約12年前に登場した大御所の魔法カード。同期には遊戯王を知っていれば誰でも知っている超有名カード<<聖なるバリア-ミラーフォース->>が存在する。
そんな有名人との同居を許されたというだけで、このカードに賭ける開発チームの意気込みが伝わってくるだろう。
このカードの効果に触れる前に、登場した12年前の事を少し振り返ってみよう。
今では永遠の禁止カード、<<強欲な壺>>が無制限。同期のミラフォも勿論無制限。更にエクゾディアパーツも全て無制限という無法地帯であった。
そしてそれらのカードが、執念の剣登場から僅か2か月後にまとめて制限指定された事を鑑みれば、このカードの良調整っぷりが良く分かるだろう。
このカードは2つの効果を持っている。この時代に於いて効果2つ。それだけでもう驚きのスペックだ。携帯電話が電話だけ出来れば良い時代にメールまで出来たら誰だって驚くだろう。
まず1つめの効果は攻守500ポイントアップ。
攻撃と守備が共に500上がるという事は合計で1000ポイントも上がっている。これは現在でも現役の装備魔法<<デーモンの斧>>の上昇値と同じである。
表示形式の変更も多い今の世の中、攻撃力だけ上げていては良いサンドバッグである。先見の明とはこういう事を言うのだろう。
斧が攻撃力に特化するのに対して、剣は攻防バランス良くアップさせるファンタジーゲームのイメージも踏襲している。
原作でのゲーム名『マジック&ウィザーズ』の名の通り、プレイヤーに魔法使いになったつもりでファンタジー世界を体験して欲しいという開発部の心遣いが見てとれる。
デーモンの斧と同じ上昇値というだけで、このカードの装備魔法としての性能の高さが十分に分かるが、もう一つの効果を持っている。
なんと領域を問わず墓地へ送られるとノーコストでデッキトップへ戻るのだ。フィールド上限定+リリースまで要求するデーモンの斧の図々しさが恥ずかしい。
オマケにこの効果は強制効果であり、遊戯王OCG諸悪の根源、『タイミングを逃す』に蝕まれる事も無い。ここにも開発部の手腕が光る。最早未来予知レベルである。
この効果の有用範囲は幅広く、ハンデス・デッキ破壊・除去の全てに対して耐性を持ち、繰り返し使える事からコンボの可能性を示唆している。
例えば、アニメ5D'sでお馴染み<<パワー・ツール・ドラゴン>>。剣のサーチのみならず、毎ターンパワーツールの破壊を防ぐ事が出来る。
<<ナチュル・ランドオルス>>が場に居れば、<<エフェクト・ヴェーラー>>が毎ターン使えるようなもの。
漫画ゴッズで活躍した<<セブン・ソード・ウォリアー>>と組めば毎ターン800ダメージ+相手モンスター破壊のぶっ壊れカードと化す。
ウォリアーと組んだ場合、第一の効果である攻撃力500アップも極めて重要だ。
ウォリアーの攻撃力は2300。幾ら壁モンスターをこのコンボで破壊してダイレクトアタックを決められるようになっても4発かかる。
しかし、この剣で攻撃力2800になっていれば確3となり、必要攻撃数が1回減るのだ。
ウォリアーのバーン回数によっては確殺数が変わらない事もあるが、数百のライフが残る所謂”鉄壁”状態で持ちこたえられる状況は意外と多い。アニメなら負けフラグだ。
そういう面でも、このクロックの要素は地味に見えて重要であると言える。
総じて、【ディフォーマー】デッキと凄まじいシナジーを発揮する。昨年末に公認大会で優勝した事で話題となったディフォーマーと相性が良いというのは朗報だろう。
2000年問題に揺れる激動の世紀末初頭に生まれたカードが、12年の時を経て活躍する様はまさに執念と名付けるに相応しい。
4スレ目 935 : 名無しプレイヤー@手札いっぱい。 : 2012/02/08(水) 08:26:03.97 ID:2KRO1t3r0