基本情報 |
運用者 |
Amtrak |
製造所 |
GM Electto Motive Divison |
型名 |
F40PH |
製造年 |
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製造数 |
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運用開始 |
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性能諸元 |
軸配置 |
B0-B0 |
軌間 |
1,435m |
長さ |
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幅 |
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高さ |
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機関車重量 |
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台車 |
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車輪径 |
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燃料搭載量 |
1,500ガロン、1,800ガロン |
動力伝達方式 |
電気式ディーゼル |
機関 |
16気筒645E3 |
機関出力 |
3,000hp |
発電機 |
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主電動機 |
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歯車比 |
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制動装置 |
空気ブレーキ,ダイナミックブレーキ |
最高速度 |
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最大出力 |
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備考全幅 |
F40PHは、EMDが製造していた旅客用カウルユニット
ディーゼル機関車。
アムトラック向けに製造され、一時代のアメリカ旅客鉄道時代を飾った名機である。
アムトラックは、設立以降旧鉄道会社から引き継いだE8をはじめとする老朽化したディーゼル機関車を置き換えるために、新型のSDP40Fを登場させていた。このSDP40Fは6軸大型ディーゼル機関車で、旧来の上記暖房装置に対応したスチームジェネレーターを搭載していた。また同時期に新しい
HEPを搭載したGE製P30CHも数量ながら導入され、電気暖房の活路を見出していた。しかしいずれの機関車も多くの問題をかかえており、新しいHEPを搭載した安定的で信頼性のある汎用機関車として登場したのがF40PHである。
登場と活躍
F40PHはカリフォルニア南部のサンディエガンやボストン近郊の北東地域での中短距離用機関車として設計され、1976年より運用を開始した。
当時長距離列車は先輩にあたるSDP40F 6軸大型ディーゼル機関車が担っており、長距離列車はSDP40F、中短距離列車はF40PHと住み分けされるはずであった。しかしSDP40Fの度重なる不調(主に脱線)、そして76年~77年にかけて発生した大寒波によってその計画は大きく崩れることとなった。
SDP40Fの相次ぐ脱線と、大寒波による蒸気暖房の容量不足によって最新のHEPによる電気暖房を備えたAmfleetI客車が大量投入されることとなり、HEPを備えるF40PHは自然と活躍の場を広げていくとととなった。
F40PHの安定した性能と活躍ぶりから、Amtrakは長距離列車もSDP40FからF40PHに置き換えることを決定し、いくつかのSDP40FはEMDの工場へ返却され、F40PHにリビルトされた。これらのリビルトされたF40PHはF40PHRと名乗る。
堅実な設計と扱いやすさから複数の通勤鉄道にも導入されることとなった。とくに有名なのはシカゴメトラである。
1990年代初頭までこの機関車はAmtrakの花形として最前線で活躍しつづけ、短距離列車から長距離列車まですべてをこなすオールラウンダーとしてアメリカ大陸を縦横無尽に駆け抜けた。1990年代には後継のP40DCおよびP42DCが登場し順番に置き換えが開始。2001年のメイプルリーフを最後にAmtrakの最前線からは引退した。
引退後もエンジンこそ取り除かれたものの、エンジンルームを荷物室とした制御荷物車、通称CABBAGE(Cab+Baggage、キャベツという意味)として現在も旅客列車の先頭に立つ姿は見ることができる。
また、通勤鉄道に導入された車両は幾度とないアップデートが行われ最前線で活躍中。
設計と性能
F40PHは信頼のあったオーソドックスな4軸機であるGP40-2がベースとなっており、先代のSDP40Fよりもはるかに短くまた軽量なシャーシに必要な機器とHEP発電機を搭載し、カウルボディを与えられた完全な旅客用ディーゼル機関車である。
エンジンは信頼のあるEMD製16気筒645E3エンジンで、3,000hpを発揮。小型ながらSDP40Fと同等性能を誇る。
HEPの発電機はメインエンジンで直接駆動されており、ブレのない480V,60Hzの電力を常時供給するためにエンジン回転数を896rpmで固定する必要があった。運転士のスロットル操作にかかわらずエンジンは一定回転しつづけており、機関車の加速は電動機の電流を変化させる制御方式で行っている。そのため常に高回転のうなるエンジン音が響き渡っており、Screamer(スクリーマー)という愛称がついている。なおHEPをスタンバイモードにすると通常の機関車と同じくエンジンの回転数による制御に変更されるため、貨物会社にリースされていた機関車や重連の先頭の機関車は騒音対策でHEPスタンバイモードにされていたようである。
バリエーション
F40PHにはいくつかのバリエーションが存在する。なお、ここで表記する"Phase"は〇次車に相当し、Amtarkの塗装パターンではないので注意されたい。
F40PH Phase1
最も初期に投入された30両がこのPhase1,1次車で、Amtrak 200-229号機がこれに該当する。これらの特徴として台車間前方にバッテリーボックスおよびエアタンク、後方に1,500ガロン燃料タンクが備えられている。P5Aホーンが唯一搭載されており、ホーン部分は北東地域の狭小トンネルに備えて切り込みが入れられている。またその関係で薄型エキゾーストサイレンサーおよび薄型ラジエーターファンを採用しているがダイナミックブレーキファンはEMDの標準品。2つのHIDストロボライトもキャブ上部に搭載している。
F40PH Phase2(a,b)
Amtrak 230-279(2a),280-328(2b)がPhase2,2次車に該当し、細かな形態違いで前期型と後期型(それぞれPhase2a,Phase2b)に分けられる。
長距離列車用として1,800ガロンの大型燃料タンクが採用されたために燃料タンクの位置が前方になり、バッテリーボックスとエアタンクが後方になった。またバッテリーボックスとエアタンクの位置がPhase1と比べ左右逆になっている。ホーンはK5LAホーンが採用されたため、キャブ上の切り込みが横に大きくなった。またHEPが800wに強化され、長距離列車でも運用しやすくなっている。280号機からのPhase2bでは、ボディ後方のリブがいままで3つだったのに対して4つになっている。
F40PH Phase3
Amtrak 329以降がこれに該当する。ほとんどがPhase2bと共用であるが、1980年のEPA規制が厳しくなったのに適合するために静音のラジエーターファンであるQファンに変更されたが、狭小トンネル用のQファンが無かったために屋根に窪んで設置されている。
なお、通勤鉄道に導入されたF40PHも製造時期によってこれらの3形態に分類することができる。機関車を観察して見分けてみよう。
F40PHR
SDP40Fをリビルトして製造された機関車。SDP40Fの部品を流用している。Amtarkにのみ存在し、230–269、280–299、310–331、360–400、401–409号機がこれに該当。この中でも上記の3形態に分類される。
F40PH-2
1985年に導入された機関車は、HEP専用のエンジンを搭載している。これらはF40PH-2となり、特徴的なエンジン音がしないため区別することができる。燃料タンクとバッテリーボックスはPhase1と同じ位置にある。
F40PH-2C,F40PH-CAT
それぞれF40PH-2の更新車で、搭載HEPエンジンのメーカーに違いがある。F40PH-2Cはカミンズ社製HEPエンジン、F40PH-CATはキャタピラー社製エンジンを搭載。
F40PHM-2,F40PHM-3
シカゴメトラに最後に投入された30両は、F69PHACのキャブを取り付けたデザインとなった。運転台はF59PHIに準じている。
F40PH-2M
スペノに投入されたF40PH。前面のフードの長さが短くのっぺりしている。
模型について
メーカ名 |
品番 |
製品名 |
軌間 |
縮尺 |
購入場所・サイト |
状態 |
金額 |
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9mm |
1/160 |
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Dash8と組むF40PH
カーブを行く
関連項目
最終更新:2018年05月08日 17:48