薔薇乙女、薔薇咲く森を駆ける ◆Z9iNYeY9a2
「う、嘘ですよね…、金糸雀…?」
明かりは手元にある懐中電灯のみ。
深夜の暗闇の中で緑色の薔薇乙女、翠星石は呟く。
最初の場所で青い狸に爆殺された、同じローゼンメイデンにして姉である金糸雀。
この前までは家に襲撃にしてきたり何かと騒ぎに家にやってきたり、とても鬱陶しいやつだと思ってた。
だが、いずれアリスゲームで戦わなければいけない運命にあったとしても、そんな日々が楽しかった。
信じたくはなかった。
もしかしたら嘘だと、思い込むこともできたかもしれない。
きっとあの時死んだのは金糸雀によく似た人形なのだと。
なのに、手元で紅く煌くのは、
「どうして、こんなところに金糸雀のローザミスティカがあるですか…!」
他でもない、その金糸雀の命の証、ローザミスティカだった。
それを見ては、もう信じるしかなかった。金糸雀の死を。
そして信じた途端、青狸に対する怒りより悲しみが襲ってきた。
「どうして…、どうしてですか!!金糸雀…、金糸雀ぁ…」
それがアリスゲームに敗北したのであれば、納得できただろうか。
そんなこと今の彼女には分からない。
ただ一つ言えるのは、金糸雀の死が決して納得のいくものではないということだ。
「助けてドラえもーん!!!」
悲しみにくれる翠星石の元に聞こえてきたのは、おそらく少年らしき者の叫び声。
切羽詰った、助けを求めているであろう声。そこで呼ばれた名前さえなければ、そのまま聞き逃してしまっただろう。
「ドラ、…えもん…」
「ドラ、…えもん…」
ドラえもん。
その名前は聞いたことがある気がした。いや、気がした、などというものではない。
あの青狸は確か自分の名前をそう呼んでいなかっただろうか。
では、あの声の主はそのドラえもんの知り合いなのだろう。
「…許さない、です」
金糸雀の命を奪ったあの狸の知り合い。
それが近くにいる。
怒りに燃える翠星石は、ローザミスティカを手に立ち上がる。
「金糸雀…、お前はうっとおしくて家に来ては騒ぎまくるやかましいやつでしたけど。
この翠星石が仇くらいはとってやるです…。だから、見ているですよ」
そして、歩き出そうとした瞬間。
「む…、人形…?」
背後から声が聞こえた。
不意打ちであったこと、この場が殺し合いという場所であったこと、そして手元にいつも持っているはずの如雨露が無かったこと。
それらの要素により、驚いた翠星石は持っていたデイバッグを声の主に咄嗟に投げてしまう。
「おっと…」
だが、それはあっさり受け止められる。
ここで不幸だったのはお互いだろう。
もし翠星石が警戒のあまりバッグを投げなければ。もし相手が背後から現れなければ。
もし、相手が、”そんな格好”をしていなければ。
まだ穏便な遭遇だっただろう。
だが現実は違った。
バッグを投げると同時、背後の人間を目に止めた翠星石は、予想外の光景に目を見開いてしまった。
学生服らしきブレザーを着た男。
そこまではいい。
その下半身。本来であればズボンが履かれているはずの部位。
何も着けていなかった。
いや、着けてはいた。申し訳程度に股間に乗せた葉っぱ。
そして、その葉っぱも、翠星石がバッグを投げた衝撃で地面に落ち―――
「「あ」」
____ ___ _ _ _ _ _ _
 ̄|「 ||_l|l二 |l / l| /∩||L》 || |「ヽ
|| .|| ̄l|l_ |レ l|/ |U」|「lL|l_|L,ノ
_ ┌ n /7 _
| | ヘ 「ト L|ム//) .__ ┌┘└┐
| |__ く ゝ) _ へ人 ヘ∠ | _ . | ニニ! !ニニ
| __| て彡 | ハ `┤フ⌒ヘ⊃ |. |_|. |└‐┐┌┘
._ . | | | ヘ .| ノ |-イ_ - 不ーーイ | _ . |i二二 二i
.| | | | |\ ⌒\ .Y / √ /イ \二彡 |. |_|. |┌、 .| 「
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|________| ーへ //⌒>イ.( ヘ 入 /  ̄ ̄ ヽ |
\《 / / |ヘ ノ </ーイ  ̄
ヽヘノ へ ヘ√ | |
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┌─┘└─┐ i (^"^)\ ゝ <イヘ|
└─┐┌─┘ |/ ヽイ⌒ -イヘ ヽヲiヘ
. , ─┘└- 、 / /ヽヒ/ / ヽ / フ⌒( ヘ
イ と‐┐┌- .,/ / ん )ヘ ( <⌒ へ トノ
ゝ,  ̄ ノ / )/ \ヽ人 ⌒) )イムi )
 ̄ ん / √ イイヘムイ
| ) ( n /彳ヲ/ミヲ | ヘ
._ イ(⌒) ヒ > / (\ (彡ヘ _
._| |__ ,.-‐.、 .| イ Eイ イ | ヘ ) mm7. | |
|_ .// イ .| ) ( < イ ヽヘ ヘ ゝ | └─┐
/ / | | へイ |ア~ヘ く ヘ人 | ┌─┘
/ / | | 入ノ \_/ヘ ヽ|_\へ | |
|__.....| | レイ // | ノ) へ ヘii| , ─┘└- 、
.| | | / ∠_/ んゝ\ イ と‐┐┌- .,/
.| | ゝ-イ  ̄ ゝ,  ̄ ノ
. ̄  ̄
※AAはイメージです
時間が止まった。
そして数十秒後。
| / ̄ヽ _ ゝ、 V ! /  ̄ _ _ / イ ノ
├ -、./ / \У { rー 彡 i / /
/ ヽ .ノ ,,;;;;; / `ー ヽ ,;;;{彡" ノ r=≠ <
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,,;/ ( i\/,/ ,;;人 _Y⌒廴 _ _i;;,,, _ V/彡.// r=;;/
,;;;/ `ヽ ;! i ヽ ;;{三jミ:i )彡=)) Y彡/),,;ノ
! _ __,, ハ j !ii 》.\ V三 \_____,_<三 / / ̄ { ノ
/ノ ii .}Y ,,,,) /;;,, ;; ..,,,..,;;::;;.../,__/__ z< rイ<そして時は動き出す…
/;;;;;;;;;;;;;;;;l人i! / 人≧;;} ノ;;;; ,, ̄,,;;_zz彡{ミツ {ゝ
<;;;;;;;;;;;;;;;;;(( ノj /ヽ`ー'ミi;,,,i,i,<_-zz≠三ニ Уイ/ /}
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ヾ;;;;;;;;;;;/i;;;|......::::: /::.. :::::::: ̄. ̄ ..:/ノ ..イ /
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※AAは(ry
「くぁwせdrftgyふじこlp?!?!?!?!?!?!」
もはや言語に変換することができないような言葉を喚きつつ、その行為の危険性を省みることもなく背を向ける。
もし相手が殺し合いに乗ったものであったなら。背を向けること、あまつさえ己の支給品を投げることがどれほど危険か。
などと考えられる余裕など、今の翠星石には存在しなかった。
「ぎゃあああああああああああ!!!へへへへへ変態が出たですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
「あ、ちょっと!!」
「真紅うううううううう!!蒼星石いいいいいいい!!助けてですぅぅぅぅぅぅ!!」
視界をグラングランさせる勢いで走り出す翠星石。
顔は真っ赤に染まり、頭からは湯気に見えなくもないものが沸いているようにも見える。
この瞬間、この時、彼女はあのドラえもんという青狸に感じた怒りを、姉を失った悲しみを忘れていた。
ここが殺し合いであるということも、視界をはっきりさせず走り回ることの危険性も。
◆
キル夫は刀を振るい、安部の接近を妨げるように動く。
確かに目の前の男は斬りごたえがありそうな獲物だ。
だが、同時にそこそこの身のこなしができる者でもある。
あくまでも楽しむのは自分なのだ。相手ではない。
そして、キル夫の生き物としての直感が告げていることがあった。
目の前の男は、色んな意味でやばい、と。
もし、油断などして相手に手玉にとられるようなことがあったら話にならない。
そして、もし敗北することがあれば、そこにあるのは―――――
いや、想像するのは止めておこう。
とにかく、相手は素手。つまりこちらに攻撃するには拳や足が届く距離まで接近することが必要。
対して刀を持つこちらは相手の攻撃可能距離外から攻めることができる。武器とは元来そういうものだ。
それに対し、安部は刀を慎重に避けつつ、隙をうかがっている。
素手で拳を握って構えているが、こちらに踏み込んではこない。
下手に手を出せば、その手の刀で斬りつけられることが分かっているのだ。
一見均衡しているように見える戦い。しかしキル夫は時間を掛ければ不利になるだろうと感じ取っていた。
相手は素手であり、こちらは武器、日本刀持ち。しかしこの刀、それなりに重いのだ。長時間振り回すと疲労が溜まる。かといって受けに回れる武器でもない。
それに素手の殴り合いとなってしまえば、きっと阿部の方に分がある。これを手放すのは愚策。
だったらどうするべきか。
決まっている。敢えて隙を作り相手を誘い込むのだ。
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/ (トェェェェェェェイ) |
| ヽェェェェェ/ |
\_/⌒ヽ、-- .._ ,/
| イ ` ̄ヽ
ヤ/‐<__ ,..、 ヽ.
| ゝ、 ゙.
', |ヽ, トヘイ´>
', |ヘトイ「」"´
ヤ {〉、<"
j トメヽ>
/ | スチャ…
. イ./ |
イ ,.イ. |
. イ . イ´ / / |
ト、_ イ / /´l" |
/ / | |
ある程度の距離をとったキル夫は、日本刀を持ち直して構える。所謂居合いというやつだ。
,..-―-..、
/::::::::::::::::::ヽ
if`ニノリ"ニ1|
(|| ェェ ェェ ||)
__∧ l ∧―‐- 、 へえ、一撃で決めようってか。いいねえ、男は度胸、何でもやってみるもんだ。
/ ∧ ― / ヽ _/ ̄`ヽ
,.-'´ ヽ--‐' // ヽ
/ `ー、 ̄"''‐- 、 ,.-''´ ヽ ヽ
/ >-‐‐' i `、
/ ! __ Y _,,..-‐''" ニ=‐''´ )
/ -‐''"/ヽ ,.-''"´ ___ ,,..-‐''´
.! /、 ヽ--/ , -‐'"´/: : : : : ヽ
,' i ./ ヽ. 〈l_l r_‐′`¨ /:/: : : : : : :i
, ' _l ,-/ ∧ `¨´ /: l: : : : : : : :|
i | / 〉、_i___i_./: : |: : : : : : : |
| ! ヽ /: : : : : : : : : /: : : |: : : : : : : |
| !_,,..-''"´、: : : : : : : : /: : : : !: : : : : : :.l
. ! ,': : : : : : : :ヽ: : : : : : : : : : : :i: : : : : : :|
/:', i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : |
/: : : ヽ l: : : : : : : : : : : : : __: : : : : : :,l: : : : : :.|
. /: : : : : : :.', l: : : : _,,..-佳圭ミx、 `"''‐''" .l:_:_:_:_:_:|
l: : : : : : : : i ヽ''": : : :.l圭圭圭≧y /圭云x、
ヽ: : : : : : : | ヽ-'''"´ ヾ圭圭≧、
ヽ: : :_ノ-ヽ l l l l_|
 ̄ ̄
対して阿部は、うかつに近づかないよう警戒し、慎重に様子を探っている。
恐らく、キル夫はこの一撃を外せば阿部に接近を許し、至近距離からの攻撃を受けることになるだろう。
だからこそ、絶対にこれで仕留める。
居合いといっても待ちの姿勢でいる必要はない。こちらから斬りにかかることも可能なのだ。
だからもう数秒、阿部が動かなければ間合いをこっちから詰めるつもりだった。
だが、阿部はこっちに向かって走ってきた。真っ直ぐに、それもおそらく全速力で。
バッグに手を突っ込んでいる。何かを出すつもりなのだろう。だがさせない。それより早くその鍛え上げられた体を輪切りにする。
と、バッグから出てきたのは武器でも受け止められそうな道具でもない。ただの布。
どうやら出すものを間違えたのだろう。そのまま刀を抜き、全力で、体に叩きつけるように振る。
布などに切れ味を落とされないように。
(獲った――――)
そしてキラリと輝く刀身がその肉体を切り裂く、その瞬間。
ヒラリ
「なあっ?!」
刀の軌道が大きく反れた。まるでバッファローを避ける闘牛士のように。
その一撃に全力をこめていた。そしてその直前まで、確実に殺ったと確信していたキル夫。
あまりに予想外、いや、物理的性質を超越したかのような現象に、対応することができない。
そして。
うおおおおおおおおおおおおおお!! | し-r┴-、 ノ l! 彳
Y/ l ヾ '',ノ ;..八`ー'' l
|! _|;_ : ;./ ,}! -= )
―――――― | ;l; : / / ,′
―――,,, --''''" _-―  ̄ ──── | ;|;; : | ,′ ,. /
,,, --''''" _(  ̄ ─ .| f T . 」 ./ / / /
( "''''--,,,,_ ―  ̄ _  ̄  ̄ ─ L j r‐.V /
"''''--,,,,_ ―  ̄ _ ――――――  ̄ - __ム二二 ´ \∧ ,/
--''''" _-― ,,, --''''" _-―  ̄ ────── ̄ ──_ ─ // ヽ,У
( ――――――  ̄ - ─── :/;′ ,ヘl!
''--,,,,_ ―  ̄ ―"''''--,,,,_ ,,, --''''" _-―  ̄ ────_.二≡=/; Y; l
,,, --''''" _-―  ̄(  ̄ ̄ ̄ 三二≡ | ', |
( ―――――― "''''--,,,,_ ―  ̄ _  ̄  ̄__ 三≡1 ', |
,,, --''''" _-―  ̄ ────── ──── l;/ ;,| ; |
( ─__── ̄ ̄ / ;,./.| ; l
"''''--,,,,_ ―  ̄ _  ̄  ̄ . / / ; / ! ; l
/ ;/ | ; !
それを受けてキル夫は倒れ伏せた。
負けたのだ。と、頭より先に体が理解した。
「危なかったぜ。こいつが無けりゃ俺も死んでただろうな」
と、謎の布をバッグに仕舞う。
あれが何なのかという解説まではしてくれないようだ。
「さて、こうやって拳を交わらせあったんだ。俺達はダチだ」
「あ…何を…」
「それじゃあその証に、お前の初めて、頂くぜ」
言葉の意味を理解すると同時、全身に悪寒が走った。
だが逃げ出すことは叶わない。阿部は背中に覆い被さり、決して逃がそうとはしないのだから。
「じゃあ、行くぜ…!」
「や、やめ…」
「ですううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
止めようと声を出そうとした瞬間、後ろ――正確には尻側の方から少女らしき者の声と気配が近づき―――――
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i.::::! ロ V_/
\\仁! ||
`ヽ仁! _,__ ||
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ヽ`「ヽ、、,__,,_ノ∧|
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_,.-‐、/:. .:::::::::::/⌒ヽ、\:._ ゝ. {
r'‐、_r-' {:::::......_,.-‐‐‐-、く .::} l !:::.. l:. ノ
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.く /`⌒フ´/ .:/::::::r‐、_r、_:::::::.、 ヽ、! { / rゝ /::. _,- >
_/ `ヽ,r' .:.:::::i' i' :/ニ7二ニヽ、⌒)、! y' ,ノ i':. ...:'^⌒)':::::; '´ (_
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ヽ .:ゝ、__ .::ヽト、ヽ! ヽ、/( .::// /l::l:/ _r‐‐'´ ̄r' _r'
ト- .:.::{´ ヽ‐-l ヽヽ、___l/_ノ__.::/ー' ..::/'::/ /:::::. l‐'
ヽ、 r' .:::ヽ \ヽ‐く`ー-、__ ̄`ー--‐‐‐フ ' `}::::. j
/ヽー-! .:::ヽ、 `ヽ、 \ ` ̄`ー--‐'7 ノ:::: O ,ノ
○ ゜ 。 / r'^へ、 ヽ:::ヽ、 `ヽニヽ、 __,ノ _/::::. ゜ r'
く_ :::::l :::.`ヽ、`ー-ニ=ー--、二ゝ-く´_<______/::::: -‐‐r'‐-、
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。 く \ :::、_______________r' ______r':: i'
○ ヽ、 `) .::ヽ、 _r':::::::::::::::::::. ノ
゜ j .::::ヽ、 ::::::::::`ー---‐' /:::::: ー-r'
゜ { ::::::::`r--、__,. / ノ
`ヽ、___ ヽ、 く_____r、_______r'´
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o `ー-‐--‐‐'´
薔薇が咲き、薔薇が散った。
◆
「oh…」
もはや何が起こったのか、翠星石には分からない。
ただ、目の前で行われている”それ”の一部始終を、偶然ながら直視してしまった。
どこまで見たか、そんなことはもう分からない。
ただ、それが終わるまでの間。言葉にすらなっていない声を呻いた翠星石は、目を回しながら現実から逃げるかのように意識を落とした。
そしてその元凶。当事者達は。
「ふう、スッキリしたぜ。……ん?寝ちまったのか。全くこれぐらいでだらしねえなぁ」
賢者モードに入りつつもキル夫の尻を叩く阿部。
きっとそのナニを受け止めた彼も、現実から逃げ、精神を安定させるために意識を捨てたのだろう。
「せっかくダチになれたってのになぁ。ん?何だこれ。ボラ●ノール?
んー、こいつの尻は…。あー、やっぱ初めてはきつかったか?
よし、起きる前にこいつを塗っておいてやるか」
そうして阿部はキル夫の尻にボラ●ノールを塗り始めた。
だから気付かない。
彼自身が気付かなかった、翠色の人形も、最初にターゲットとした眼鏡の少年も。
その場からいなくなっているということに。
そして、そのボラ●ノール自体も使いかけのものであるということに。
【B-8 森 初日 深夜】
【阿部高和@くそみそテクニック】
[状態]:やらないか、スッキリモード、疲労(小)
[装備]:いい男の肉体
[道具]:基本支給品一式、ひらりマント@ドラえもん、ランダム品0~2、古泉のズボンとパンツ、ボラ●ノール
[思考・状況]基本:やらないか。
1:参加者を見つけ次第、掘って信頼を突くり上げる。
2:目の前の奴(キル夫)はダチだ。
3:気絶した少年も掘る。
4:ドラえもんも掘る。
【キル夫@やる夫派生】
[状態]:殺らないか、気絶、ダメージ(中)、尻が痛い(処置済み)
[装備]:日本刀@現実
[道具]:基本支給品一式、ランダム品0~2
[思考・状況]基本:殺し合いを楽しむ。
1:気絶中
◆
「どうにか気付かれずにいけたようですね…」
そこからしばらく離れた場所。
ある方向から見れば何も見えない空間。
それを別方向から見た時、その声の主の姿を捉えることができた。
翠色の人形と、眼鏡の少年を抱えた、(下半身丸出しの)高校生。古泉一樹。
彼は情事に夢中の阿部の傍に、人形に支給されていたバッグに入っていたマントを被り、ばれないように静かに忍び足で進みつつ彼等を連れて離れたのだ。
その最中、自身が痛む肛門に塗った、支給された薬を落としてしまったことには気付かなかった様子。
「それにしても…あの男は何なんでしょうか…」
そう呟きたくなるのも無理はあるまい。
ともあれ、あのドラえもんとやらのことを知っているらしい少年を連れ出すことはできた。
彼があのドラえもんの協力者なのか、あるいは知り合いではあるが巻き込まれた被害者なのか、それは目を覚まして話を聞かなければ分からないだろう。
この人形に関しては、まあついでだ。変質者と誤解されたままなのは正直精神衛生的に良くない。
きっと自らが所属している団体の団長は大いに興味を持つだろうが、それはそれ。だがどういう存在なのかというのは気になる。
「う…うぅ…、お父様…翠星石は穢れてしまったですぅ…」
よっぽど酷いものを見たのだろう。うなされている。
とにかく、あの男からは逃げつつ、この場をどうやって脱出していくべきかを考えていこう。
と、結局阿部の元に下半身に身につけるものをおいてきてしまったことを思い出す。
今更戻ることはできない。
止むを得ないだろう。
「………下半身丸出しよりはマシでしょうか」
その、被ると透明になるマントを腰に巻きつけた。
さながらテケテケのような姿になってしまったが服が見つかるまでは我慢しよう。
ああ、今日は厄日だ。
【C-8 森 初日 深夜】
【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:健康、股間に葉っぱ、尻が痛い(処置済み)
[装備]:透明マント@ドラえもん
[道具]:支給品一式、ランダム支給品0~2
[思考・状況]
1:男(阿部)から離れる。
2:少年(のび太)と人形(翠星石)が目を覚まし次第話を聞く。
【翠星石@Rozen Maiden】
[状態]:気絶、精神的ショック
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、金糸雀のローザミスティカ@ローゼンメイデン、ランダム支給品0~1
[思考・状況]
1:気絶中
2:金糸雀…
※アニメ版2期以降のどこかからの参戦です
【野比のび太@ドラえもん】
[状態]:気絶
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム品1~3
[思考・状況]
1:???
【ひらりマント@ドラえもん】
阿部高和に支給。
目の前に迫ってくる物に対してこのマントを振りかざすと、どんな標的でも回避したり跳ね返すことができる。
ただしあまりに大きな威力を持つものを跳ね返した場合、破損する可能性がある。
【透明マント@ドラえもん】
翠星石に支給。
これで覆った物は目に見えなくなるという透明色の布。
ただしサイズはそこまで大きくないため、平均的体格の人間(高校生くらい)が全身に被って完全な透明人間になることはできない。
【ボラ●ノール@現実】
古泉一樹に支給。
痔にはボラ●ノール。
最終更新:2013年03月01日 02:05