Class J39は、LNERの標準設計の貨物用機関車として1926年1月に導入されるClass J38の設計を基本に、客貨両用として使用できるように設計を変更したもので、1925年9月に設計が完了し、1926年7月より製造開始、1926年9月より運用を開始した。後年のイギリス国鉄の分類ではClass J38は貨物用の6Fに分類されたのに対し、J39は客貨両用の4P5Fに分類されている。その後1941年までに289両が製造されている。1926年から1937年にかけてBeyer, Peacock & Co(べイヤー・ピーコック)で製造された28両を除き、全車LNERダーリントン工場(Darlington Works)で製造された。
構造
J39では客貨両用とするために、J38では動輪径56in (1422 mm)としていたところを62 in(1575 mm)に大径化しており、牽引力の低下を許容しつつも高速性能を向上させていた。しかし、ランボードの高さは変更されておらず、大径化した動輪を逃がすためにランボード上にスプラッシャー(泥よけ)が設けられ両者の識別点となっている。主台枠は29 ft 3 in (8,915mm)に変更されており、Class J38と比べ6 in短縮されていた。また、ポップ式安全弁と加熱器が備えられていた。
ブレーキ装置は製造時期により度々変更が加えられており、初期製造分の32両には単独ブレーキとして空気ブレーキが、貫通ブレーキとして空気ブレーキと真空ブレーキが備えられていた。その後の1934年までの製造分には空気ブレーキは搭載されず、単独ブレーキには蒸気ブレーキが、貫通ブレーキは真空ブレーキのみの装備となった。1935年以降は単独ブレーキ・貫通ブレーキ共に真空ブレーキとなっている。初期製造分のうち、NEセクション(North East section,ノースイースト地区)に配属された12両は1930年代に単独ブレーキを蒸気ブレーキに改造されている。
Graham Farish製品は、4200ガロンテンダーのJ39/2を製品化している。テンダードライブで、近年のファリッシュの製品らしくとても静かに滑らかに走る。かける電圧に対して速度は高く、Dapolの蒸気機関車に比べてスムーズな走行性能をもつ。
OOゲージでは、BachmannがJ39/2を製品化。BRとLNER2つの塗装がある。