LNER Class J39

LNER Class J39(ロンドンアンドノースイースタン鉄道 クラス ジェイサーティーナイン)は、1926年からLNERの新しい標準型機関車として289両が製造された客貨両用テンダー機関車である。軸配置は 0-6-0 (Six wheel coupled:シックスホイールカップルド)。ナイジェルグレズリー設計の機関車としては最も数が多く、ロンドンからスコットランドの間で広く客貨両用機関車として活躍した。
基本情報
運用会社 LNER
イギリス国鉄
設計者 Nigel Gresley
製造所 LNER Darlington Works
Beyer, Peacock & Co
形式 LNER: J39
国鉄: 4P5F
車両番号 イギリス国鉄
64700~64988
製造年 1926年~1941年
製造数 289両
全廃 1962年
運用範囲 ロンドン~スコットランド
性能諸元
軸配置 0-6-0
軌間 1,435 mm
全長 J39/1: 54 ft 0 in (16.46 m)
J39/2: 55 ft 8 3⁄8 in (16.977 m)
J39/3: 54 ft 10 1⁄8 in (16.716 m)
機関車重量 81.5 t
炭水車重量 J39/1:44.2L/T(44.9t,49.5S/T)
J39/2 52.65L/T(53.5t,59.0S/T)
J39/3 種車により異なる
固定軸距 17 ft (5,181.6 mm)
動輪径 62 in (1,575 mm)
車輪径 3ft 9in (1,143 mm)
軸重 19 L/T 13cwt(19.97t)
シリンダ数 内側2気筒
シリンダ 20 in × 26 in (508 mm × 660 mm)
弁装置 スチーブンソン式
ボイラ圧力 180 psi (1.24 MPa)
ボイラ水容量
火格子面積 26 sq ft (2.4㎡)
燃料 石炭
水槽容量 J39/1 3500gal
J39/2 4200gal
J39/3 3,940~4,125gal
制動装置 初期車
単独:空気ブレーキ
貫通:空気ブレーキ
真空ブレーキ(デュアル)
初期車(NE配属車・改造後)
単独:蒸気ブレーキ
貫通:空気ブレーキ
真空ブレーキ(デュアル)
1934年までの製造車
単独:蒸気ブレーキ
貫通:真空ブレーキ
1935年以降の製造車
単独:真空ブレーキ
貫通:真空ブレーキ
引張力 25,665 lbf (114.16 kN)

概要

製造

Class J39は、LNERの標準設計の貨物用機関車として1926年1月に導入されるClass J38の設計を基本に、客貨両用として使用できるように設計を変更したもので、1925年9月に設計が完了し、1926年7月より製造開始、1926年9月より運用を開始した。後年のイギリス国鉄の分類ではClass J38は貨物用の6Fに分類されたのに対し、J39は客貨両用の4P5Fに分類されている。その後1941年までに289両が製造されている。1926年から1937年にかけてBeyer, Peacock & Co(べイヤー・ピーコック)で製造された28両を除き、全車LNERダーリントン工場(Darlington Works)で製造された。

構造

J39では客貨両用とするために、J38では動輪径56in (1422 mm)としていたところを62 in(1575 mm)に大径化しており、牽引力の低下を許容しつつも高速性能を向上させていた。しかし、ランボードの高さは変更されておらず、大径化した動輪を逃がすためにランボード上にスプラッシャー(泥よけ)が設けられ両者の識別点となっている。主台枠は29 ft 3 in (8,915mm)に変更されており、Class J38と比べ6 in短縮されていた。また、ポップ式安全弁と加熱器が備えられていた。
ブレーキ装置は製造時期により度々変更が加えられており、初期製造分の32両には単独ブレーキとして空気ブレーキが、貫通ブレーキとして空気ブレーキと真空ブレーキが備えられていた。その後の1934年までの製造分には空気ブレーキは搭載されず、単独ブレーキには蒸気ブレーキが、貫通ブレーキは真空ブレーキのみの装備となった。1935年以降は単独ブレーキ・貫通ブレーキ共に真空ブレーキとなっている。初期製造分のうち、NEセクション(North East section,ノースイースト地区)に配属された12両は1930年代に単独ブレーキを蒸気ブレーキに改造されている。

テンダーには大きく分けて3種類が存在し、それぞれサブクラスで分類されていた。後述のサブクラスの項目を参照。

サブクラス

Class J39のテンダーには3つの種類があり、1930年12月よりそれぞれ3種のサブクラスとして分類されるようになった。

J39/1

LNER標準の3,500ガロンテンダー装備車。

J39/2

LNER標準の4,200ガロンテンダー装備車。

J39/3

上記以外の旧North Eastern Railway(ノースイースタン鉄道,NER)とGreat Central Railway(グレートセントラル鉄道,GCR)のテンダー装備車。積載水量は3,940~4,125ガロン。このサブクラスは1934年に追加された。

配置・運用

スコットランド地区(Scottish)にはJ38が配備された直後であったため当初は配置されず、NE・及びサザン(Southern)に配置された。次回以降の発注分についてはスコットランドにも配属されている。
J39はLNER全体で広く活躍した。その強い牽引力から、主に貨物用として使用され、一般貨物だけでなく、石油や石炭といった重貨物でも活躍した。1930年代を中心に夏季繁忙期には旅客列車の牽引もおこない、急行運転もこなしている。1946年以降はClass B1が登場した為、旅客運用の多くをB1に譲ったものの、非常時には時折旅客列車で運用され万能さを発揮していた。

模型について

Graham Farish製品は、4200ガロンテンダーのJ39/2を製品化している。テンダードライブで、近年のファリッシュの製品らしくとても静かに滑らかに走る。かける電圧に対して速度は高く、Dapolの蒸気機関車に比べてスムーズな走行性能をもつ。
OOゲージでは、BachmannがJ39/2を製品化。BRとLNER2つの塗装がある。
メーカ名 品番 製品名 軌間 縮尺 電源 購入場所・サイト 状態 金額
Graham Farish 372-400 Class J39 1856 LNER LINES BLACK 9mm 1/148 DC Hattons(個人輸入) 新品 約11000円
BACHMANN branchline 31-851A J39 64958 B.R.Early Emblem 16.5mm 1/76 DC メルカリ 中古 約4000円

外部リンク

最終更新:2019年02月24日 20:17