初期にありがちな、効果を持たない低攻撃力の儀式モンスター。
それがこのカードを見た大抵のデュエリストの感想だろう。
実際、上位互換とも言えるような儀式モンスターはいくつも存在している。
しかしこのゲームで忘れてならないのは、カードは単体のスペックだけでなく、複数の連携によってそれ以上のものを叩き出すものだという事。
まずレベルに注目したい。《儀式の準備》に対応し、強力な《儀式魔人リリーサー》の効果を付与しやすい絶妙なレベルである。
レベル7の《破滅の魔王ガーラーンドルフ》などでは《クリッター》と《リリーサー》等レベル3以下のモンスターだけという状況では儀式召喚すらできない。
強力な特殊召喚封じも既に展開されてしまっては無意味、そういった意味で確実な儀式召喚と、複数の儀式魔人の利用が両立できる6というレベルは絶妙な数値と言える。
バーン効果を失うとはいえ、より攻撃力の高い《ライカンスロープ》を使えばよい、と思う人もいるかもしれない。
だが次に注目すべきはこのカードの種族である。
増援こそ対応しないが、その次に種族サポートとして挙がる万能サルベージ《戦士の生還》に対応している。
ここで儀式召喚に成功しなければ墓地に送られない、という考えは浅いと言わざるを得ない。
儀式魔人を利用する上で助けとなるカード群が存在するのである。
それが「墓地肥やし」の代名詞「ライトロード」である。
ランダムな墓地肥やしは、時に儀式召喚に必要なパーツすら墓地へ送ってしまう。
しかしこのカードならば、たとえ墓地に送られようが簡単にサルベージできてしまうのである。
儀式魔法は《儀式の準備》が担っているので問題ない。
加えて《戦士の生還》は戦士族ライトロードにも利用できるため状況対応力抜群。
またライトロードと相性の良い《ネクロ・ガードナー》は、突発的な攻撃にも対応でき、特殊召喚封じの拘束力をより高いものにする。
手札に来てしまっても儀式召喚で無駄なく利用できるのは、やはりこのカードのレベルあってこそである。
《ロー・ガーディアン》では同じようにはいかない。
また闇属性という点にも注目したい。《闇の誘惑》に対応する。《魔のデッキ破壊ウイルス》に対応する。
間違ってはいないがこれはあくまで緊急時の戦術であり、儀式魔人の確実な利用という目的と合致していない。
これまで挙げてきた相性の良いモンスターは全て闇属性と光属性に分かれている事にお気づきだろうか。
そう、このカードはカオスとの相性も抜群なのだ。
自身を除外してしまう儀式魔人やネクロガードナーを考慮すると、闇属性であるというのは実にバランスが良い。
加えてライトロードによって墓地に落ちてしまった《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》も、《戦士の生還》に対応している点を忘れてはならない。
《カオス・ソーサラー》に関してはサルベージこそ不可能だが無制限である。
いざという時は1枚で儀式召喚の条件を満たせ、《マンジュ・ゴッド》と相性の良い《A・ジェネクス・バードマン》を用いた《レアル・ジェネクス・クロキシアン》のシンクロ召喚は、このカードでも狙える。
コストに関しては《ライトパルサー・ドラゴン》も必要にあわせ手札の儀式魔人や《ネクロ・ガードナー》を墓地に送る事ができる。
これらによりランク6エクシーズも狙えるのだから拡張性は抜群である。
たしかにレベル6としては《ライカンスロープ》、闇属性としては《終焉の王デミス》、戦士族としては《カオス・ソルジャー》といったモンスターに劣る。
しかしそれはバーガーをバンズとパテと野菜とに分けて食すようなものである。
ハンバーガーはそれらの要素が絡みあった結果完成する料理にほかならない。
それを忘れているようでは、このカードと面した時「ただのハンバーガー」としか思わずに油断し、隠れた牙の餌食となってしまうだろう。
5スレ目 16 :名無しプレイヤー@手札いっぱい。:2012/02/12(日) 21:34:45.31 ID:UtbWk3cx0