通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
その攻撃対象を自分が選択し直す。
初代マスターガイドの付属カードであり、長らく再録もされてこなかったため希少価値が高いカード。つい先日デュエリストパック5で念願かなって再録された。
しかし《シフトチェンジ》と《立ちはだかる強敵》という追加効果を持つ二枚のカードが上位互換として控えており、このカードの立場は厳しい。
さらにいえば前者は遊戯が、後者は十代が使用したカードであり、闇バクラが使用したこのカードは原作的にも若干立場が悪い。
しかしこの二枚が上位互換というのは本当に正しいのか。
確かに他の効果も持っている二枚と違って、地縛霊の誘いには攻撃対象の指定というシンプルな効果しかない。
そのカードの効果の一部を抜粋するとこのように書かれている。
《シフトチェンジ/Shift》 †
相手モンスターの攻撃対象になった時に発動できる。
その対象を、自分フィールド上の正しい対象となる他のモンスター1体に移し替える。
《立ちはだかる強敵/Staunch Defender》 †
自分フィールド上の表側表示モンスター1体を選択する。
発動ターン相手は選択したモンスターしか攻撃対象にできない。
シフトに対しては、ダイレクトアタッカーによる攻撃でも任意のモンスターに迎撃させることができるという利点がある。
また強敵に対しては、裏側表示のモンスターに迎撃させリバース効果の発動を狙える利点がある。つまり三種のカードは、相互互換と表現するべきなのである。
しかしこのカードは「確実に攻撃を一度誘導できる」ことは確かだが、それを考慮しても他の二枚に使いやすさが劣っているのではないか。そう思われるかもしれない。
1.自分が選択し直す
2.移し替える
3.~しか攻撃対象にできない
どうだろうか。私はここに微妙な違いがあると考える。
2と3は攻撃を誘導する、あるいは対象を限定する効果だ。「相手は〇〇にしか攻撃が行えない」という緩やかな制限だ。
しかし1の効果はそれとは違う。このカードには「攻撃を指示するのは俺だ!」という強い意思がある。
ではこのカードの「意思アド」とでも表現できる点は実際に役立つのだろうか。
299X年。世界は核の炎に包まれた。文明社会は消え去り、世界はデュエルが支配する弱肉強食の時代に突入した。
アイドルカードは枯れ、ファンデッキは裂け、全ての下位・クズカードが死滅したかのように見えた。だが、人類は死滅していなかった。
あなたはそんな時代にサテライトの町を支配し、各地に名を轟かせていた。
しかしそんな時代に一人の男が現れた。一子相伝のソリティアの伝承者、名はコナミロウ。
一度はコナミロウを倒したあなただったが、後に執念を身に付けたコナミロウとの一騎打ちに敗れる。
「罠カード《地縛霊の誘い》を発動!」
「攻撃対象を決めるのはお前ではない!」
「俺はお前のデュエルでは死なん!」
「さらばだ!!!」
このようにこのカードは世紀末においても己の誇りと生き方を貫き通すためには最適である。
高らかに「〇〇で俺を攻撃!」と宣言できるカードは数少ない。
類似効果としては
《剣闘獣ドミティアノス》と《
ノーブル・ド・ノワール》がいる。
しかしモンスターなので優先的に狙われるとあなたの最期の時まで生き残っているかは怪しい。
その点このカードは奇襲性に長けており、なおかつ簡潔な効果なので相手に対して「自ら最期を決めるために発動した」ことが伝わりやすいといえる。
上で書いた例のように世紀末に自らの命を絶った男は、その強敵の手によって葬られた。
倒すべき敵であったのにそこまで丁重に葬った理由を、強敵は「同じ女を愛した男だから」と語った。
このカードによって己の生きざまを貫き通した時、あなたの前に立ちはだかった男もこう言うだろう。
「同じクズカードたちを愛した男だから」
16スレ目 745名も無き決闘者 (ワッチョイ 0b54-1hNP)2019/07/17(水) 00:27:14.81ID:IXrxvNM50
- アイドルカードは枯れ、ファンデッキは裂け、全ての下位・クズカードが死滅したかのように見えた。
わりとこの部分今と変わらないような…- アイドルカードはガチ性能アイドルが増えたから枯れてないよ
- 実は「攻撃対象を自分が選択する」カードってめちゃくちゃ少ないんだよね。
ドローではなく攻撃(の運命)を操作するカードと考えればとてつもないレアカードである事は確定的に明らか。
最終更新:2020年08月13日 15:25