Keystone(キーストン)は、アムトラックが運行する列車。Keystone service(キーストンサービス)とも呼ばれる。
概要
キーストンは、ニューヨークからフィラデルフィア、そしてペンシルベニア州の州都であるハリスバーグまでを最高速度201km/hで結ぶ短距離列車。ニューヨークペンからフィラデルフィア30thストリートまではノースイーストコリドー、フィラデルフィア30thストリートからハリスバーグまでは
キーストンコリドーを走行する。
主要都市であるニューヨーク、ニューアーク、フィラデルフィアとハリスバーグを結んでいるため、
アムトラックの中でも5番目に利用者が多い列車である。
キーストンは、ペンシルベニア州連邦より資金を一部援助され運行している。
歴史
1971年のアムトラック設立後も、ハリスバーグとフィラデルフィアを結ぶ列車はペン・セントラル鉄道によって運行されていた。これは、ペンシルベニア州連邦の資金により運行されていたためである。
1972年より運行がペンセントラル鉄道からアムトラックとなり、列車名もシルバーライナー電車を使用していたことからシルバーライナーサービスとして運行を開始した。
1970年代後半より、老化したGG1
電気機関車の置き換え用としてE60CH電気機関車が導入されたが、この機関車は信頼性が低く、GG1を置き換えられるほどの車両ではなかった。E60CHのトラブルがありつつもGG1の廃車に早まったアムトラックは車両が不足する事態となってしまい、NJDOTよりアローII電車を70両借りることでその場をしのぐ。このときキーストという名称でアローIIによる運行を開始、以前のシルバーライナーサービスはキーストンにこのとき統合された。
1980年代になるとNJDOTより圧力を受け、アムトラックはアローII電車を3返却、代わりにメトロライナー電車を転属、導入した。
もちろんこのメトロライナー電車も信頼性が低く、AEM-7電気機関車けん引の客車列車に置き換わることとなった。、このキーストンがメトロライナー電車の最後の運行である。
2000年より、より高速な輸送サービスを行えるようフィラデルフィア~ハリスバーグの路線改良を行い、最高速度が180km/hに引き上げられた。またキャブカーの連結によるプッシュプル運転によってニューヨーク~ハリスバーグの旅行時間は25分短縮された。さらに2014年には2つのみ存在していた踏切を廃止し、最高速度は201km/hに向上。アメリカ合衆国内で2番目に早い列車として運行を続けている。
車両設備
使用される客車はアムフリートIで構成されているが、フィラデルフィア30thストリートで列車の向きが変わるため、機関車とは反対の位置にメトロライナーキャブカーが連結される。全区間電化されているためすべてACS-64が担当する。
基本はアムフリートIの4両+メトロライナーキャブカーの5両編成。前記のとおりキャブカーを先頭にプッシュプル走行を行う。
かつてはAEM-7電気機関車やHHP-8電気機関車も運転されていたがすでに引退している。
運行形態
平日は13往復があり、ニューヨーク発着がほとんどであるが一日4本ほどフィラデルフィアとハリスバーグ間の区間列車がある。
またハリスバーグより先のピッツバーグとニューヨークを結ぶペンシルベニアンが1往復設定されている。
ノースイーストコリドー内では停車駅が
ノースイーストリージョナルより少なく、
アセラエクスプレスに匹敵する停車駅数であり速達列車の役割を担う。
ニューヨークからハリスバーグまでは約3時間50分と比較的短距離な列車のためビジネスカーとカフェカーは連結されていない。ニューヨークペン~フィラデルフィア30thストリートはコーチは座席指定がなされるが、フィラデルフィア30thストリート~ハリスバーグは自由席である。全列車にクワイエットカーが設けられており、また全区間でWi-Fiも使用できる。
列車番号は、ペンシルベニア鉄道時代より引き継がれている600番台。西行が奇数、東行が偶数である。
平日に運行される西行601、603、605、619、東行618、610、612、622列車はフィラデルフィア~ハリスバーグ間の区間列車。
また一部キーストンコリドー内で速達運転を行う列車がある。
夜中に運転される西行619列車ではフラッグストップの駅がある。
停車駅
駅名 |
州 |
停車 |
ニューヨークペン |
NY |
● |
ニューアークペン |
NJ |
● |
ニューアークリバティエアポート |
NJ |
〇 |
プリンストン |
NJ |
〇 |
トレントン |
NJ |
● |
フィラデルフィア30th |
PA |
● |
アードモア |
PA |
〇 |
パオリ |
PA |
● |
エクストン |
PA |
● |
ダウニングタウン |
PA |
〇 |
コーツヴィル |
PA |
〇FS |
パークスバーグ |
PA |
〇 |
ランカスター |
PA |
● |
マウントジョイ |
PA |
〇FS |
エリザベスタウン |
PA |
● |
ミドルタウン |
PA |
●FS |
ハリスバーグ |
PA |
● |
凡例
NY-ニューヨーク
NJ-ニュージャージー
PA-ペンシルベニア
●-全列車が停車
〇-一部列車は通過
FS-619列車にてフラッグストップ扱い駅
編成表
←ニューヨーク、ハリスバーグ フィラデルフィア30thストリート→
凡例
CCQ-コーチ(クワイエットカー)
CC-コーチ
MLC-メトロライナーキャブカー(コーチ)
※編成の向きは列車によって異なる場合があり、機関車がフィラデルフィア30thストリート側になることもある。
関連項目
最終更新:2017年02月06日 12:27