2011年3月環境

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環境考察>2011年3月環境



禁止
《ゴヨウ・ガーディアン》
《大寒波》
《マスドライバー》

制限
《オネスト》
《ダンディライオン》
《BF-月影のカルート》
《月の書》
《六武の門》

準制限
《カードガンナー》
《大天使クリスティア》
《魂を削る死霊》
《デブリ・ドラゴン》
《王家の生け贄》
《オーバーロード・フュージョン》
《巨大化》
《神の警告》
《ゴッドバードアタック》

制限解除
《カオス・ソーサラー》
《終焉の王デミス》
《スナイプストーカー》
《氷結界の虎王ドゥローレン》
《封印の黄金櫃》
《スキルドレイン》
《血の代償》


WC2011結果
1位 代行天使(日本)
2位 ジャンクドッペル(日本)
3位 ジャンクドッペル(パナマ)
4位 マシンガジェ(タイ)



全環境でワンキルを助長した《大寒波》、《六武の門》、《マスドライバー》に規制がかかった。
《大嵐》・《大寒波》の2大伏せ対策カードが禁止化したことでより伏せを重視した環境となり低速化が進んだ。
大寒波の代用としてトラップスタンが流行、さらにトラップスタンの流行を受けそれを止める盗賊の七つ道具が流行する。
結果、罠の影響を受けにくい、または罠を使う側として罠を大量に投入できるデッキが環境上位に並ぶことになる。
逆に言えば罠を使うことで相手の爆アドを阻止することが出来れば勝てるということであり、構築次第では中堅デッキでも優勝を狙えるという群雄割拠の時代でもあった。


全環境に登場した【六武衆】は《六武の門》の制限を受けたものの先攻シエンのギミックは残っており、六武のトップから環境が始まった。
六部衆では、盗賊の七つ道具を無効化できる勾玉の存在により活人剣術の発動成功率が高く、活人発動に成功すればほぼ勝利することができた。
また、EXVCで登場したご隠居によってナチュルビーストの投入が可能になり、シエンまたはパルキオンと並ぶことで最強の布陣を組むことが可能になる。
シエンは身代わり効果を持つため一度場に出ればその除去は困難であり、シエン召喚後に弾圧を貼ることで完全に封殺する光景もよく見られた。
つまり門が無くても十分に戦うことができるデッキであり、門の存在はオーバーキルにすぎなかったのである。

六武に拮抗した形で【ジャンクドッペル】が環境トップとして台頭する。その構築はシンクロカオスと言えるもので六武と合わせて二大環境トップとなった。
六武の安定性には及ばないものの、事故率の低さ・パワーカードの多さ。シンクロの柔軟さが注目され使用率ナンバー2にまで上り詰める。
切り札のクェーサーに加え、通れば3アドのダムド、強力なドローソースとなるライブラ・フォーミュラと爆アドを稼ぐカードが多いのが特徴。
ライコウ・ライラの存在から伏せを剥がすのも得意でカーガンの準制限により弱点であるローチへの対抗策が増えたのも使用率増加の要因であった。
トークンでの時間稼ぎも得意であり、罠をかわしつつデュエル中にキーカードまでたどり着くことができるため遅延になりがちな本環境に適したデッキであった。
1:1交換が多くなる伏せ環境では、何もない状態からアドを生み出すという効果は大きなメリットであり、
パーツを墓地に集めながらライコウによる除去や、おとりのシンクロに奈落を踏ませながら1:1を繰り返し、最終的に回復しアド差をつけるというのが基本戦術であった。
通常アド損となるヴェーラーをメインデッキから投入できる点も他のデッキには無い大きな利点であった。


六武・ジャンドを追う形でナンバー3となったのがトリッキーな戦術を取る【墓地BF】である。
こちらは通常のビートダウンを行いながら墓地アドを稼ぎ、終末でヴァーユを落とすことにより失ったアドを回復する戦術を取っていた。
BFというよりは、終末を死者蘇生のように使用するシロッコビートに近いデッキである。
旋風・墓地と二つの型で結果を残していたBFは《ゴヨウ・ガーディアン》、《BF-月影のカルート》、《ゴッドバードアタック》の規制で弱体化。
特にブリザードのシンクロ先を失ったのは大きく、カルートの制限も受け旋風BFはトップから姿を消すことになる。
しかし墓地BFは《ゴッドバードアタック》に規制はかかったものの、《カードガンナー》が準制限となったため大打撃は免れた。
ガン伏せ環境ではチェーンゴトバでの2:3交換が比較的容易に行えることもあり、環境に適したデッキとして六武・ジャンドに並ぶ勢力になる。
ゴトバの存在が鳥獣族への奈落発動の抑止力として働き、シロッコの召喚が通りやすく、
ゴトバ自体もシロッコへの奈落をリリースエスケープする形でチェーン発動することにより七つ道具へのディスアドを軽減できた。
さらに墓地シンクロは弾圧の影響を受けないため、自分が展開する前からでも弾圧を使用することができるのは六武には無い大きな利点であった。
シロッコは闇属性ATK2000のため魔デッキを序盤から使用することもでき、魔デッキは六武・ジャンド相手に無類の強さを誇った。
流行したトラップへの対抗策をプレイングで補うことでデッキ自体にはカウンター罠を投入しないという異色のデッキであった。


環境トップ勢力が六武・ジャンド・墓地BFと分散したため、メタをする側にとっては非常に難しい環境となる。
そんな環境でメタデッキとして台頭したのが【剣闘獣】・【マシンガジェ】・【HEROビート】であった。


【剣闘獣】は上記の3デッキすべてをメインデッキの状態からメタることができ、サイドデッキと合わせることでほぼどのようなデッキでもメタることできた。
また群雄割拠の本環境では、対戦相手を選ばないという剣闘獣の利点がいかんなく発揮された。
モンスター・魔法投入数が少なくて済むため、デッキの半分を罠で構成することが可能であり、それが剣闘獣の強さに直結していた。
罠重視環境となりゴトバを有効活用できるようになったのは剣闘獣も同様であり、元々3積みすることも無かった剣闘獣は準制限による打撃をほとんど受けなかった。
トラップスタンのメタとなる七つ道具がデッキコンセプトにシナジーしていたのもデッキ構築の面で助けられた部分が大きい。
七つ道具は敵のワンキル前スタンのメタにとどまらず、自分の罠を通すための攻撃的なカードとしても使うことができたのである。
また投入率100%だった剣闘獣の戦車はカウンター罠であるためあらかじめトラスタを打つ必要があり、戦車の存在自体が動きの抑止につながっていた。
戦車以外にも、大量の攻撃反応・召喚反応の罠が積まれていたため展開側はトラスタを引くまで動くことができず、
その間にレティアリで墓地除外を行ったり、展開された時への準備を行うことができた。
対六武戦では既に召喚されたシエン相手でも戦車を使うことで除去が可能であったが、六武にはそれを止める勾玉が存在していた。
結局、剣闘獣と六武衆の戦いは罠の打ち合い対決となるため、先にドローできて1アド分有利になる先攻が勝敗に大きく左右していた。

ガジェによってアドをとることを得意としながらも、フォートレスによって簡単に2500打点を繰り出せる【マシンガジェ】も使用率が上がり始める。
2500打点というのシエン、スターダストのラインであり、それ殴り倒せさらにアドが取れるフォートレスが注目されたのである
フォートレスはシエンと相討ちしてもアドを取ることができ、ハンデス効果はダメステでも使用できたためライコウにも強かった。
また墓地からも蘇生できたため、除外されない限り何度でも特殊召喚できると、まさに環境に適したモンスターだった。
奈落チェッカーとしてブレイカーが投入され、フォートレスを軸にしたガジェットデッキといった風に趣旨が変化していった。
特殊召喚モンスターはフォートレスだけであるため、墓地BF同様に先撃ち弾圧も可能であった。
弾圧発動後には除去ガジェへ移行することもでき、柔軟な戦術を立てることができたのも使用者増加の一因である。
このデッキではガジェは6枚に抑えるのが一般的であり、モンスター枠は少なかった。
そのため剣闘獣同様、空いた枠に罠を大量に投入することができ環境上位勢とも戦うことできたのである。

【HEROビート】は発動された罠を止めるのではなく受け流すという墓地BFと同様のコンセプトで戦った。
基本戦術は墓地BFと酷似しており類似点も多い。だが、ヒロビにしかない数多くのメリットも存在する。
増援、エマコ、エアーマンの存在からほぼ高確率で初手アナネオを確保でき、初手のデュアスパが腐ることはほぼない。
デュアスパの使用法はゴトバ同様リリースエスケープが基本であるが、こちらはゴトバと違い速攻魔法であるため、
後攻の初手でもアナネオを召喚するという強気のプレイングが可能である点。
また、0:1交換が可能なヒロブラもヒロビ独自のメリットでありディスアドを負わずにATK1900以下をフリーチェーンで除去できる。
高打点はミラクルフュージョンに依存してはいるものの、召喚先筆頭のシャイニングは3100打点を得ることが容易で、
さらに墓地に送られた時に最大で2アドを取ることも可能のため、高打点の召喚行為そのものに保険を掛けることができた。
そして最大の利点は超融合の存在で、シエン、クェーサーといったモンスターを効果の発動を許さずに処理が可能であった。
六武、ジャンド相手にはそれなりに戦えたHEROビートであったが、墓地BFの存在がヒロビを悩ませた。
墓地BFと同コンセプトのため、殴り合いになった時には通常ATKラインが2000の墓地BFに軍配が上がってしまう。
そのため、墓地BFに対してヒロビの方が“戦闘で処理できないモンスター”が多くなってしまい、結果的により多くの罠に頼ることになってしまうのだ。
ヒロブラで除去できるモンスターも少なく闇の超融合先も強力ではなかったため、墓地BFの存在によって環境トップになることはできなかった。


その後、環境の研究が進んでくるにつれ、六武はサイドデッキからのメタに苦戦を強いられることになる。
カゲキ・影武者を根こそぎ除外する連鎖除外、戦士族専用の心変わりとなる《パペット・プラント》などサイドチェンジ後のメタを受けやすくなってしまう。
中でも強力なメタとなったのがセットされた状態で戦士族に攻撃をされるとDEF3800となる《サイファー・スカウター》であった。
攻撃によってサイファーを表にしてしまった場合、奈落、警告を受けずに実質ATK3350打点のモンスターが場に残ることになる。
サイファーへの解答は六部衆側には少なく、カタストルの召喚や死者蘇生の使用を強いられす。
また六武戦ではミラーマッチになった時に、お互いのサイドがガン刺さりするため環境に六武が多いほど安定した勝利は目指せなくなってしまった。

こういった状況から六武絶対有利の均衡が崩れ始め、すべてのデッキに勝利の可能性が出てきた。
さらには大会開催店舗ごとにメタ対象とサイドの研究がことなり、店舗ごとに有利なデッキが異なるといった事態が起きてきたのである。
六武の研究が盛んな店舗では六武の使用を敬遠し、ジャンド・墓地BF使用者が多くなった。
ジャンドが多い環境では、メインから次元を投入できかつ効果モンスターに強い剣闘獣がメタとして強くなる。
剣闘獣が増えれば単体除去の多く、除去の効かないフォートレスを有するマシンガジェが有利になる。
マシンガジェが流行れば、2500打点に届くまで時間のかかる墓地BFは少なくなる。
墓地BFが少ない店舗では2000打点に負けるという1900打点の弱点が消え、フリーチェーンや超融合を使用するヒロビが多くなる。
このように2011年3月環境は各デッキが複雑なじゃんけんの様に絡み合っており、大会で優勝するには参加店舗別の研究が不可欠となっていたのである。


しかし、最終的に環境トップとなったのはこの中のどのデッキでもなかった。
デュエルターミナル-エクシーズ始動!!-にて《ダイガスタ・フェニクス》を手にした儀式天使がパーデクを捨てエクシーズ召喚に特化。
ワンキルを軸とした代行天使となり一気に環境トップの座に上り詰める。
《強欲で謙虚な壺》・《天空の宝札》による安定性もさることながら、一番の脅威となったのがマストカウンターの多さである。
ヴィーナスの効果が通ればデッキ圧縮に加え、フェニクスが召喚され1アドを取られさらには4600ものライフを削られてしまう。
そのため、ヴィーナスに奈落・警告を打たざるを得ず、そのヴィーナスをサーチするアースもマストカウンターとなってしまう。
それらの展開が失敗したとしても、天使が墓地に落ちればヒュペリオンのエサとなり、その召喚が通ればアドを取られてしまう。
さらに天使が墓地に4体揃えばクリスティアが召喚され、墓地のカードを回収されてしまいここでも1アドを取られてしまう・
【代行天使】はデッキに投入された全てのモンスターに「通れば1アド」という効果がついていたため、ついに罠による対処が追い付かなくなった。
また上級天使は2700、2800という高打点であったため、打点による処理は難しく効果による処理を強いられる。
逆に言えば効果による処理に失敗し、召喚を通してしまえばそれが敗北に直結してしまう。

結果、2011年世界大会では圧倒的使用率を誇ったジャンド、六武衆を抑えて、代行天使が優勝した。
ヒュペリオンにより墓地調整が簡単になった代行天使ではクリスティアの召喚率も高かった。
そしてクリスティアの存在は、
六武衆】・【ジャンクドッペル】・【墓地BF】・【剣闘獣】・【マシンガジェ】・【HEROビート】、
これらすべてのデッキに共通する特殊召喚へのメタとして機能したのである。
こうしてガン伏せ環境は代行の勝利によって終焉を迎え、次なる伏せ無し環境へと変化していくのであった。



総括
ガン伏せ環境により、数ターンかけて仕掛けるタイミングを見極めるプレイングが主流となった。
サイドボードの変化により環境が読めなくなり、群雄割拠の時代となった。
結果、どんな相手でも一定のテンポでアドを稼ぐことができる代行天使が台頭した。
この頃からテンポアドという概念が意識されるようになっていった。



コメント欄
  • すげーむちゃくちゃ詳しくなってる (2013-02-20 19:30:54)
  • これはマジで神環境だった (2013-02-20 22:14:02)
  • ここまで群雄割拠の環境とか奇跡だよな (2013-02-20 22:37:38)
  • デッカスには評判悪かったけどなこの環境 (2013-02-20 23:36:48)
  • ↑全部罠で止められるからねぇ。俺の知ってるファンデッカーはこの環境で頑張ってデッキ作りこんでたぞ (2013-02-20 23:42:18)
  • この環境嫌ってるのはワンキル厨かデッカスか単純に伏せが好きじゃない奴らのどれかだろうな。知り合いのガチでもこの環境嫌う奴はいるし好みの問題はあると思う (2013-02-21 00:01:57)
  • ガチまでいけばサイドとかあって六部一強では無くなるがカジュアルプレイヤーはサイドとか作らないから六部に勝てない。群雄割拠なのはサイドがあってこそだからね (2013-02-21 00:24:49)
  • この環境で大会勝ちぬける奴は本当に強い奴 (2013-02-21 14:24:58)
  • いかに群雄割拠な時代だったかがわかるな。大会とか罠の読みあいで熱っただろうな (2013-02-22 17:12:28)
  • クオリティ高いなあ。 (2013-12-09 13:21:43)
  • もう一回こういう遊戯王がやりたいわ (2013-12-15 15:09:17)
  • 今の遊戯王は別ゲーだもんなぁ (2013-12-17 22:45:15)
  • 今思うと最後のガン伏せ環境だな (2014-03-21 12:36:51)
  • エレキ (2014-07-31 15:48:19)
  • ガン伏せ環境をもう一度・・・ (2015-02-04 00:45:33)
  • とても面白い記事だった (2015-03-19 15:33:19)
  • もうこの頃には戻れない (2017-01-26 01:51:58)
  • 2012年9月は若干ではあるが制圧っぽいデッキが出てきてるからな 2011年3月がアドゲーとしての遊戯王最後の環境 (2017-02-01 22:53:25)
  • 縺ェ繧笛縺九i譚・縺溘Φ繧エ笶、? (2017-10-03 16:32:46)
  • 遊戯王はいつから制圧ゲーになったのか (2017-11-04 00:15:29)
  • 代行より六武のがCSでの戦績良かったと思うけどな。世界優勝っていうけどアーサーだし。むしろ六武の研究が進むにつれて他デッキは段々と解答を失っていった環境だった (2017-12-20 21:08:59)
  • この頃ほんとうに面白かったなぁ、ワーム、スクラップとか自分で思いついた気になってお気に入りだったスキドレスタダとか使ってたわ (2018-10-30 16:12:26)
  • ガン伏せ嫌いだったけど手札誘発よりはガン伏せ環境のが良かった (2018-12-10 22:09:21)
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