酸の嵐




通常魔法 
フィールド上に表側表示で存在する機械族モンスターを全て破壊する。 


14スレ目 367名も無き決闘者 (ワッチョイ 4142-AFrp)2018/05/31(木) 23:04:56.48ID:QMWmK3qH0

テキストが短く、かつシンプルで分かりやすいカード。
しかしそのシンプルさにはある秘密があった。
このカードに隠された秘密を読み解くことで、我々は遊戯王という一つの作品にまた大きな理解を得る事ができる。
それでは早速読み解いていこう。

まずこのカードの英語名は[Acid Rain]即ち「酸性雨」である。
イラストにも描かれているように、嵐と呼ぶにふさわしい怪しげな暗雲から降り注ぐ大雨が、機械を残骸にしている。
惨い事この上ないが、これが酸性雨であると考えると納得がいく。

酸性雨とは環境問題の一つとして問題視される現象で、大気汚染により降る酸性の雨だ。
その被害は1970年代から始まり、自然に与える影響で人々を脅かす恐ろしい雨は例えば2013年に起きた中国でのPM2.5高濃度問題などで話題になった。
しかし現代の日本ではこの「酸性雨」という言葉を耳にする機会はまず無いだろう。それは何故か?

それはこのカードの英語名と同名であるカード、《アシッドレイン》が関係しているのである。

《アシッドレイン/Acidic Downpour》
フィールド魔法
全ての地属性モンスターの攻撃力は500ポイントダウンし、
守備力は400ポイントアップする。

同名カードという事は当然このカードの名前も「酸性雨」である。
では酸性雨と地属性モンスターにいったい何の関係があるのか……このカードが登場した当初は、確かに分からなかった。
だが、今ならその答えを出すことができる。

イラストだ。
《酸の嵐》のイラストでは、茶色の正体不明の物体とその残骸が映っている。
カードの名前からこれは「錆びた」何かであると多くのデュエリストは思ったのだろうが、この酸性雨のDownpour(土砂降り)具合からも分かるだろう。
これは錆ではなく、大地…即ち《土》なのだ。

つまりこの酸性雨は土をも溶かしてしまう非常に高濃度な酸性(pH値が低い)という事であるのだ!

この答えは私の脳内を恐怖で満たす。
これが何を意味するのか?聡明なデュエリストならば、おおよそ察しはつくだろう……
デュエルモンスター界では遥か昔から作られた《アンティーク・ギア》や、最近新規が遊戯王OCGでも登場した《マシンナーズ》ように、数多の機械が存在している。
機械は当然誰かの手によって作り出されており、大量の機械を作るには工場が欠かせないはずだ。
そしてその工場の煙突から湧き出る煤煙(ばいえん)は、酸性雨を引き起こす原因である硫黄酸化物や窒素酸化物などを高濃度で含んでいる!

つまり、現在のデュエルモンスター界ではこ、の酸性雨が機械族どころか土地そのものを消し去る勢いで各地に降り注いでいるのである!
今はまだ《ガイアパワー》によって地属性モンスターは事なきを得ているが、それも土そのものが消滅すれば無くなる。残された時間は刻一刻と減ってきているのだ。
デュエルモンスター界に存在するモンスター達は、日々このような恐怖に怯えながら暮らしている…
そして自分たちの世界がこうなった事で、彼らも思う所があったのだろう。
まだ手遅れの段階まで来ていない我々の世界はせめてどうにかしようと、風刺画のように社会に世界情勢を訴えるカードの絵で、伝えようとしてるのだ。

「酸性雨を甘く見ていると、死ぬ」と―――
18スレ目 199名も無き決闘者 (ワッチョイ 7392-lQWV)2020/02/23(日) 21:36:51.12ID:8YesGLSd0
  • 学術アドがモリモリ育っていくな



最終更新:2021年12月18日 18:59