神は最終的に1対2の構図となった)。
またこの精神干渉能力は極めて強力で、通常であればこの手の干渉を受けない者にも抵抗の判定を強いる。
(何といっても、神話時代の女神たちさえ狂わせた逸話を持つ程なのだ!)
この『林檎』の使用に際しては、「対象となるグループが3人以上であること」が条件となる。
この人数制限は神話上の逸話に由来する。
ゆえに対象が2人または1人の場合には発動せず、いったん発動しても影響下にある者が2人以下になれば自然消滅する。
そのため、一般的なサーヴァントとマスターの主従の1組だけであれば、そもそも通用しない。
(もっとも騎獣や使い魔、『複数いる本体』や分身などもそれぞれ「1人」ずつとカウントされるのだが……)
今回の聖杯戦争での顕現においては、一度に効果を発揮できる『林檎』は1つきり、という制限がある。
あるグループが『林檎』の影響下にある場合、次の『林檎』を投げることはできない。
なおエリスは任意でいつでも、投げた『林檎』の影響を解除することができる――
もしも万が一、彼女が投げた『林檎』を解除することなく脱落した場合、解呪の手段は永遠に失われる。
(文字通り神の呪いとなって残るので、それこそ、解除のためには『聖杯への願い』レベルの手段が必要になる!)
もっとも、あまりにも強すぎる力であるため、『林檎』の使用はせっかくの偽装を台無しにする恐れがある。
ルーラーが『林檎』そのものを直接目視した場合、そのつど正体を看破するための判定を再試行することができる。
『戦叫(ウォークライ)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:声の届く限り 最大補足:無制限
争いを引き起こす戦神の叫び。
この叫びを聞いた者は、短絡的で暴力的な行動をとりやすくなる。
誰かに苛立っていれば反射的に殴り、溜めこんだ不満があればぶちまけ、我慢していたことがあれば実行する。
慎重な者も普段の冷静さを失い、臆病な者も勇敢な(無謀な)行動をとりやすくなる。
また同時に、この叫びの影響を受けた者は、叫びそのものに対する興味を持たず、そのことに違和感も抱かない。
(誰が叫んでるのか、だって? そんなことより大事なことがある! いいから殴らせろ!)
この叫びに耐えるには、何らかの精神抵抗のスキルや宝具を用いるか、不利な修正を受けての幸運判定に成功する必要がある。
また大声で叫ぶ関係上、連続使用は困難。すぐに喉が枯れ果ててしまう。効果範囲も本来のものより遥かに狭い。
これもまた幼女の身体になったことの影響でもある。
【Weapon】
『無銘・槍』
凶悪な印象の巨大な槍。
本体が幼女の姿になったせいもあり、身長の倍を超えるとんでもないサイズとなっている(でも使える)。
本来であればこれも一振りで死と恐慌をもたらす恐るべき宝具であるのだが、正体の偽装に伴って能力を完全に封印。
頑丈で業物なだけのただの武器、となっている。
本来の姿であればここに『血と埃に汚れた鎧』という装備が加わる。
無銘ながらも神の装備だけあって防御力はケタ違いなのだが、体格の変化に伴いサイズが合わなくなり置いてきた。
【人物背景】
正真正銘の神霊。
それも、オリュンポス十二神のうちの一柱・戦神アレスの、半身とも呼べるほどの高位存在。
司るものは『不和と争い』、戦神アレスの妹(一説によると姉あるいは双子)にして妻。
父親不詳の子沢山で、その子らも『迷妄』『労苦』『飢餓』『無法』など名前が知られているだけでも物騒な連中ばかり。
彼女の最も有名な(そしてほぼ唯一の)エピソードは、『パリスの審判』および『トロイア戦争』に繋がる不和の林檎のお話。
ある時、テティスとペーレウスの結婚を祝う宴が開かれ、全ての神々が招待されたが、嫌われ者の彼女だけは呼ばれなかった。
怒った彼女は宴を台無しにしてやろうと、黄金の林檎に『最も美しい者へ』と書いて宴席に放り込んだ。
その林檎を受け取る権利を巡って、ヘラとアテナとアフロディテの3女神が対立。
審判役への贈賄合戦など目を覆いたくなるような醜い争いの果てに、大量の死者を生んだトロイア戦争へと繋がっていく。
こんなエピソードからも分かる通り、神々の中でも嫌われっぷりが群を抜いており、またそれも納得な性格の悪さを誇る。
戦神アレスもとにかく戦っていれば幸せという血と殺戮を愛する戦闘狂だが、エリスはそこに加えて陰険さも併せ持つ。
他人の争いを煽り、揉め事を大きくし、煽る火種がなければ自ら火をつけることまでするという極悪っぷりである。
それでいて、まともに戦ってもとんでもなく強い。殺戮もまた彼女の大好物。アレスと共に戦場を駆け回る。
今回、彼女が聖杯戦争に『潜り込んだ』背景にあるのも、その性格の悪さがある。
神霊というものは文字通り格が違うため、本来ならば聖杯戦争などに呼ばれるような存在ではない。
呼ばれるような存在ではない、のだが……しかし、何故か散見されるのも事実。
少なからぬ神霊・半神霊が、それぞれに様々な理由を駆使して呼ばれていく姿を見て、エリスは怒った。身勝手に怒った。
『あいつらだけズルい!!』
『またあたいだけ除け者か!!』
かくして彼女は一念発起、ありとあらゆる手を使って聖杯を騙しにかかり、とうとう英霊と偽って召喚させることに成功した。
どんな基本クラスでも適性がある彼女ではあるが、ひねくれ者の彼女は今回アヴェンジャーと偽っている。
なおその偽装の過程で、本来持っていた多くの力を自ら封印。
元があまりに強すぎるため、細かい匙加減が分からず、あちこちちぐはぐなことになっている。
制限し過ぎた部分もあれば、制限してなお英霊としては強すぎる能力を残している部分もある。
なんにせよ、サーヴァントの枠を超えて現世に影響を与えることはできなくなっている。
また霊として「小さく」なったことを反映し、外見も本来の豊満な女性から幼い少女の姿へと転じている。
聖杯戦争への参加中は、自らの意志で本来の姿に戻ることもできない。
精神年齢や判断力といった部分についても大きく下がっている模様。
あと神様なのでメタな発言をちょくちょく挟む。
【特徴】
長い黒髪の美少女。スレンダーな体型。
背中には1対の黒い鳥の翼が生えており、翼の色を除けばまるで天使。翼は任意で消すことが可能。
だいたい11~12歳くらいの外見に見えるが、浮かべる笑みは凶悪で性悪、とても子供には見えない。
服装は膝丈くらいの短めの白のワンピース。
翼を出すために背中が大きく開いており、胸元から裾から色々と危ない衣装。特に飛んでいる時はめっちゃ危うい。
また早々に使われた令呪のせいで、下着の着用は聖杯戦争の間ずっと不可能。服を着替えても下着は着れない。
つまり、ぱんつはいてない。
ちなみに流石にそれは恥ずかしいらしい。羞恥心の置き所がいまいち分からないキャラ。
【サーヴァントとしての願い】
歴史ある神である自分が、『聖杯』なんて新参の奇跡に願う訳ねーだろバーカバーカ!
聖杯戦争なんてぜんぶ台無しにしてぶち壊してやる! 散々煽って遊び倒した後でな!
【マスター】
球磨川禊@めだかボックス
【Weapon】
どこからともなく取り出す巨大な螺子。いくらでも出てくる。
【能力】
過負荷『大嘘憑き(オールフィクション)』
あらゆるものごとを『なかったこと』にする破格の能力。
その他、派生能力の数々を持っているかもしれない。
【人物背景】
『僕の概要を簡単に知りたい、だって?
そんなこと言われても僕は『めだかボックス』そのものと言っていいくらいの重要人物だからね!
素直に諦めて22巻192話にも及ぶ少年漫画を読破してみるんだね! 面倒なら適当にググってみてもいいよ!』
【マスターとしての願い】
叶えたい願いならあるけど聖杯なんてモノの力は借りない。
なので普段通り自然体のまま色々と台無しにしてやる――たぶん今回も「勝てない」けど。
【備考】
令呪を一画分使用済み。
正確な参戦時期については書かれる書き手の方にお任せします。
最終更新:2016年09月10日 21:02