通常モンスター
星3/闇属性/アンデット族/攻1100/守 800
ほそっちょとでぶっちょの、仲良しガイコツ二人組。歩きにくそう。
初期の限定カードで出回っている枚数が非常に少なく、また非常に珍しいレアリティのこのカード。
レアであるがゆえに存在を知っている人は多いだろうが、最近このゲームを始めた人はまず知らないであろう。
それもそのはず、このカードは希少性も相まって使用率が非常に低いからである。
しかし、全然使えないわけではない。
以下にこのカードの有効な使い方を述べてゆく。
まず、闇属性、下級アンデ、そしてバニラであるため蘇生をはじめとしたサポートが非常に多い。
ステータスは高くはないため主にサポートしながらシンクロ、エクシーズを狙うことになるだろう。
しかし、闇属性・アンデット・レベル3・通常モンスターはこのカードを含めて9体もいるので、わざわざこのカードを使うこともないように思える。
だが、その中でも
《ドラゴン・ゾンビ》や《
鎧武者ゾンビ》は攻撃力の高さゆえに、採用率の高い
《奈落の落とし穴》にかかってしまい、
攻撃力1000以下の他の4種は
《連鎖除外》でまとめて除外されてしまう。
蘇生を多用する立場として、このデメリットは非常に大きい。
すなわち、最初からエクシーズ等を狙っているのであれば、そういったカードとこのカードは明確に差別化できている。
残った3体だが、これらはステータス上明確に優劣がついており、おおかた「デッド・シャーク≦2人3脚ゾンビ<13人目の埋葬者」といった順序であろうか。
とはいえ端から戦闘する気はないのでステータスの違いだけで一概に優劣は付けられない。
では何を基準に考えるか、それは《星に願いを》によるエクシーズ召喚のしやすさである。
実は、このカードと同じ守備力800の上級モンスターには有用なものが多い。
まず、レベル5の《エルシャドール・ミドラーシュ》は《簡易融合》で簡単に出せて、《奈落の落とし穴》にかからない。
ただし、特殊召喚が1回しかできなくなるため展開の順序には気を付けないといけない。
レベル6には、同じアンデットでは通常モンスターサポートを共有できる《地獄の門番イル・ブラッド》や自己再生できる《カース・オブ・ヴァンパイア》がいる。
アンデット以外でも《ギラギランサー》、《大地の騎士ガイアナイト》、《D-HERO ディアボリックガイ》、《ドドドバスター》など、容易に並べられるモンスターが多い。
しかもこの4体なら戦士族で、戦士族サポートを総じて受けられる。
特に、手札から出せる《ギラギランサー》やアドバンス召喚したい《ドドドバスター》は《戦士の生還》の恩恵を最大限に受けられる。
また、これらのレベル6と《ゾンビキャリア》でレベル8をシンクロ召喚すれば、レベル8の《星間竜パーセク》を召喚することができ、8シンクロを残しつつ8エクシーズができる。
《魔王龍 ベエルゼ》と《神竜騎士フェルグラント》の布陣など、相手はなす術をなくすだろう。
このように、蘇生しやすくて守備力が800、という明確なメリットを持っているモンスターであるが、このカードの真価は別のところにある。
フレーバーテキストを見ると、最後の部分に
「歩きにくそう。」とある。
通常モンスターのフレーバーテキストはほとんどが客観的記述にとどまり、
その他のものでも戦闘に関した記述がほとんどである。
しかし、この「歩きにくそう。」というのは、デュエルにおいてほとんど関係のない、主観的な感想である。
すなわちこのカードの持つ独特の「駄目っぽさ」は、機械のように記述し続けるフレーバーテキストの作者ですら心を揺さぶられ、同情させてしまうのである。
そう考えてみると、ほそっちょ、でぶっちょという言い回しにも
愛が感じられ、かなり感情移入していることがうかがえる。
こんなものを通常のデュエルで使ってみようものなら、相手はしみじみとした気持ちになり、プレイやドローにも精彩を欠くことだろう。
それが利かない相手であっても、ゾンビと名がつくのにフレーバーテキストではガイコツであったり、イラストが2脚なのに3脚という名であったりと、
このカードの駄目っぽさをさりげなく話している間に心を溶かしてゆくことだろう。
そして、上述のとおりこのカードは豊富な蘇生手段を持つ。
パッとしない2人組が、倒れても倒れても這い上がってくる様を目にした相手は、もはや普通の感情ではいられず、そっとデッキの上に手を重ねる可能性すら十二分にあり得る。
いかなる決闘者とて人の子、遊戯王界屈指の同情アドを持つこのカードを前に平静を保つことのできる者など皆無である。
そうして同情を得て打ち解けた相手とは、今度はタッグデュエルを組んでみよう。
そのデュエルでこのカードを出せば、仲良くなった思い出がよみがえり、2人の友情は確固たるものとなる。
これが友情アドである。
もしケンカをして気まずくなっても、黙ってこのカードを見せれば、熱い抱擁とともに仲直りすることにちがいない。
これらのことから、このカードはデュエルでの実戦に耐えうる性能を持ちながら、ただ強いだけのカードでは決して真似できない、人生における幸福を得ることができる。
次のパックでは《ユニゾンビ》という強力なアンデットが登場するが、イラストを見るにおそらくモチーフはこのカードであろう。
《ユニゾンビ》からこのカードにたどり着いた初心者に需要が高まり、ただでさえレアなこのカードがさらに入手しづらくなる前に、諸君も買いためておいてはどうだろうか。
9スレ目 361 :名無しプレイヤー@手札いっぱい。@転載は禁止:2014/10/18(土) 21:42:10.46 ID:+kur4dGI0
最終更新:2019年06月15日 17:39