BR Class 08

BR Class 08(イギリス国鉄クラス08)はイギリスの電気式ディーゼルの入換用機関車(シャンター)である。1952年より製造がはじまり1953年から活躍するディーゼル機関車の先駆け的な存在である。その後1962年までに996両もの車両が製造された。これはイギリスのディーゼル機関車としては最も数が多く、その為、イギリスでは一般的な機関車であり、リージョンにかかわらず大規模な駅や貨物駅などで全国的にその姿を見ることができた。
電車やディーゼルカー、貨物列車も固定編成のものが一般的となりシャンターを必要としなくなりつつあり、現在ではその多くが役目を終え解体され、一部は産業鉄道や保存鉄道に活躍の場を移している。しかし製造開始から60余年経ついまでもその一部が現役で活躍している。

基本情報
運用者	DBカーゴUK イーストミッドランドトレインズウェストコーストレールウェイカンパニーヴァージントレインズグレーターアングリアグレートウェスタンレイルウェイスコットレイルダービーリチャーチレーンワークネットワークレールノーザンハリーニードルレールロードカンパニーフレイトライナーユーロスターロンドンアンドノースイースタンレイルウェイロンドンミッドランド
製造所	イギリス国鉄クルー工場ダービー工場ダーリントン工場ドンカスター工場ホーウィック工場
形式	Class 08
車両番号	13000～13116,13127～13136, 13167～13365 改番後 D3000～D3116,D3127～D3136, D3167～D3438,D3454～D3472, D3503～D3611,D3652～D3664, D3672～D3718,D3722～D4048, D4095～D4098,D4115～D4192 TOPS化後:08 001～08 958
製造年	1952年～1962年
製造数	996両
愛称	Gronk(グロンク) つまらない人の意
性能諸元
軸配置	0-6-0
軌間	1,435mm
全長	29ft3in(8,920mm)
全幅	8ft6in(2,591mm)
全高	/0:12ft 8 5⁄8in(3,877mm) /9:11ft 9 5⁄8in(3,597mm)
機関車重量	49英トン(49.8 t・54.9米トン) 51英トン(51.8t・57.1米トン)
固定軸距	11ft6in(3,505mm)
軸重クラス	RA5 または RA6
燃料搭載量	668英ガロン(3,040L・802米ガロン)
動力伝達方式	電気式
機関	イングリッシュエレクトリック社 6KT型
機関出力	350㏋(261kW・354.9PS)
駆動装置	2段減速式・ロッド連動
制動装置	真空ブレーキ後年はデュアル(真空・空気) 又は空気ブレーキ
設計最高速度	15mph(24km/h)又は 20mph(32km/h)
最大引張力	35,000lbf(160kN)
MU ワーキング記号	無し (一部改造車は青の星印)
暖房装置	無し

概要

Class 08は元LMSのClass 10(LMS 12033)を基に設計された。これらのグループである高速ギア仕様のClass 09の26両、他メーカーのエンジンと駆動装置を搭載したClass 10等の兄弟形式171両を含めると同等の外観を持つものは実に1192両に及ぶ。
1952年から1962年にかけてイギリス国鉄のクルー・ダーリントン・ダービー・ドンカスター及びホーウィックの各工場で製造された。
サブクラスは1985年に南西ウェールズのバリーポートアンドグウェンドレースバレー鉄道(BP&GVR,Burry Port and Gwendraeth Valley Railway)向けに3両が低屋根化工事を受けClass 08/9とされたほかはすべてClass 08/0となっている。なおその後、1987年に2両がClass 08/9へと改造されている。

運用

イギリス国鉄のもっとも一般的なシャンターであり、入れ替え作業はこのClass 08によってほとんどが行われていて、イギリス中どこでも分割・併合や増結をする駅、車庫構内での入換などで見ることができた。現在でもイギリス国内各地でその姿をみることができる。

機器

Class 08の設計はLMS 12033(後のClass 11)を基にして行われている。エンジンは4気筒4ストロークのイングリッシュエレクトリック社製6KT型(350bhp(355PS・261kW))を搭載し、同じくイングリッシュエレクトリック社のEE801形発電機を用いて発電、同社製2 EE 506形モーターを駆動し2段変速で輪軸を動かしている。