あしあと - 【けいおん！】唯×梓スレ@ ウィキ

さく、さく、さく

雪の上に残るあしあと
私の前には何もなく
私の後ろに一人分

いつかは歩きたいな
キミと
あしあと並べて

さく、さく、さく

雪の上に残るあしあと
私の前には何もなく
私の後ろに一人分

いつかは歩きたいんです
アナタと
あしあと並べて

　　＃ あしあと ＃

さく、さく、さく

雪を踏む音
楽しいな
キミと一緒なら
もっと楽しいのかな

さく、さく、さく

雪を踏む音
楽しいな
アナタと一緒なら
もっと楽しいかも

さく、さく、さく

今何をしているのかな
猫みたいなキミ

まだ夢の途中かな
それとも朝の身支度タイムかな

さく、さく、さく

今何をしているんですか
犬みたいなアナタ

まだ夢の途中ですか
それとも朝の身支度タイムですか

さく、さく、さく

もし今
隣にキミが居て
私が
楽しいね
って言ったら

素直になれないキミは
きっと
あらぬ方向に顔を向けて
だけど
満更でもない声で
そうですね
って言ってくれる
かな

さく、さく、さく

もし今
隣にアナタが居て
私が
楽しいですね
って言ったら

いつもと違う私の表情に
きっと
驚いた顔を見せて
だけど
嬉しさを隠せない声で
そうだね
って言ってもらえます
よね

さく、さく、さく

誰も居ない河原
真っ白な世界

キミも居ない
私一人

さく、さく、さく

誰も居ない河原
真っ白な世界

アナタも居ない
私一人

さく、さく、さく

キミは
どう思っているのかな
私の事

さく、さく、さく

アナタは
どう思っているんですか
私の事

さく、さく、さく

顔を上げると
遠くに人影一つ

もし
キミだったら
なんて
有り得ないよね

さく、さく、さく

顔を上げると
遠くに人影一つ

もし
アナタだったら
なんて
有り得ませんよね

さく、さく、さく

でも

少しだけ
期待して

前に進む

足元だけ
見続けて

さく、さく、さく

でも

少しだけ
期待して

前に進む

足元だけ
見続けて

さく、さく、さく

足音が近づく

さく、さく、さく

足音が近づく

さく、さく、さく

キミであることを願い
顔を上げる

さく、さく、さく

アナタであることを願い
顔を上げる

＃

「……おはよ、あずにゃん」
「……おはようございます、唯先輩」
「こんな朝早くにどうしたの？」
「えっと……早起きしたので、通学がてらにお散歩です」
「そっか～」
「唯先輩こそ、こんな朝早くにどうしたんですか？」
「私も一緒。通学がてらのお散歩、だよ」
「そですか」
「……あずにゃん、これからどうするの？」
「……一応、向こうの方……唯先輩の家に近い所まで行って戻ってくる予定だったんですけど……唯先輩は？」
「……私も、あずにゃんの家に近い所まで行って戻ってくる予定だったんだけどね」
「じゃぁ……そうしますか？」
「そだね～、そうしてみようか」

＃

さく、さく、さく

アナタは
また後でと言い
歩きはじめた

さく、さく、さく

キミは
はいと答え
歩きはじめた

さく、さく、さく

アナタの
足音が
遠ざかる

さく、さく、さく

キミの
足音が
遠ざかる

さく、さく、さく

足元には
アナタが残した
あしあと

さく、さく、さく

足元には
キミが残した
あしあと

さく、さく、さく

嫌だ

アナタが居るのに
一人で居るなんて

そんなのは
嫌だ

さく、さく、さく

嫌だ

キミが居るのに
一人で居るなんて

そんなのは
嫌だ

さく、さく、さく

振り返り
歩きだす
アナタを
見つめながら

さく、さく、さく

振り返り
歩きだす
キミを
見つめながら

さく、さく、さく

アナタは
もう目の前
伝えよう
この気持ちを

さく、さく、さく

キミは
もう目の前
伝えよう
この気持ちを

＃

「唯先輩！」「あずにゃん！」
「……何ですか？」「な～に？」
「……唯先輩からどうぞ」「……あずにゃんからどうぞ」
「……」「……あずにゃんが先に声をかけたんだからさ、ねっ」

「えっと……い、一緒に歩きませんか！？せ、折角ここで逢えたんですから！」
「……うん！私もそう言おうと思ってたんだ～。じゃぁ……どっちに行こうか？」
「そうですね……時間はまだまだ有りますから……唯先輩の家の方に行って戻って……」
「その後は、あずにゃんの家の方に行って戻って……学校に行こうか」
「はい！」

＃

さく、さく、さく
さく、さく、さく

雪の上に残るあしあと
私の前には一人分
私の後ろに二人分

嬉しいな
キミと
あしあと並べられて

さく、さく、さく
さく、さく、さく

雪の上に残るあしあと
私の前には一人分
私の後ろに二人分

嬉しいな
アナタと
あしあと並べられて

さく、さく、さく
さく、さく、さく

本当はもう一つ
キミに伝えたい

さく、さく、さく
さく、さく、さく

本当はもう一つ
アナタに伝えたい

さく、さく、さく
さく、さく、さく

でも
今はまだ
だけど
いつか

だから
もう少しだけ
それまで
待っていてほしい

さく、さく、さく
さく、さく、さく

でも
今はまだ
だけど
いつか

だから
もう少しだけ
それまで
待っていてください

＃

「……唯先輩」
「な～に？」

「……なんだか、楽しいですね！」
「……うん！そうだね！！」

おしまい！！

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