概要


SRXのデザインワークはGKデザインによる。コンセプトイメージは「豹」。しなやかな肢体と躍動感あるネコ科のイメージを見事に捕らえたデザインは1985年度、1990年度のグッドデザイン賞にも選出されている。
https://global.yamaha-motor.com/jp/design_technology/design/awards/good_design_award/

80年代に入ると軽量化、コストダウンなどの要請からオートバイの外装パーツに樹脂が多く用いられるようになっていったが、SRXはそれらの時流にあえて抗い上質なアルマイト仕上げのアルミパーツがふんだんに用いられ、大人の所有に足る本物のモダンスポーツを体現した稀有なデザインとなっている。

SRXは密度のあるコンパクトなデザインを極限まで追求した結果、エンジンがフレームのセンターに搭載されておらず、そのためフレームも厳密には左右対称ではない。
エイシンメトリカルなフレームに搭載されたタンクも左右非対称となっているが、視覚的にそれを補うためにエラの張った独特のデザインになったと聞く。

メーターも当初コストの関係でスピードとタコが一体の樹脂ボディが検討されたがこれも別体式となり、メーターパネルはアルミ製となった。

GKデザインの執念ともいえる拘りによってSRXの唯一無二のデザインはこうして完成されたが、あまりにも完成されすぎたデザインゆえに外装パーツを交換することは非常に難しく、当初より外装カスタムと言う点ではSRほど恵まれた環境にはなかったと言える。


タンクエンブレムについて

タンクに貼り付けられているヤマハの音叉マークとロゴは二階建てになっている(音叉が上、ヤマハのロゴが下)が、これはヤマハ発動機のCI(コーポレートアイデンティティ)にない使用方法であると発売後にヤマハ発動機よりクレームが入っている。
更に4型ではタンク断面が凸形状となっており、ロゴマークが凹面に貼り付けられている。これについてもヤマハ発動機はクレームを入れたというのは知る人ぞ知るエピソード。
これ以後、音叉マークとヤマハロゴを二階建てにするモデルは発売されておらず、SRXのアイデンティティとなっている。


ステッカーについて

キックモデルはアルマイト処理されたアルミのサイドカバーにSRX-4、SRX-6、SRXとモデル名がステッカーで貼付される。
排気量に従って「SRX-4」「SRX-6」と表記されるが400ccのYSPモデルは「SRX」表記であり、下に小さく「Limited edition」とスクリプト体で入っている。
初期型のみ車名の下にエンジンスペックが入る。
400は
3.4kg-m/6000rpm
87.0×67.2mm
399㎤

600は
4.9kg-m/5500rpm
96.0×84.0mm
608㎤
である。

初期型モデルのシートカウルにあった「SUPER SINGLE」のステッカーは2型以降廃止された。

セルモデルはリアカウル前端に「SRX」と400,600共通の車名ロゴが貼付されている。

4型のリアカウルについて

4型のリアカウルは強いオーバーハングの付いたグラマラスなデザインだが、樹脂成型品としては金型で抜くのが困難なため3分割とされた。
しかしビッグシングルの強烈な振動で非常に割れやすい。特に重い荷物を載せたりすると経年劣化もあってバラバラになることがあるので注意が必要。
裏側からFRPクロスをプラリペアなどで貼り固めるなど応急処置もあるが、一体成型のサードパーティ製カウルに交換してしまうのも策。


タンクからの音

エンジンを止めて駐輪するとタンク付近から音が鳴ることがある。
「ぷーん」とか「くー」といった音はタンクキャップに設けられたガソリンの空気抜きからエアを吸っている音で故障ではないのでご安心召されたい。
なお、タンクキャップ部にはドレンがあり、ガソリンを入れ過ぎるとドレンからガソリンが排出されてしまう。
昨今のヤマハ車両のようにガソリンキャップに「ここまで入れる」という目安の板はないので入れ過ぎにはご注意。
具体的にはサイドスタンドで単車を立ててタンク内に伸びる口金の左サイドにガソリンが達したら止めるべき。それ以上入れてもドレンから排出されるため無駄になるうえ危険である。




タコメーターレスのスピードメーター
SRXのタコメーターを単に取り外すと、スピードメーター側に黒いステーが残ってしまいます。
これが気になる人は、Renaissa(SRV250ルネッサ)のメーターパネルを流用すると綺麗に収まります。
同じくタコメーターの無いSDRでも同様ですが、こちらはメーター全体がアセンブリになってしまうそうです。
ちなみに、Renaissaのメーターパネルは『Hi』『Turn』などの文字が絵になっていて、少しだけ変わった趣が味わえます。

左藤洋二


シリンダーヘッドの穴塞ぎ
タコメーターケーブルを外した後のシリンダーヘッドの穴は、XT400Artesia(アルテシア)の物が流用出来ます。自作されている方もおられるようです。

左藤洋二





(gizmo)

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最終更新:2024年07月02日 21:37