大裁ち女物単衣長着の絹布仕立て
単衣の着物をウールの反物で縫ってみましょう。
マニアですから、ごくごく普通の木綿もの(浴衣)の縫い方でなく、いちいちめんどくさい縫い方を選んでみました。
絹布仕立て(けんぷじたて)という方法です。
絹布仕立ての中でも、夏物の絽や紗を仕立てるときは「薄物仕立て」、ウールなどは「厚ものの場合」と、またそれぞれに方法があるようです。
今回はウールなので厚ものの場合。さらに内揚げもつけてみたいと思います。
内揚げは、その着物をたくさん着て、裾が擦り切れてしまった場合のお直しする分の布となります。
◎今回は…
広衿(を予定)
内揚げをつけてみる
木綿仕立てと絹布仕立ての違うところ袖下縫い代の始末
背伏せ布での背縫い代の始末
脇の縫い代の始末
◎メモ 繰越揚げ と切り繰越 の違い
繰越揚げ → 身頃を二等分した長さのところ衿肩あきを作る。繰越分2cmをずらし、新しい山を作ると、ずらした分x2倍の長さが、繰越揚げ (2x2倍=4cm)となる。(普通はこちらの作り方)
切り繰越 → 対丈でつくり、2等分した身頃の山から繰越分下がったところに、衿肩あきを作る。
◎menu
0.材料
着尺反物 1反
いしき当て・肩当てに 胴裏地 幅x150cmくらい
三つ衿芯に 新もす 反物の半幅(18cm)x30cm
衿裏に 胴裏地 表と同じサイズ
力布に 胴裏地
背ぶせ布 1袋
1.断ち切り寸法計算
3種類5枚を裁ちます。(裁ち切り袖丈x2枚、裁ち切り身丈x2枚、裁ち切りおくみ丈x1枚)
裁ち切り袖丈=上がり袖丈+縫い代4cm
裁ち切り身丈(揚げ繰越の場合…木綿ものなど)=上がり身丈+7cm
裁ち切り身丈(内揚げの場合…ウール薄絹など)=上がり身丈+15cm
裁ち切りおくみ丈=裁ち切り身丈+15cm
たりそうな場合は残り全部を裁ち切りおくみ丈として使う感じ
余分があれば「いしきあて」=約40~50cm+(縫い代1cmx2)と、「肩あて」=布幅x約50cmx2枚も共布でとるといいかも
ウールの場合、滑りを考えて、共布の肩あては使わない場合も
今回の場合
裁ち切り寸法計算
上がり袖丈
49cm
・現代では割と標準な長さかと
裁ち切り袖丈49+4cm=53cm
上がり身丈
150cm
・ほぼ身長
裁ち切り身丈=150+15cm=165cm
袖
上がり袖丈
49cm
(現代の標準的な長さ)
袖付け
23cm
規定寸
袖口
23cm
規定寸
袖口側の縫い代
1cm
規定寸
後身頃
上がり身丈
150cm
採寸割出
衿肩あき
11cm
採寸割出(標準寸は9.5cm)
袖付け
23cm
規定寸
身八つ口
23cm
規定寸
後揚げ
9cm
計算式あり↓
背縫い代
1cm
規定寸
後幅
29cm
採寸割出
肩幅
30cm
採寸割出
つけこみ
4cm
好みで2から5.5cmほど
前身頃
おくみ下がり
折り山から25cmの布端から8.5cmのところ
規定寸
前幅
25cm
採寸割出
前揚げ
5cm
計算式あり↓
採寸おくみ丈(KからJまでの距離)
139cm
前身頃すべてつけ終わってから実寸を計測(今回はすそ裁ち目から)
おくみ
おくみ丈
採寸おくみ丈-前揚げ=139-5=134cm
今回前揚げ付きなのでその分引かないと
衿下
77cm
実寸計測(腰骨から-5cmくらい)
衿下縫い代
1.5cm
規定寸
おくみ幅
15cm
規定寸
衿付け流れ
56cm
実寸計測
衿
掛け衿
45cmx2倍
規定寸
地衿
(92cm+縫い代3cm)x2倍=190cm
計算式あり↓
付属品
肩当て(縦づかい)
並幅(36cm)x約50cmx2枚
・共布や、木綿ものだとさらしなどですが、今回はすべりを考えて胴裏
いしき当て
並幅(36cm)x約40~50cm+(縫い代1cmx2)x1枚
三つ衿芯
並幅の半分(18cm)x30cmくらいx1枚
新もす
衿裏
地衿と同じだけ
衿裏の解いたものがあったので正絹のもの
◎計算式
後ろ揚げ寸法計算式=(裁ち切り身丈-裾縫い代2cm)-(上がり身丈+付け込み4cm)=(165-2)-(150+4)=今回9cm
前揚げ寸法計算式=後ろ揚げ寸法-(繰越x2)=9-(2x2)=今回5cm
揚げは…衿の繰越分がここになる。単純計算だと2cmx2倍=4cmだが、衿のつけ込みを入れて考える事を忘れないで。
地衿必要寸法計算式=際にカットした衿肩あき + 前身頃につけたおくみ下がり(25cm) + 衿付け流れ(今回56cm) + ゆるみ1.5cm= 今回92cm
◎地衿と掛け衿が足りなくなりそうな場合
おくみを取るときに、おくみ分だけ切り取り、残りはL字型に残しておくようにする。最後まで残りの布を切り離してしまわないようにするとよい。
掛け衿は基本45cmx2倍ですが、背の低い人の場合は43cmくらいでもOK(らしい)。その分4cm地衿に持っていくことが出来る。ここでも調節可能。
衿先の縫い代は、しっかり3cm欲しい。
2.柄あわせと裁ち
配置と畳み方と柄あわせ
最初は、へら台に左側が端で裏が上に来るように畳みながら置いて行きます。
基本の形=(下から)袖→袖→身頃→身頃→おくみ(残り全部)
ここで要尺が足りるか確認します。
足りるようだったら、次に柄あわせをします。
基本の並べ方を組み替えて(先に身頃をとったり)、良い柄がくるように場所を選んでいきます。
一番最初に基準にするのは右後ろ肩 の部分に、良い柄が来ること。
次に、右後ろ肩の柄と、左側の柄が真横に並ばないように、リズムが出るように。
織り傷や染めむらがある場合は、打ち合わせの下の部分に、来るように考える。
裁ち
切るときは向かって右手側ばかり切ればいいように配置されているはず。
いしき当てや肩あてなどは、先に切ってしまわないで。失敗も考えて後々まで切らないでおく。
おくみ分はたて二つ折りにして置いておくと、おくみだとすぐわかる。
3.袖のしるしつけ
糸印
畳み方
左右の袖2枚を中表にし、下2枚が外袖、上2枚が内袖。右側が断ち切り、左側が輪。向こう側が袖口側、こちら側が袖付け側(振り側)となるようにへら台の上に置く。
木綿仕立てと違う部分は、下になってるほうの外袖を1cm長く出して端をそろえる。(これで折りくるむため)
しるしつけ
① 折り山から49cmのところに.
②③④ 向こう側まで4箇所。
⑤ 山から23cmのところに。(布の耳につける。)
⑥ 山から23cmのところ。(こちら側は耳からはものさし一本分あけてつけると袖付け側だとすぐわかる。)
⑦ 山べら
4.袖を縫う
●の部分から●の部分まで。
縫い始めは一針返して。次に2cmは半返し縫い、その後波縫い。
そで下の縫い代は、長く取った外袖側の1cmで折りくるみ、1.5から2cmの針目でまつりぐけ する。
キセ
袖口と丸みは2mm。そで下は4mmのキセをかける。
丸み
丸みの外側8ミリののところ、丸みより1cm長く、ぐし縫いして、丸み型を使い引きしぼる。
引き絞ったら一針返して玉止め。アイロンで安定させる。
さらに角の部分が不安定なら、糸で押さえておく。
袖丸み型 手芸店で購入できます
袖口の縫い代の始末
あきどまりまでは、三つ折りぐけ。
それから先の縫い代は、くきっと曲がらないように、滑らかな自然なラインで。
5.袖の飾りじつけ
袖口あきどまりから振りまで飾りじつけをしておく。
袖付のときにしつけが邪魔になるので、袖付側12cmくらいは上の前袖と縫い代だけにしつけする。
6.後見頃のしるしつけ
前身ごろのしるしつけが終わるまで、へら台から動かさない。
あわせを作ることを考えて厳密に。
本当はこんなに長いのですが、都合上短めに折りたたんだ写真を使っています。
畳み方
左右の身頃2枚を中表にし、下2枚が前身ごろ、上2枚が後ろ身頃。右側が断ち切り、左側が輪。向こう側が袖付け側、こちら側が衿肩あき側(背縫い側)となるようにへら台の上に置く。
断ち切りの右端をぴったりあわせて、左側の折山にアイロンのしるしをつけます。(①の部分)
①のラインが衿肩あきになりますが、まだ怖いので今の段階では2cmくらいのノッチにとどめておきます。
繰越分2cm移動させます。上2枚と下2枚の間に物差しを入れて、ササッと、たわませます。(②の部分にもアイロン)
移動してきた4cmは、腰上げのあたりに(折り山から50cmくらいのところ)にたわませたままで、おいておきます。(絶対に裾をそろえてしまわないこと!)
しるしつけ
A 衿肩あき 11cm(採寸割り出し)(標準だと9.5cm)
B 袖付け 23cm(規定寸法)
C 身八つ口 15cm(規定寸法)
D ゆるみ 4cm 揚げ 4cm(繰越2cmx2倍なので)
E うしろ揚げ(繰越揚げ+内揚げ) 9c(割り出し計算)
F 後幅 29cm(採寸割り出し)
G 肩幅 30cm(採寸割り出し)
① 衿肩あき 手前の耳から11cm(採寸割り出し)
② 袖付け 現在の折り山から23cm(規定寸法)
③ 身八つ口 ②から15cm(規定寸法)
④ ゆるみ ③から4cm(規定寸法)揚げの始まりのしるしとなる
⑤ ゆるみを背縫い側にも
⑥⑦ その中間地点2箇所にも
⑧ 後ろ揚げ ④から9cm(割出)
⑨ 後ろ揚げを背縫い側にも
⑩⑪ その中間地点2箇所にも
⑫~21 背縫い 耳から1cmのところをずーっと下まで10cm間隔で(これは上の2枚だけについていればよい)
22 後幅 背縫いから29cm(採寸割り出し) 耳からだと1cmプラスになるよ!
23~29(身八つ口どまりまで) 22の幅をうつしていきます
30 肩幅 ⑫から30cm(採寸割り出し)ここには山べら も ここも耳からだと1cmプラスになるよ!
31 29と30をつないで
32 29と30をつないだその中間地点にも
間違えそうなところ
後巾 身八つ口どまりまでが背縫いと平行になります。
身八つ口どまりから肩幅までが、ほんの少し外に出るような感じになってるはず。
7.前見頃のしるしつけ
くるくると後身頃の上2枚を巻きながら、裾から、脇縫い、身八つ口どまり、袖付け、折山のしるしを写していく。(下の写真の①~⑨まで)
しるしつけ
H 袖つけ
I 身八つ口
Jと⑩ 前巾(採寸割り出し) ①からの寸法。
K おくみ下がり 折り山から25cm(規定寸)の、耳から10cm(裁ち切り衿肩あき-1cm)
耳から8.5cm(規定寸) の位置。
①~⑨ 後見頃の印を写していく。⑨に山べら
⑩ ①から前巾(採寸割り出し)25cm
JとKの位置を物差しでつなぎ、しるし付け。そしてこの距離を測っておく。 (今回は裾の裁ち目からの縫い代含む長さ139cm)
書いてないけど…
Iから4センチ下が前揚げの上線。
その上線から、前揚げ5cm(割出)とります。
8.背縫い
背ぶせ布でまとめる方法です。
背ぶせ布は耳にくける方法と、身頃に(わずかに針目を出して)表にくけていく方法とあるのですが、今回のウールのお仕立てでは、表身頃にくけていきます。
身頃のほうは縫い代1cm。背ぶせ布は5ミリの縫い代で、3枚一緒に縫う。
縫い始め(裾側)は2cm手前から。縫い代が2cmなので)
縫い終わり(衿肩あき側)は1.5cm手前まで。
(ですが、今回付け込み4cmのため後で直しました。)
背縫いのキセは2ミリ。背ぶせ布はキセなしで折ります。
今回は厚物なので身頃に留め付けました。薄物の場合は縫い代にくけていきます。(ふかふかにならないように)
9.肩あて
今回は滑りを考えて正絹の胴裏を使いました。端の始末は、木綿もののようなやり方だと、ほつれて指にかかるのが嫌なので、三つ折りぐけにしました。
衿肩あきは、今の段階では少なめに切るようにし、あとで合わせるとよい。
縦布使い。背縫いは縫い代1cmで2度縫いしてます。キセ2ミリで左身頃側に倒します。
10.後ろ揚げ
内揚げ付きの仕立てにしています。なので、揚げ繰越+内揚げの寸法で計算し、今回は9cmとなりました。
新しく山を作った分の、衿の繰越分が揚げ繰越分となる。単純計算だと2cmx2倍=4cmだが、衿のつけ込みや最初にとった見積もりの分量(15cmにした)を入れて考えるとちょっと変わってくる。後ろ揚げ寸法計算式=(裁ち切り身丈-裾縫い代2cm)-(上がり身丈+付け込み4cm)=(165-2)-(150+4)=9cm
しるしどおり波縫い。しるしより一針外まで。(幅いっぱいにしないほうがよかったみたい…)
0.15ミリのキセをかける。(内側から見て)縫い代を裾側に倒す。
教科書には縫い代から2ミリ下を1.5cmの間隔で伏せ縫いとあったが、糸が表に渡るのがいやなので1.5cmの間隔でまつりぐけにしました。
たたまれ方はこんな感じになってる。表側は上向き、裏側が下向き。
背ぶせもそのままたたみます。
やっぱり…
脇のしるし一針くらいで縫い終わったほうがよかった。(布端まで縫わない)
縫い代の始末の時に、ここのあたりがつれ易い部分。
布端まで縫ってしまわないほうが、揚げの縫い代で調節しやすい。
11.前揚げ
内揚げをつくるので、今回は前の揚げもあります。切り繰越でつくると、前の揚げはありません。
前揚げの計算式後ろ揚げ寸法計算式=(裁ち切り身丈-裾縫い代2cm)-(上がり身丈+付け込み4cm)=(165-2)-(150+4)=9cm
前揚げ寸法計算式=後ろ揚げ寸法-(繰越x2)=9-(2x2)=5cm
たたむ寸法は違うけど、縫い方は後ろ揚げと同じです。
12.いしきあて
今回はすべりを考えて胴裏を使用しました。
上がり身丈の下から1/3のポイントが、いしき当ての中央になる高さに来るようにとめつける。
横幅は並幅いっぱいが普通ですが、後身頃の横幅いっぱいにつける場合もあります。
(クローズアップ写真と全体図とで、縦と横が違ってますが…)
13.わき縫い
普通ならば、裾から身八つ口どまりまでを二度縫い。2ミリのキセで前身頃側に片倒しか、前2ミリ後4ミリのキセで割るかして、両端を耳ぐけ。
ウールの場合は、裾から身八つ口どまりまで一本縫う。2ミリのキセで前身頃側に倒し、後縫い代を前縫い代に4ミリ重ねて開く。その折り山を1cmの伏せ縫いで抑える。
前後身頃の耳は、ひとつ折りにし、袖つけも折り込んで(この段階では揚げの下まででとめておく場合もある)1cmの間隔でまつりぐけにする。
わき縫い。一本めの本線。すそは3cm縫い残す。(何でかはまだ不明)
ここまで来て、ようやく力布をつける知恵が授かりました。
まずは前身頃側に2ミリのキセで折り、そのあと後身頃側に4ミリのキセで、縫い代を折り開く。
前身頃側の裏側を見るような配置で持ち、2.5cmの間隔で、本線から2ミリ上を、折り山を落ち着かせるように折り伏せ縫いにする。
身八つ口どまり側は5cmあけて縫いはじめ、すそは4cm縫い残す。(どうしてかは裾の始末をやるときに気づくのかな)
(着物の内側になるけど)縫い代の表から見るとこんな感じに、ちょっとしか糸は見えていないはず。
キセは後身頃が上になっているはず。
身八つ口どまりにかけてはキセが消えていくように。
縫い代の始末をするために折ります。
袖のところ。
山ではしるしより+5ミリになるように。袖付けどまりでは+1ミリになるように。
この+5ミリと+1ミリが、袖付けの縫い代になります。
身八つ口どまりまでは、つれないようになだらかな線になるように。
縫い代1cm内側に折り返して、ぐるっとまつりぐけします。
14.おくみの柄あわせとしるしつけ
裁ち切りおくみ丈として残しておいた分を、まず柄あわせし、どの部分を上前のおくみにするか考える。
おくみ布の耳が、身頃とつながるようにする。
上前にするおくみが決まったら、糸印をつけ、それからカット(おくみ2枚、地衿1枚、掛け衿1枚)。
並幅の反物(36cm幅)だったら、こんな感じのとり方になる。
おくみ側と衿がわと真半分(18cm幅ずつ)で切り分ける。
訂正
・地衿に必要な長さは
裁ち切り衿肩あき+繰越2cm +おくみ下がり25cm+ゆるみ1.5cm+衿付け流れ+衿先の縫い代3cm
どうしていつも2cmくらい足りないんだろうと思っていたら、繰越が入っていなかった。
おくみの柄あわせ
上前の裾のほうの柄を見て、柄あわせしていきます。
真横に同じ柄が並んでしまわないように。リズムが出るように。
身頃とつながるほうが、おくみ布の耳になります。裁ちめの方が衿下になります。
糸印
おくみのしるしつけ
(実物はもっと長いのですが、都合上短めにたたんだもので記事を書いています)
①おくみ丈 ⑨の裁ちめから 134cm=前身頃を実寸計測した139cm-前揚げ5cm
②衿下寸法 79cm=77cm(採寸割出)+裾縫い代2cm
③~⑧1.5cm縫い代 衿下のたちめからで②までつけていく
⑨おくみ幅 おくみ幅15cm(規定)+キセ0.2=15.2cm
⑩剣先 ①を布幅の1/3(規定寸・6cm)入ったところにうつし直す ⑨とつないで10cm間隔でヘラ
⑪剣先にキセ分+4ミリ隣にも。そこから②とつないで、実寸を計っておく。(
衿付け流れ という名前の場所になる。今回56cm)
15.衿下とおくみつけ
つま先の額縁
ウールだとこうしないほうの、簡単に畳むほうがポピュラーです。(厚くてふっくらしちゃうので)
しるしの付け方
① 実際の出来上がり線を引きます
②③ 縫い代の織り山となる線を引きます。②は衿下なので①から8ミリ。③は裾なので①から1センチ。
④ あれ、④がなかった…
⑤⑥ それぞれの延長した分のしるしをつけます。
⑦ 実際の出来の角になる部分
⑤と⑥に待ち針を刺して、中表に合わせ、⑤⑥と⑦までを細かく半返し縫いで縫います。
縫いはじめと縫い終わりは、一針返します。
(文章で説明できない)こんな感じに畳む。ウールで厚地なので糸で留めてみました。
表に返したら出来上がり。
ウールだとやっぱりふっくらしちゃう。けどきれいな仕上がりに。
衿下縫い代の始末
8ミリの縫い代で、8ミリの間隔でまつりぐけ。
衿下の4cm上まで。
おくみつけ
裾1cmくらい縫い返して。剣先は縫い代のほうに3cmくらい縫い戻す。
2ミリのキセでおくみ側に倒し、剣先より3.4cmくらい上までまつりぐけ。(木綿ものは耳ぐけ)
16.裾の始末
額縁はもう作ってあるので、1cmの縫い代で完全三つ折りのまつりぐけ。間隔は1cm。キセの山では一針返す。
やり直してみました。最初やったほうだと折り山から針を出していたので、糸が見える。
やり直しは折り山から2ミリ中で針を出すようにしたら、糸が見えずにきれいな仕上がりになりました。
キセ山は、垂直に、おもての山に糸がかかるようにして、キセが消えないようにします。さらに糸を返しています。
17.衿付け
掛け衿の柄あわせと計算
裁ちめが身頃とつながるようにして、柄の配置を考える。
掛け衿は基本45cmx2倍
地衿の出来寸を計算する実際にカットした衿肩あき + 前身頃につけたおくみ下がり(25cm) + 衿付け流れ(今回56cm) + ゆるみ1.5cm=92cm
(この92cm + 衿先の縫い代3cm)x2倍 が地衿の必要寸法(カットする長さ)となる
たりない場合は衿下を長く補正して、衿先を上げるようにして調整する。
背が低い人の場合は掛け衿を43cmにしてもOK
訂正
・地衿に必要な長さは
裁ち切り衿肩あき+繰越2cm +おくみ下がり25cm+ゆるみ1.5cm+衿付け流れ+衿先の縫い代3cm
どうしていつも2cmくらい足りないんだろうと思っていたら、繰越が入っていなかった。
広衿のしるし付け
地衿は、中表に二つ折り。手前が裁ちめ、向こう側が耳。左手が輪、右手が裁ちめ、になるように置く。
①衿の出来寸 山から92cm
②③ 向こう側まで3箇所にうつす
④実際にカットした衿肩あきと同じ寸法 9.5cm(◆◆◆)
⑤おくみ下がり
④から25cm(規定寸) 折り山から裁ち切り衿肩あき+繰越2cm+おくみ下がり25cm+ゆるみ1.5cmのところ
⑥山べら◎確認 ⑤の剣先から①までの寸法が、前に計った
衿付け流れ だけあるか確認する
この上にかけ衿を、地衿と同じ配置で置き、④⑤⑥を写す。
衿裏も(重ねなくてOK)地衿と同じ印をつける。
力布
待ち針の打ち方と縫い
剣先では一針前します。
縫い目は割と粗め。でないと衿がナミナミしちゃうそうです。
衿肩あきのところ。
地衿の生地だけ、たわませる。表に返したときに衿がつれないように。
手前から、地衿・身頃・肩当て布・力布 ・衿裏と5枚一緒に縫う。
三つ衿芯
今回は「新もす」半幅(18cm)x30cmほど。
縫い代にざっくりと留め付けます。
掛け衿
裁ち目が衿付け側になります。
本来なら縫い代1cm折りますが、今回は柄行の都合から、少々深めの2.5cm縫い代取りました。
衿先の縫い代は2cmです。
中心から振っていきます。
出来線より5ミリ外側を、5ミリの目幅で地衿一枚だけに縫いとめます。
そのとき衿付け側1cm手前から縫い始めます。
表から見えないように折山の角から針を出し、角は2回糸をかけるようにします。
掛け衿は2ミリ内側、地衿は折り山を通るように、5ミリの目幅でまつりぐけします。肩山はもう少し細かめに。
衿先の始末
(四つ止めのメモを忘れてしまった)
しるし通りにピン打ちし、裏衿だけ真中を(歯で)5ミリひっぱりあげる。ずれないうちに素早く縫う。衿裏の出来線まで縫います。
衿ぐけ
地衿を11cmで折ります。三つ衿芯も身頃の縫い代も掛け衿もぜんぶ。ここでしつけをかけておくとやりやすいです。
広衿の出来線から7ミリ控えるように、裏衿を折ってまつりぐけします。
18.袖付け
前袖・後袖、どちらをどちらの身頃につけるかよく確認しておく。
身頃の中に袖を入れるようにして中表にあわせ、身頃側を見て縫う。
#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (単衣 .jpg)
身八つ口どまりは1ミリの縫い代で、他は2ミリの縫い代で。肩山3目と縫いはじめと縫い終わりは半返し縫い。そのあと本線と少しずらして2cm縫い返す。
2ミリのキセをかけて折り、縫い代を始末する。今回はわき縫いも1cm折り返してまつりぐけにしているので、これと同じにする。
#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (単衣 .jpg)
19.しあげ
かんぬき止め
引き糸
000.感想
裁ち切り身丈に、上がり身丈+15cmの15cmという数字が、どこから来た数字なのか、何が15cmなのか、最初わからなかった。でもあとから、後揚げ計算式があることに気づき、”とりあえずこれだけあれば足りなくならないだろう”という数字が15cmで、それを含めて切り出しておいてから、後の揚げの分を計算出だして、微調整していく作り方なんだなと知った。これは衿の付け込みが関係していたようだ。衿の形には人それぞれ好みもあるので、洋裁のようにぴっちりここ何センチというふうに決めてしまわずに、あとから揚げで帳尻を合わせていくのだと改めて気づかされました。おもしろい。
割ったり倒したりする方向が、本線を縫う時点では理解していなかったので、キセをかけて倒したときに見えてしまうところがあった。単衣の場合、折込側がどちらになるか考えながら、打ち止めをしたほうが良い。表に見えてしまう箇所を、打ち止めが見えなくなるように縫い直した。
足りるか?とひやひやする局面が何度かありました。残り布はできるだけさいごまでつなげておき、必要なところから切り出して使うのがいいかと思った。
2013-02-11 12:37:06 (Mon)更新
和裁の便利ツール
◎メモ
次の作るときにたたみかたの写真と柄あわせの写真 -- 管理人メモ (2012-02-11 13:10:30)
最終更新:2013年02月11日 12:37