王子様と雪の夜【おうじさまとゆきのよる】
私があの人を気になり始めたのは、初めて二人きりで話した時。「かわいい」って言ってくれた時から。誰にでも言ってるんだろうけど、今の私にそんな事言うのってこの人ぐらいかなって思って。
「シタンツくーん、何か面白い事やってよー」
「公輝ー、瑠璃ちゃんがいじめるー!」
「公輝ー、瑠璃ちゃんがいじめるー!」
気になりはじめてから、ああやって瑛士君をいじる事さえできなくなった。なんて、少し瑠璃が羨ましくなったりして。
「瑛士君好きなの?」
「…へっ?いやいや、んな訳ないじゃん!」
気が付くと凜が横にいて、ニヤニヤしながら私を見てる。今までは逆だったのになぁ。って、なんでこんなに焦ってるんだろ。
「ふーん…ずっと見てるから好きなのかと思っちゃった」
「いや、見てな」「瑛士君優しいもんね、仕方ないか」
「いや、見てな」「瑛士君優しいもんね、仕方ないか」
全部分かってるようにニコっと笑い凜は愛美ちゃんの所へ走って行って何かを耳打ちすると、何故か愛美ちゃんが私のそばにきた
「聞いたよー、瑛士好きなんだってー?」
絶対そうだと思った。パッと凜の方を見ると満面の笑みで手を振っていた
「好きって言うか…」
分からないんだよね実際。気になるのは気になるけど、これが好きなのかどうか。
「王子様に見える?」
「へ?王子様?」
「あんなヘラヘラしてて、女好きで、ヘタレでも王子様に見える?」
「王子様…」
「へ?王子様?」
「あんなヘラヘラしてて、女好きで、ヘタレでも王子様に見える?」
「王子様…」
愛美ちゃんの言葉に瑛士君の方を見ると笑顔でこっちを見て手を振って近づいてきた、え…やだ恥ずかしい…。
「愛美ちゃーん、やっほー」
…ムカつく、
「…もうっ!ほんっと空気読めないね瑛士!」
ほんと空気読めてない、ムカつく、…愛美ちゃんは漫画みたいにプリプリ怒って公輝君の所へ、私もどっか行きたい。
「うあー…ことりちゃん、ことりちゃんは味方だよねー?」
ムカつく、何が
「どこが王子様だよ!」
終わり