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ヒロインがヤンデレのギャルゲみんなで作ろうぜ!

ひめファイヤー

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kawauson

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hime0208_1|ひめファイアー

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[cm]
@bgm file="aruhiA.ogg"
@texton
 午前の授業を終え、いつもどおり昼食を摂るために食堂にやってくると、まだ昼休みが始まった直後だというのに、上級生の集まりがそこにいた。[lr]
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 そしてその集まりの中心には、見慣れた人物。我が姉が座っていた。[lr]
「…………随分早いなぁ」[lr]
 今日はうちのクラスの授業がいくらか早く終わったから、サボり組を除いて自分が食堂一番乗りだと思っていた分、びっくりした。[lr]
 が、しかし。よくよく考えてもみれば、必死に国立の一般入試に向けた勉強に勤しんでいる一部の上級生を除けば、すでに自由登校となっている人たちだ。授業がしっかり行われているのかどうかも疑わしい。きっと、授業などあって無いようなものなのだろう。[pcm]
 普段、姉さんを学食で見かけると、一緒に昼をと誘うのだが、姉さんと友人たちの交流の中に割って入るのも無粋なので、今日は一人でお昼を食べようかと思いつつ食券の販売機まで歩いていくついでに、ちらりと姉さんのほうを盗み見る。どうやら、ご学友たちとお菓子の交換会に興じているようだ。[lr]
 机の上には、学食や購買で購入したと思われるお菓子類が数十点。すべての袋が広く開け放たれ、それらを自由に手に取りつつ談笑を楽しんでいる。[lr]
 ふと。姉さんの手元に、少し前に大ブレイクした激辛スナックが置いてあるのを見つけた。[pcm]
「…………大丈夫かな?」[lr]
 心の中でそう呟く。[lr]
 姉さんはああ見えて味にはうるさい方なので、自分の舌の感覚を非常に大切にしている。だから基本的に、刺激の強いものは必要以上に大量に口にしないよう心がけているとも言っていた。事実、俺が食事を作ったときも、あまりに味付けが辛すぎると文句を言ってくる。[lr]
 しかしその割には、姉さんは俺の作る食事に味をそんなに期待している気はしない。俺も可能な限り上手に作るように試みてはいるが、やはり素人だ。伊万里のように必死に料理の練習をしたわけでもなければ、幼いころからの積み重ねがあるわけでもない。何故、姉さんが俺の作る食事に文句を言わないのかは不思議である。[pcm]
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 そんなことをぼぅっと考えながら見ていると、姉さんは笑いながらおもむろにその激辛スナックを手に取り、ひょいと口の中に放り込んだ。[lr]
@fadeoutbgm time=3000
「あ……」[lr]
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 その余りにも自然に行われた動作を、唖然としつつ見守った瞬間。姉さんは、まるで水を掛けられて驚いている猫のような表情でピーンと背筋を伸ばし硬直する。[lr]
 突然の姉さんの奇行に、周囲の学友も姉さんの異変に気づき、何だ何だという表情を浮かべている。[pcm]
 ややあって、姉さんがバッっと口を手で押さえる。と同時、[lr]
@bgm file="botu2.ogg"
[ld pos=rc name="hime" wear=u pose=1 b=9 e=9a m=11 c=1 t=2]
「にゃぁぁぁぁぁ」[lr]
 これまた猫みたいな悲鳴をあげた。[lr]
 誤って口にしたハバネロテイストなスナックが刺激的過ぎたのだろう。これ以上無いほど不思議な表情をして、悲鳴をあげてから再びしばし固まると、今度は火がついたかのようにその場でうろたえ始める。[lr]
「辛い! 辛い! やぁぁぁぁぁ」[lr]
 既に最初の硬直の時点で唖然としていた学友たちも、少し面食らった様である。が、一呼吸おくと、半分はどうやら本気で姉さんを心配して水だの何だのを与えている反面、もう半分ほどは姉さんの猫じみた表情とリアクションが受けたのか、大爆笑だった。[pcm]
[ld pos=rc name="hime" wear=u pose=1 b=9 e=2a m=10 c=1 t=1]
「みゃぁぁぁぁ」[lr]
 姉さんは更に猫化していく。目を丸くして口を逆三角に尖らせ、暴れまわるさまは、高級な飼い猫がひどく驚いた時のリアクションのようで、確かに可愛い。[lr]
[ld pos=rc name="hime" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=11 c=1 t=1]
「稔くぅぅぅぅぅぅん!」[lr]
 何故か名前を呼ばれる。ほのぼのと姉さんを眺めているところを、どうやら見つかってしまったようだ。暴れまわっているときにたまたま目が合っただけなのだが、姉さんは俺の姿を逃さない。[lr]
@cl
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=4 e=7a m=7 c=1 t=1]
「にゃぁぁぁ助けてぇぇぇ」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=11 c=1 t=1 size=L]
 友人を振りほどき、俺に向かって突進してくる姉。それをボディで受け止める俺。[pcm]
「ぐほぁ」[lr]
 姉さんの姿勢が低かったため、鳩尾の周辺に頭が当たり、ヒヤヒヤする。[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=7 c=1 t=1 size=L]
「稔くん! 辛い! 辛いの! 助けて!」[lr]
 こんなにうろたえる姉さんは久々にみるなぁ等とのんきに考えつつ、[lr]
「すいません、牛乳を一パック」[lr]
 とカウンター越しに立っていた食堂のおばちゃん相手に冷静に注文できる俺は、まぁいろいろと鍛えられているんだろう。普段の姉さんに。[pcm]
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「牛乳嫌い!」[lr]
 訴える姉さん。[lr]
「食通は好き嫌いしちゃいけません」[lr]
 却下する俺。[lr]
 そんな問答をしつつおばちゃんから牛乳を受け取ると、姉さんに手渡す。[lr]
「はい、飲んで。少しはマシになるから」[lr]
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 姉さんは早く辛さから逃れたい一心からか、もう観念したかのように牛乳を受け取り、ストローを刺してちゅーちゅーと飲み始める。[pcm]
 俺の胸の中で涙目になりつつ牛乳をパックからちうちうと吸っている姉さんの図は、相当にシュールなのだろうか、姉さんのご学友たちが十人十色な目でこっちに送ってくる視線が痛い。[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=4 e=8a m=9 c=1 t=1 size=L]
 姉さんは牛乳を半分くらい飲んだところで、ストローから口を離す。[lr]
@fadeoutbgm time=1500
「マシになった?」[lr]
 俺の問いかけに、姉さんはすんすんと軽い嗚咽を漏らしつつ、首を縦に振る。[lr]
@bgm file="aruhiA.ogg"
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「…………びっくりした」[lr]
 そう言って姉さんは、俺の胸に顔をうずめる。涙目で嗚咽も聞こえたが、びっくりした拍子に涙が出ただけで、本格的に泣いている訳では無いようだ。じきに直るだろう。[pcm]
 よしよし、と姉さんをあやす一方で、そろそろ本格的に姉さんのご学友達による視線が辛くなってきた。[lr]
 よく見ると、先ほど姉さんに水を与えたりしていた半分は心配そうに姉さんを見ており、残りの半分は明らかにニヤニヤと俺を見ていた。[lr]
 好奇の目線で眺められるのは、はっきり言って不快ではあるが、上級生であると同時に姉さんのお友達である方々には何も言えない。[pcm]
「姉さん、舌の具合はどう?」[lr]
 自分の気分を紛らわせる意味も含めて聞くと、姉さんはポケットからハンカチを取り出し顔を軽く拭いてから口元にそれを当てて、[lr]
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「うん、大丈夫。ありがとう、稔くん」[lr]
@cl
 と珍しく殊勝な面持ちで言うと、もう一度だけ俺のお腹に顔を押しつけて友達の所へと戻っていった。[pcm]
 姉さんにしては珍しくあっさりとした態度だったが、それと同時に俺への視線が一切無くなり、代わりに友達の元に戻った姉さんを冷やかす声が聞こえてくると、もしかしたら姉さんは俺が嫌な思いをしないために俺の元を離れていったのかもなどと思った。[lr]
「姉さん、ありがとう」[lr]
 小さな声でそう呟く。今日は姉さんのために、久々に気合いを入れた晩ご飯でも作ろうかな、等と考えつつ、食欲が吹っ飛んでしまった俺は食堂を後にした。[pcm]



@fadeoutbgm time=2000
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@wb
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[s]



hime0208_2|ハンバーグ大作戦

@bg file="ribing_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
[cm]
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 姉は怠け者だ。[lr]
 以前はきちんと家事も出来ていた――多分今でも出来る――のに、いつ頃からか家事は完全に俺の仕事になってしまった。[lr]
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「稔くーん、今日の晩ご飯何ー?」[lr]
 ……まるで俺は主夫だ。[lr]
 姉さんはリビングのソファでゴロゴロしながら雑誌を読んでいる。きっとまた数日中に、フリルで着飾られたお召し物が、宅配便で届くに違いない。[lr]
「姉さん、たまには姉さんも手伝ってよ……」[lr]
 無駄だと分かりつつも、多少の文句は言っておく。[pcm]
「この間手伝ったよー」[lr]
 姉さんは雑誌から目も離さずに、豪奢なフリルから覗く細い両足をぱたぱたさせながら返事をよこした。[lr]
 この間って、一体いつの話だろうか? 一週間? 二週間? 良く覚えていない。[lr]
 不毛な事を思い出すのに頭を使っていると、段々と理不尽な気がしてきた。[lr]
 いや、以前から思ってはいたのだ。理不尽だと。[lr]
 確かに、姉さんのお世話をするのは嫌いではない。だがしかし、あまりにも毎日俺ばかりが仕事をしていると、それはなんだかもう俺が執事みたいだ。[pcm]
 だからたまには、姉さんに仕返しをしてやろうと、魔が差したのかも知れない。[lr]
「姉さん、あんまり我が侭言うと、晩ご飯を姉さんの嫌いなハンバーグにするよ?」[lr]
 湧き出てくる理不尽感に背中を押されつつ、ちょっと軽い気持ちで言ってみる。[lr]
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 すると途端、飛び上がるように姉さんがソファから身を起こした。[lr]
 何という効果覿面。飛び上がった姉さんは、何故かとっても可愛い女の子座りでこちらを凝視している。[lr]
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「ハン……バーグ!?」[lr]
 心なしにやけているようにも見えるが、やっぱり微妙に涙目な姉さんが、猫みたいな表情でこっちを見ている。[pcm]
 ちょっとからかっただけなのに、ここまで効果があるとは。なんだかそれはそれで気の毒な気がしたのは、やっぱり俺が姉さんに甘いせいなのだろうか。[lr]
「冗談だよ。姉さん、ハンバーグ嫌いだも」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=7 e=1a m=9]
「食べる」[lr]
「んね…………って、え?」[lr]
「ハンバーグ。私、食べてみせる」[lr]
 無駄に決心を見せつける姉。[lr]
「いや、姉さん、子供じゃ無いんだからそんな……」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=7 e=7a m=11]
「食べるの!」[lr]
 夕飯がハンバーグに決まってしまった。[pcm]

@cl
@bg2 file="syoutenngai.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500

 そんな訳で、ハンバーグの材料を買うため、姉さんと一緒に商店街へとやってきた。[lr]
;↑1行追加
「姉さん、別に無理しなくても……」[lr]
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「いいの。私、ハンバーグ好きだから」[lr]
 嘘だ。姉さんは、その昔はハンバーグ好きだったらしいが、ある時からハンバーグを食べなくなった。[lr]
 どうしてか原因は知らないが、大方姉さんの事だ。子供っぽいとか、そんな理由なのかも知れない。[lr]
――今でも十分、子供みたいな体型なのに、というのは黙っておこう。[pcm]
 そしてきっと、自分に「ハンバーグが嫌い」という自己暗示を掛けている間に、本当に嫌いになってしまったとか、そういうオチなのだろうと思う。[lr]
 真剣な顔で買い物に臨む姉さんの顔を見ながら、そんなことを考えたりした。[lr]
;↑原文 ハンバーグの材料を買うために商店街へとやってきて、真剣な顔で
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=2 e=1a m=5]
「おじさん、合挽、800グラムちょうだい」[lr]
 そんなことを考えている間に、姉が無茶な注文を始めた。[lr]
「姉さん、挽肉の量が多いって!」[lr]
 一体俺に、何人前を作らせるつもりなんだろうか。[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=2 e=8a m=8]
「いいの。私が沢山食べるから」[lr]
 きっと沢山食べるのは俺だ。[pcm]
「いや、姉さん、物事には適量ってものが……」[lr]
「じゃあ、余ったらいっちゃんにお裾分けする」[lr]
「ああ……伊万里の晩ご飯が勝手に決まっていく……」[lr]
 哀れ伊万里よ。早めに声を掛けてやらないと、家の晩ご飯に加えて、あいつの大好物なハンバーグをおなか一杯たいらげる事になってしまう。[lr]
 なんだか可哀想な気分になった俺は、携帯電話を取り出す。[lr]
 が、何故か姉さんがそれを制止した。[pcm]
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「稔くん、どこに電話するの?」[lr]
「伊万里に決まってるよ。晩ご飯に呼んでやらないと」[lr]
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「駄目。いっちゃんは後で余ったら食べさせてあげる」[lr]
「な、なんで? 伊万里が気の毒すぎるよ?」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=9 e=7a m=9]
「……いっちゃんに、私がハンバーグ食べてるの見られたくないの」[lr]
 意味不明な理屈で、伊万里の体重が増えることが確定してしまった。[pcm]

@cl
@bg2 file="ribing_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500

 で、結局作るのは俺一人なのだ。[lr]
 多少の上機嫌で買い物から帰るなり、姉さんは部屋に籠もってしまった。[lr]
 多分、夕食の時間まで引きこもっているつもりだろうと思う。一体何をやっているんだか。[lr]
 後々、伊万里にお裾分けすることも頭に入れつつ、大きいハンバーグを幾つか作るのではなく、可愛いサイズのハンバーグを大量に生産することにした。[lr]
 冷凍食品のお弁当様ハンバーグよりは多少大きく、大体姉さんの口で三口、といったところだろうか?[lr]
 我ながら良い出来である。[pcm]

@bg2 file="ribing_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1000

「いただきます」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1]
「いただきます」[lr]
 夕食が始まった。[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=7 e=7a m=9]
 姉さんはハンバーグを、俺は姉さんを凝視している。[lr]
「…………」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=8 e=8a m=9]
「…………稔くん」[lr]
「何? 姉さん」[lr]
「……どうしてお姉ちゃんを見てるの?」[lr]
「いや、何となく」[lr]
 それはまあ、自分の作った料理に対するファーストインプレッションは気になるわけで。[pcm]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=7 e=7a m=7 c=1]
「向こう向いて、目をつぶりなさい! お姉ちゃん命令!」[lr]
 また謎の命令がやってきた。[lr]
「稔くん!」[lr]
「分かった、分かったよ。そんなに嫌いなものを食べるところを見られるのが嫌?」[lr]
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「いいから、早くしなさい」[lr]
 理不尽すぎる。何もかもが。[lr]
 が、特にここで姉さんの機嫌を損ねても良いことは無いので、おとなしく後ろを向いて目をつむった。[lr]

@cl
@bg file="black.jpg" rule="上から下へ"

「……はい、これでいい?」[lr]
「…………それじゃあ、食べるからね? 稔くん」[lr]
 そう言いながら、姉さんが箸を使う音が聞こえる。[pcm]
「…………………姉さん?」[lr]
「…………………」[lr]
 返事がない。ただの伊万里のようだ。[lr]
「…………姉さん、姉さん?」[lr]
「………………な、何? 稔くん」[lr]
 伊万里ではなく姉さんだった。そりゃそうだ。[lr]
「もう良いかな? 俺もお腹が減ったよ」[lr]
「も、もうちょっと!」[lr]
 一体何がもうちょっとなのかは心底疑問だが、特に考えないことにした。[pcm]
 もうしばらく無言で待っていると、「もういいよ」、と姉さんがかくれんぼみたいに言うので、俺は前に向き直った。[lr]

@bg file="ribing_y.jpg" rule="下から上へ"

 テーブルに向き直ると、意外な光景が待っていた。[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1]
 驚いたことに、姉さんはお手製ミニハンバーグを、お皿にのせた二つ分、全て平らげていた。[lr]
 それどころか、おかわり分の更に乗せたハンバーグにも手を付けようとしている。[lr]
「姉さん……ハンバーグ食べられたんだ?」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=2 e=7a m=11]
「こら、稔くん! 大人の女はね、好き嫌いなんてしないの」[lr]
 子供な姉さんが、人差し指を立てながら、めっ、のポーズで俺を叱る。[pcm]
 その仕草がなんだか可愛かったので、なんだかもうどうでも良くなってしまい、自分も食事に取りかかることにした。[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1]
 そしてその後姉さんは恐るべき事に、更にハンバーグを食べた。[lr]
 好き嫌いが多少は直ったのだろうか? 少し嬉しそうにハンバーグを食べてくれたので、こっちも作った甲斐があるというものだ。[lr]
 ちなみに、ハンバーグはやっぱり余った。当然だ、量が多すぎる。[lr]
 今考えれば、焼かずに生のまま冷蔵庫に保存すれば良かったのだ。哀れ伊万里。[pcm]
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「うーごーけーなーいー」[lr]
 食事の後、姉さんはリビングのソファで手足を緩慢にばたつかせながら、そうのたまった。[lr]
 嫌いだった割には、結構な量のハンバーグを食べていた。元来小食なのだから、それはお腹もふくれるだろう。[lr]
「みーのーるーくーん! 部屋まで抱っこして~」[lr]
 何という怠け者。が、結局姉さんの我が侭に付き合ってしまう辺り、やはり弟は弱いのだ。[lr]
「はいはい、じゃあ姉さん、背中乗って」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=9 e=7a m=11]
「……背中?」[lr]
 何故ここで疑問符付きの質問を返されるのだろうか。[pcm]
「背中、おんぶ」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=9 e=8a m=11]
「嫌、抱っこ」[lr]
「…………姉さん」[lr]
 本当に子供ですかあなたは、と言いたいが、言うと主に子供というワードに反応して確実に機嫌を損ねるので、大人しく従う。[lr]
「じゃあ、背中に手回すよ?」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=1 e=3a m=6 c=1]
「うん」[lr]
 姉さんは軽かった。[lr]
 食べ過ぎてても軽かった。[lr]
「えへへ、お姫様抱っこ」[lr]
 姉さんは、屈託無く笑う。[lr]
「姉さんの服、相変わらずフカフカだね」[lr]
 ふわふわのお姫様みたいだ。[pcm]

@cl
@bg file="genkan_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 階段を上る。姉さんを部屋に届けたら、今度は風呂を入れなくてはいけない。[pcm]

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 まさか風呂に入るときまで、俺に抱っこを要求するんじゃないかと危惧しつつ、フリルのお姫様を部屋まで送り届ける。[pcm]

@bg file="black.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 姉さんを部屋まで運んだ後、俺は伊万里を呼んだ。[pcm]

@bg file="ribing_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=6a m=8 c=1 t=1]
 三度の飯よりもハンバーグが好きな伊万里は、体重が体重が等と呪文の様に呟きながら、ミニハンバーグをひたすら食べていた。[pcm]



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@cl
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