mizu0205|保健室
@bg file="gra.jpg" time=700
[cm]
@bgm file="aruhiA.ogg"
@texton
一日くらい乗り切れるだろうと思っていた。朝の時点では少々怠いといったレベルだったのだ。[lr]
だが、症状はあっという間に進んでしまったらしい。白と黒の斑模様、サッカーボールを見ていると吐き気がする。[r]
[cm]
@bgm file="aruhiA.ogg"
@texton
一日くらい乗り切れるだろうと思っていた。朝の時点では少々怠いといったレベルだったのだ。[lr]
だが、症状はあっという間に進んでしまったらしい。白と黒の斑模様、サッカーボールを見ていると吐き気がする。[r]
元よりふらつく足取りに加え、火照った頭が上手く働かないのだ。[lr]
繋ぎのパスが、足元をすり抜ける。[lr]
;;毒男(心配げ)
「どうした?」[lr]
「いや、なんでもない。冬でも運動すると暑いな、とか思ってただけだ」[lr]
話題を切り替えつつ、それとなく袖口で顎まで伝った脂汗を拭った。[pcm]
「おい、だいじょうぶか? 顔、真っ青だぞ」[lr]
誤魔化せなかった。長年の付き合いのせいか、毒男は見抜いていた。[lr]
「悪いことは言わないから、保健室行って来いって。先生には俺が話しておくからさ」[lr]
「……頼んだ」[lr]
あまり事々しくしたくはないが、背に腹は代えられない。素直に忠告を聞き入れることにした。[pcm]
;;毒男(心配げ)
「どうした?」[lr]
「いや、なんでもない。冬でも運動すると暑いな、とか思ってただけだ」[lr]
話題を切り替えつつ、それとなく袖口で顎まで伝った脂汗を拭った。[pcm]
「おい、だいじょうぶか? 顔、真っ青だぞ」[lr]
誤魔化せなかった。長年の付き合いのせいか、毒男は見抜いていた。[lr]
「悪いことは言わないから、保健室行って来いって。先生には俺が話しておくからさ」[lr]
「……頼んだ」[lr]
あまり事々しくしたくはないが、背に腹は代えられない。素直に忠告を聞き入れることにした。[pcm]
@fadeoutbgm time=1000
@bg2 file="hokennsitu.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@bgm file="theH.ogg"
;;すぐ切り替えず一度黒背景をフェードで経由した方が良いかも。
@bg2 file="hokennsitu.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@bgm file="theH.ogg"
;;すぐ切り替えず一度黒背景をフェードで経由した方が良いかも。
しばらく様子を見ましょう。保健室の先生はそう言って冷却シートを額に貼りつけると、さっさとどこかへ行ってしまった。[r]
職務怠慢にもほどがあるが、今は文句を言えるほど頭が回らない。[lr]
「うー、じぬー」[lr]
熱で前言語野辺りがイカれたのかもしれない。俺は内側から湧き起こる熱に獣みたいな声で呻くだけだった。ついでにやたらめったら寝返りを打つが、だんだんと眩暈がしてきた。[lr]
――これは本格的にヤバいかもな。[lr]
薬は効果を示さない上、人を呼びに行くこともできない。そして保健室に用があるヤツといえば、病人か怪我人。[r]
熱で前言語野辺りがイカれたのかもしれない。俺は内側から湧き起こる熱に獣みたいな声で呻くだけだった。ついでにやたらめったら寝返りを打つが、だんだんと眩暈がしてきた。[lr]
――これは本格的にヤバいかもな。[lr]
薬は効果を示さない上、人を呼びに行くこともできない。そして保健室に用があるヤツといえば、病人か怪我人。[r]
万が一、来てくれたところでちょっと看病してくれなどとは口が裂けても頼めない。[pcm]
@playse storage="d05.ogg"
@ws
「遅すぎますよ、先せ……?」[lr]
@playse storage="gun2.ogg"
「みのるだいじょうぶっ!?」[lr]
[mizu f="驚き" pose=3 pos=c b=5]
ばんっと扉をスライドさせて飛びこんできたのは、小柄なツインテール。[lr]
「みずき? お前、怪我でもしたのか?」[lr]
@ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=3a m=10
「人の心配より自分の心配するっ!」[lr]
起き上がろうとした俺を、みずきが胸を押して突き倒した。[lr]
[mizu f="真顔" pose=3 pos=c]
「おっけーおっけー、このあたしが来たからには、全部任せときなさい。風邪なんだっけ? まずはアレから、と」[lr]
手慣れた所作で救急箱を漁ると、みずきは体温計を取り出した。[pcm]
[mizu f="笑顔" pose=2 pos=c c=1]
「脱ぐっ!」[lr]
にっこり微笑みながらも超弩級ストレート。もう少し女の子らしくというか、貞淑な言い方はなかったのだろうか。[lr]
「脱ぎ脱ぎしましょーねー」[lr]
「わ、こら、自分で脱ぐからっ!」[lr]
なけなしの力で抵抗する。フリをして、俺はみずきが脱がしやすいように身をよじった。[lr]
みずきは物真似鼻歌を歌いながら二の腕に手を添えて体温計を脇に挟みこませると、[lr]
[mizu f="真顔" pose=2 pos=c]
「じゃ、このままね」[lr]
再び救急箱を漁り始めた。[pcm]
「みのるのとこの風邪薬って、確か成分の半分が激しさなヤツだよね」[lr]
「ああ、それだ」[lr]
奇抜なCMで話題になった強烈な総合感冒薬だ。とりあえず飲んでおけば大抵の病気に効く。[r]
@ws
「遅すぎますよ、先せ……?」[lr]
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「みのるだいじょうぶっ!?」[lr]
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ばんっと扉をスライドさせて飛びこんできたのは、小柄なツインテール。[lr]
「みずき? お前、怪我でもしたのか?」[lr]
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「人の心配より自分の心配するっ!」[lr]
起き上がろうとした俺を、みずきが胸を押して突き倒した。[lr]
[mizu f="真顔" pose=3 pos=c]
「おっけーおっけー、このあたしが来たからには、全部任せときなさい。風邪なんだっけ? まずはアレから、と」[lr]
手慣れた所作で救急箱を漁ると、みずきは体温計を取り出した。[pcm]
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「脱ぐっ!」[lr]
にっこり微笑みながらも超弩級ストレート。もう少し女の子らしくというか、貞淑な言い方はなかったのだろうか。[lr]
「脱ぎ脱ぎしましょーねー」[lr]
「わ、こら、自分で脱ぐからっ!」[lr]
なけなしの力で抵抗する。フリをして、俺はみずきが脱がしやすいように身をよじった。[lr]
みずきは物真似鼻歌を歌いながら二の腕に手を添えて体温計を脇に挟みこませると、[lr]
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「じゃ、このままね」[lr]
再び救急箱を漁り始めた。[pcm]
「みのるのとこの風邪薬って、確か成分の半分が激しさなヤツだよね」[lr]
「ああ、それだ」[lr]
奇抜なCMで話題になった強烈な総合感冒薬だ。とりあえず飲んでおけば大抵の病気に効く。[r]
キャッチフレーズそのままの強烈な効き目だが、凄く眠くなるのがネックだ。あまり服用したくないが、この際仕方あるまい。[lr]
「じゃ、これで。大人は一回三カプセル、と」[lr]
ぱちぱちとカプセルを弾き出すと、[lr]
「お水汲んでくるねー」[pcm]
@cl
@fadeoutbgm time=5000
俺に手を振るとみずきは廊下へ飛び出していった。扉が閉まる音に続き、足音が遠ざかってゆく。[lr]
後には静寂だけが残された。振り返していた手が対象を失って落ちる。その、ぱたり、というかすかな音さえもが聞こえた。[lr]
やがて火照った息づかいを聞いているうちに、ふと頬に浮かんでいた笑みに気づいた。[lr]
幸せ、なのだろう。間違いなく。病気のときに心配してくれる人は大勢いる。[r]
ぱちぱちとカプセルを弾き出すと、[lr]
「お水汲んでくるねー」[pcm]
@cl
@fadeoutbgm time=5000
俺に手を振るとみずきは廊下へ飛び出していった。扉が閉まる音に続き、足音が遠ざかってゆく。[lr]
後には静寂だけが残された。振り返していた手が対象を失って落ちる。その、ぱたり、というかすかな音さえもが聞こえた。[lr]
やがて火照った息づかいを聞いているうちに、ふと頬に浮かんでいた笑みに気づいた。[lr]
幸せ、なのだろう。間違いなく。病気のときに心配してくれる人は大勢いる。[r]
けれど自分の時間を投げ打ってまで看病してくれる、そんな人は数少ない。いや、いない人もいるだろう。それを考えれば、俺は幸せだ。[lr]
これからも支えてやろう。素直にそう思った。[pcm]
――支えられてるのは、俺の方かもしれないけど。[lr]
他ならぬ自身のモノローグに水を差されて苦笑する一方、首をかしげずにはいられなかった。みずきはどうやって俺の風邪を知ったのだろうか。 [pcm]
――支えられてるのは、俺の方かもしれないけど。[lr]
他ならぬ自身のモノローグに水を差されて苦笑する一方、首をかしげずにはいられなかった。みずきはどうやって俺の風邪を知ったのだろうか。 [pcm]
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