2013-02-24 15:08:28 (Sun)更新

大裁ち 女物 袷 長着

  • 袷にチャレンジしてみましょう
  • 表は揚げ繰越で、胴裏は(私の場合は繰り回して使うことも無いかなと思い)切り繰越で仕立てます。


◎menu


0.材料

  • 表布用反物 1反
  • 胴裏 1着分(別衿付きのを選んだ)
  • 裾回し 1着分
  • 糸(胴裏用に白、裾回しの色、表地の色)シロモ(=木綿しつけ糸)、グシ(=絹しつけ糸)。
  • 三つ衿芯 モス(30cmx11cmくらい)
  • 裾芯 背ぶせ布を使用(クロバーから出ている背伏せはキュプラ100%の化繊ものが出ている35ミリ巾x170cm)
  • ホック 1組(衿に)

  • 袖丸み型
  • かけはり器+くけ台があると便利



1.あがり寸法

いつも着ている着物の中で、一番ちょうどいいなと思うものを採寸するとよい。

パーツ cmで メモ
上がり身丈 150cm 身長と同じくらい
袖丈 49cm 現代の標準丈
66cm 採寸してもとめる
肩巾 32cm 袖巾+肩巾=裄となるように
最近では裄が長くなっているが、反物の巾に限界があるので、先に裄を決定してからよく検討する。
後ろ巾 30cm 肩幅-2cmくらいがベスト
肩巾と後ろ巾の差が2cm以上あると、袖付けの部分が急勾配となってつけにくくなる。
袖巾 34cm 裄(66)-肩巾(32)=で34cm
今回の反物巾が38cmなので最低縫い代1cmずつ計2cmとっても36cm以内になるのでちょうどとれる。
胴裏の生地巾にも注意。今回36cmでぎりぎり間に合った。
袖口 23cm 現代の標準寸かな
袖付け 23cm 現代の標準寸かな
前巾 28cm (ヒップ÷2)-前後差9cm-おくみ巾15cm
でも茶道などやっていて座ることが多い場合は、はだけないためにもう少し多めに前巾をとっておくと綺麗。
衿肩あき 10cm 標準だと9.5cm
身八つ口 15cm 現代の標準寸かな
前揚げ 22cm 計算で求める
後揚げ 26cm 計算で求める
背縫い代 1cm 規定
裾縫い代 1cm たくさんあっても邪魔だった
おくみ付け寸法 今回125.5cm 標つけの際に実寸を計る。実測147.5-前揚げ22cm=125.5cm
衿下 74cm くるぶし隠れるあたりからウェストまでの長さ-10cmくらい
おくみ巾 15cm 規定寸法
抱巾 14cm 13.5とか見るけど小数点が面倒なので
衿付け流れ 今回52.5cm 標しつけの際に実寸を計る。
裾ふき 5mm 標しつけの際は倍にしないとね!


2.裁ち切り寸法計算

2-1.胴(今回の反物巾38cm)

  • 裁ち切り袖丈=上がり袖丈(49cm)+縫い代(4cm)=53cm
  ⇒ふりに重みがあるほうがよいので、縫い代は4cmに
  • 裁ち切り身丈=身長(150)+反物の余りぶん(+アルファで今回25cmプラスできた)
  ⇒反物で余る分を内揚げに入れ込んでしまうと繰り回して使うときに便利なので。
  • 裁ち切りおくみ丈=裁ち切り身丈-15cm

2-2.裾まわし(今回の反物巾37cm)

  • 袖口布=上がり袖口(23cm)+5cm(袖口より長めにつけるので片側が5cm)=28cm≒30cmとしちゃう
  • おくみ裾布=上がり衿下寸法(74)+15cm=89cm≒90cmとしちゃう
  • 後と前の裾=残りを1/4に分ける(上がり身丈の1/3あればよい。今回の場合だと50cm以上あるのが好ましい)
  • 衿先布=25cm内外 巾は17cm
  ⇒袖口布と分けるので、袖口布のほうを基準にする
  ⇒衿先布の幅は17cm(反物巾37cm-袖口布20cm=17cm)

2-3.胴裏(今回の反物巾36.5cm 衿裏は別についていたので見積もりからはずしている)

その前に・・・実際の裾回しになる丈を決める
  ⇒前後裾は残り分を4等分したので、1枚分を計る(59cm)
  ⇒胴接ぎ分3cmと裾ふき分1cmと縫い代1cmを引き、実際の裾まわしになる丈(今回54cm)を決める。
   =59-(3+1+1)=54cm

  • 裁ち切り袖裏丈=表生地と同じ。49cm+縫い代4cm=53cm
  • 裁ち切り胴裏丈=上がり身丈(150cm)-上がり裾まわし丈(54cm)+胴接ぎ縫い代(10cmはほしい)+裾ふき(1cm)
        =150-54+10+1=107cm
  • 裁ち切りおくみあたま=60cmあればOK
  • 裁ち切り衿丈 ⇒別に衿分の布が付いていることが多いので、ここからは取らない

3.袖

3-1.袖の標しつけ

  • 重ね方
  • 中表に合わせ、二つ折りにする。その上に同様に中表に合わせ二つ折りにした袖口布を乗せるが、袖ふき分として2.3ミリずらして乗せて、8枚一緒にヘラ付けをする。

  • 表は単衣のときと同様に、2枚中表に合わせて二つ折りにする。

3-2.袖口布をつける

  • 袖口布はまわし付けにする。角は一針返し、かけはり器で引っ張りながらつれないように方向転換する。
  • ピン打ちは、袖口布のほうだけ、標しよりキセ分として2ミリ大きくなるようにピン打ちすると美しい仕上がりになる。

3-3.袖ふきを作る

  • 八掛と胴裏。胴裏の方を4ミリゆるませてまずは仮しつけをする。
  • 仮しつけをした胴裏の八掛のほうのしるしと表の生地のしるしを合わせる。
  • が、このとき内輪差で表生地のほうを、片側2ミリ緩ませてピン打ちすると綺麗に仕上がる。
  • 縫うときは、袖の開きどまりより、5ミリ縫い残すようにする。
  • 表生地に2ミリのキセ、八掛はそこから2ミリのフキを出してアイロンで整える。
  • 表生地と縫い代を仮しつけで押さえておく。

3-4.袖口の四つどめと袖口下縫い

  • よつどめをした時に残した一本の縫い糸で、4枚一緒に縫う。袖丸みをつけるのを忘れずに。
  • よつどめから3cmくらいは半返し縫いで。
  • ふり側の残り10cmは、胴裏同士、表布同士とに分けて縫う。
  • 袖口下は1ミリ、袖下は2ミリのキセをかける。(縫い代は前袖に)

3-5.振り八つ口の縫いと飾りしつけ

  • ふりは、胴裏と表生地を縫い合わせるが、どことどこを縫い合わせるか向きをよく確認する。
  • ちょっと縫いにくい。一気に一本縫えないので、袖下で分けて半分ずつ引っ張り出して縫う。
  • 袖下では返し針をする。

4.胴

4-1.内揚げの計算

  • 175cmでカットしたものを150cmで仕上げたい。でも繰越が2cmあるのです。
  • 前175+後175=350cm
  • 2cm繰り越しました ⇒前173cm+後177cm=350cm
  • 裾の縫い代は1cmです ⇒前(172+1)+後(176+1)=350cm
  • 150cmで仕上げたいので・・・ ⇒前172-150=22cm 後176-150=26cm
  • 内揚げは?ときかれたら「22cm」
  • (繰越を入れない長さの事を指すようだ)
  • 前後の差が、繰越x2になっていれば合っている。
前揚げ 22cm
後揚げ 26cm

4-2.胴のしるしつけ

4-2-1.重ね方
  • 標しつけの際の重ね方は、中表に2枚合わせてから二つ折り。上二枚が後ろ身頃。下2枚が前身頃となる。

4-2-2.後ろ身頃(表生地)の標しつけ

4-2-3.前身頃(表生地)の標しつけ
  • 今回のおくみつけ寸法を測ったら ⇒147.5cm
  • 内揚げがあるので ⇒147.5-22=125.5cm
おくみつけ寸法 125.5cm

4-2-4.胴裏と八掛(後ろ身頃)の標しつけ
  • 胴裏は繰り回して使うことも無いかなと思い、今回は裁ち目を合わせて、繰越をずらさず、切り繰越で仕立てます。

4-2-5.胴裏と八掛(前身頃)の標しつけ
  • おくみつけ寸法は長いので、糸を張って付けるとよい。

4-2-6.おくみ(表生地)の標しつけ
衿付け流れ 今回52.5cm

4-2-7.胴裏と八掛(おくみ)の標しつけ
衿付け流れ 今回52.5cm

4-3.表身頃を縫う

4-3-1.背縫い
  • 縫い代1cmで縫う。裾は5cmくらい縫い返しておく。衿肩あきのところは1.5cm縫い残す。
  • 2ミリのキセをかけ、衿肩あきを右手に持ち、縫い代を手前に折る(=左身頃側に倒す)。

4-3-2.内揚げ(後ろ身頃・前身頃)
  • 後ろ身頃は、脇縫いの標しの+4ミリまで縫う。
  • 前身頃は布端から布端まで縫う。(けど裄が長い場合が多いので後身頃と同じがいいかもしれない。)
  • 縫い代は2ミリのキセをかけ、下に倒す。
  • キセ山から5mm下のところにグシをかけてみた。

4-3-3.脇縫い
  • 2ミリのキセで2枚とも前身頃側に倒し、内揚げ部分は三角に割る。

  • この時点で袖つけ線もきれいに折っておくといい。(表生地だけ。胴裏は折らない)

4-3-4.おくみ付け
  • 剣先部分は斜めに縫いもどす。
  • 2ミリのキセで2枚ともおくみ側に倒す。

4-4.胴裏を縫う

4-4-1.八掛と胴裏の胴接ぎ
  • 八掛と胴裏をつなぎます。前身頃・後ろ身頃・おくみ・衿の4パーツx2枚ずつ。
  • 布端から布端まで縫うものと、脇のしるしまでのものがあるので注意。
  • 布端から布端まで縫うグループ(前身頃・おくみ・衿)
  • 脇縫いの4ミリ先までで縫いどまるもの(後ろ身頃)

  • 後ろ身頃・前身頃・衿・おくみの8枚とも、1mmのキセをかけて、胴裏側に倒す。
  • 後ろ身頃と前身頃は、縫い線の2ミリ上を、1.5cm間隔の隠しじつけで押さえ、落ち着かせる。

4-4-2.背縫い
  • 胴接ぎのキセ山で合わせ、縫い代1cmで縫う。胴裏は胴裏の色糸、八掛は八掛の色糸で縫う。
  • 縫いはじめと縫い終わりは5cmくらい縫い戻る。衿肩あきのところは1.5cm縫い残す。裾は端まで。
  • 胴接ぎの部分は斜めに縫い戻る。
  • 2ミリのキセをかけ、裾を右手に持ち、縫い代を手前に折る。(=左身頃側に倒すという意味)


4-4-3.脇縫い
  • 胴接ぎのキセ山で合わせ、標どおりに縫う。胴裏は胴裏の色糸、八掛は八掛の色糸で縫う。
  • 縫いはじめと縫い終わりは5cmくらい縫い戻る。
  • 胴接ぎの部分は斜めに縫い戻る。
  • 2ミリのキセをかけ、縫い代は裾まわしの部分は2枚とも前身頃側に折る。胴裏は縫い代が1cmのキセをかけて折り開く。
  • 胴裏縫い代は、身八つ口どまりの2cm下まで押さえじつけをする。


◎もし、胴裏にくりこしをつけていたら…

4-4-4.おくみ付け
  • 身頃の胴接ぎとおくみの接ぎ目のキセ山で、一針返し針をする。
  • 2ミリのキセをかけ、おくみ側に折る。

4-5.表身頃と胴裏を合わせていく工程

4-5-1.裾あわせ
  • とりあえず裾あわせの時の倒す方向。(褄でピンを打ち直すので次参照のこと)
  • 裾まわしも、胴と同じ方向に倒れる。(この縫い代をとじ合わせるときに使うので)

4-5-2.褄の縫い方
  • 裾ふきの角のところの縫い方。
  • おくみのキセ山で合わせる。
  • 八掛のほう1.2cm手前から自然なつれ合いで表に合わせてカーブをつける。ぐしぬいして縫い縮める。
  • 1.2cmの間は表標どおりに0.1cmの針目で縫い、一針返し針をしてから0.3cmの針目で縫いすすめる。
  • 身頃の縫い代ははずして縫う。
  • キセ山で一針返す。

4-5-3.裾芯をいれる
  • 裾芯を八掛側からあて、芯の裁ち目を裾あわせの縫い目より0.5cmだして、本縫い線の2ミリ上を、ぞべ糸で3cm間隔の針目でとじ付ける。
  • 褄先で、出来上がりの標より2ミリ控えて裾芯を切る。

4-5-4.引き糸と飾りしつけ
  • 縫い代は4ミリのキセをかけ表身頃側に折る。
  • 表と裏のキセ山の織り糸を、2~3本すくって引き糸をつける。
  • 裾を表に返して、表裏の裾を平らに整えて待ち針で押さえ、表裾のキセ山から6ミリのラインに、ふため落としで飾りしつけをする。ぞべ糸使用。(飾りしつけは縫い代と表生地だけにかける)


4-5-5.仮しつけ
  • 裾に芯を含ませ、胴と胴裏をあわせる。飾りりしつけの4ミリ下を(=裾のキセ山からは1cm)表裏一緒におくみからおくみまで仮じつけで押さえる。

◎和裁のお教室では裾とじをここですると習ったが、本を見ると最後なのでやっぱり最後に入れることにする。

4-5-6.背とじ
  • 糸は滑りにくい木綿糸を使う。
  • 裾から8cmのところに表から待ち針をつける。
  • 背縫いを引き出し、裾は8cm肩は3cm残して、本縫いの2ミリ上を3cmの針目でとじつける。

4-5-7.身八つ口のとめと縫い
  • 身八つどまりでよつどめをする。
  • よつどめの時に残した一本で、身八つ口を縫う。
  • まずは外側同士、そのあと組み替えてもう片側を縫う。
  • 袖付けどまりでは、表生地のほうは2ミリ縫い代側(耳側)にピン打ちして、できあがりに胴裏が控えて見えるようにする。

  • 仮じつけをする。

4-5-8.脇の中とじ
  • 糸は滑りにくい木綿糸を使う。
  • 裾から8cmのところに表から待ち針をつける。
  • わき縫いを引き出し、裾は8cm身八つどまりは1針ぶん残して、本縫いの2ミリ上を3cmの針目でとじつける。
  • 胴裏側は、1cmのキセで折った胴裏と、折ってないのと3枚まとめてとじ代にする。

4-5-9.袖付けのとめ
  • 袖と身頃とをしっかりととめます。
  • 糸は2本取りで。図の順番でさしていく。
  • 全部通して糸を引き締め、片側の糸を引くとスススーっと動く状態に。
  • 4と5の間は、生地の織り糸2~3本程度(図だと広いですが・・・)
  • 1と8をしっかりと米結びしたら、片方の留めのところは4本長めに糸を残して切って、もう片側の留めを行う。
  • もう片側の留めの方は、しっかり結んだら1本残して3本は切る。残った一本で袖付けを行う。

4-5-10.袖付け
  • 向きなどは単衣と同様。(身頃のほうは折れている状態、袖縫い代は開いた状態)
  • しっかりと返し針をして縫い始め、2cmくらいは半返し縫いをする。四つ山でも半返し縫い。
  • 表は袖が上になるように2ミリのキセをかける。
  • 胴裏は、身頃が上になるようにキセをかけてまつりつける。
  • この後の部分を縫っているときに破れてしまわないように、袖と身頃をいろもでとめておく。

4-5-11.おくみの中とじ
  • 糸は滑りにくい木綿糸を使う。
  • 裾から8cmのところに表から待ち針をつける。
  • おくみの縫い代を引き出し、裾は8cm残して剣先まで、本縫いの2ミリ上を3cmの針目でとじつける。

4-5-12.衿下縫い
  • 中表に合わせ、表は標の1ミリ外側、裏は標の1ミリ内側にピン打ちする。
  • 褄では一針返してから縫い始める。
  • 表に返して褄をきれいに整える。
  • 衿下は、標より5cm長めに縫う。
  • 飾りしつけをする。
  • 表裏2枚にしつけをしておく。
  • 標の2ミリ外側。

5.衿

5-1.衿の標しつけ

5-2.衿付け





◎メモ

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最終更新:2013年02月24日 15:08