ばいばい【ばいばい】
「りょーまん、ありがとうね」
大好きな人にさよならを告げる。笑えてるかな、わたし。
最後まで何も言わないのは優しさかな?
「じゃ、みんなばいばい」
精一杯の笑顔で言う、油断したら泣いちゃいそうだしね。背中を向けて深呼吸、ゆっくり歩いて、静まり返った楽屋を出る。
「ナナカちゃんどこ行くねん!」
せっかく堪えてたのに、もう。
涙、止まらない、背中から回された手に涙こぼしちゃった。
涙、止まらない、背中から回された手に涙こぼしちゃった。
スズカはよく泣く、メンバーの中で一番涙もろいと思う。あ、ダメンズ抜きにしたらの話ね。
涙は見せられへん。だから、振り向かない。
「スズカありがとう。…スズカはあたしに無い物を持ってる、きっと…きっと、スズカなら。」
スズカの腕を引っ張り前から抱きしめる。こそっと耳打ち。…本間ありがとうみんな。
「ナナカちゃん…」
「では、みんな!元気でな!」
涙を拭いぱっと振り返る、みんな相変わらずの暗い顔。やめてよ、辛気くさいな…なんて本間はめちゃくちゃ嬉しいよ!
大好きだよ、みんな。
『スズカ、あたしはりょーまんが好き。だけど、しょうがないから…この勝負はスズカにゆずるわ、ふふ。なーんて、本音はスズカに勝てないから潔く私は諦めます!いつか、スズカの恋バナ聞かせてね?私も負けないぐらいの恋探す!その時は、私が勝つから覚悟しといてや?』
(りょーまん、一度でも選んでくれてありがとう)
(スズカ、りょーまんを頼むな)
(スズカ、りょーまんを頼むな)