平日なのに梓ちゃんはウチに
お泊りする事になっていた。
お姉ちゃんと梓ちゃんと私の三人でリビングでゲームしたりおしゃべりしているうちに、いつの間にか時計の針は日付を越えようとしていた。
「もうこんな時間になっちゃったね。明日も学校だし、もう寝ようか?」
梓ちゃんはお姉ちゃんの部屋だよね、お布団敷く必要は…無いか。
「えっと、憂。ちょっとそこに居てもらってていいかな?」
「そうそう、ちょこーっとだけ待っててよ!」
「え?ここで待ってたらいいの?」
「うん、
あずにゃん早く早く!」
「ちょ、唯先輩急に引っ張ったら危ないですよ!」
どうやら二人はお姉ちゃんの部屋に行っちゃったみたい。一体どうしたのかなあ。
あ、十二時になっちゃった。
しばらくして階段の方からお姉ちゃんの声がした。
「ういー、目つぶって十数えてー」
「うん?わかったー」
私は言われた通りに数え始めた。
「、くー、じゅう!」
素直に十数えて目を開けると、茶トラ猫の着ぐるみパジャマを着たお姉ちゃんと、黒猫の着ぐるみパジャマを着けた梓ちゃんが居て、
「「にゃにゃにゃー、にゃーにゃー、にゃにゃにゃー、にゃーにゃー
にゃにゃにゃにゃーにゃーうーいー、にゃにゃにゃにゃーにゃーにゃー」」
お姉ちゃんはノリノリで、梓ちゃんは少し恥ずかしそうにしてハッピーバースデーの歌を歌ってくれた。多分猫語で。
「誕生日おめでとうだにゃん、ういー」
「憂、おめでとう」
「二人ともありがとう!!でも、何で猫さんなの?」
「それはね~」
お姉ちゃんがふんす!と答えてくれた。
「今日は憂の誕生日と同時に猫の日でもあるのです!!」
「私は止めたんだけどね」
「あずにゃんが猫にならなくて誰がなるっていうの?!」
「…まあでも憂を御祝いするためならいいかなって」
「えへへ、梓ちゃんありがとう。可愛かったよ、二人とも」
「そんな憂にもあるのですにゃあ」
お姉ちゃんがババーンと言いながら、後ろから三毛猫着ぐるみパジャマを取り出した。
「これ、憂に私達から
プレゼント」
「三人でお揃いだにゃ~」
「わあ~、ありがとう!ね、ね、私も着てみていいかな?」
「もちろんだにゃー」
「語尾ににゃー付けないで下さいよ」
「じゃーん、着てみたにゃー」
「えぇ、憂まで…」
「ほらほら、あずにゃんの方が少数派だにゃー」
「そうだにゃ、梓ちゃん」
「も、もう遅いから寝ましょう。私、布団取ってきますね!」
「あずにゃんが逃げたにゃー」
「お姉ちゃん、梓ちゃんお布団どうするにゃ?」
「ん?ここで三人で寝るんだにゃー」
「え!?でも、」
「今日は憂の誕生日だからってあずにゃんの提案だにゃ!」
「だから梓ちゃん平日なのにお泊り…」
「そうだにゃ。今日は皆であったかあったかだにゃ!」
「うん!」
「先輩、ちょっと手伝って下さーい」
「おっと、あずにゃんごめんにゃー」
お姉ちゃんと梓ちゃんがお布団準備してくれて、私を真ん中にして三人で並んで横になりました。
「梓ちゃん、ありがとね」
「…別に御礼言われる事してないよ」
「にひひ、あずにゃん照れておりますにゃあ」
「唯先輩はうるさいです」
「にゃんと反抗期!」
「ふふ、二人とももうホントに寝ないとだよ」
「そだねぇ、憂、あずにゃん、おやすみだにゃー」
「うん。お姉ちゃん、梓ちゃんおやすみにゃ」
「憂、唯先輩、……おやすみにゃあ」
「「!!」」
結局、梓ちゃんの一言で眠れなくなっちゃった私達は眠気に勝てなくなるまでお話ししてしまい、
三人揃って朝寝坊して、学校まで走っていく事になっちゃっいました。
でもすごく嬉しくって楽しい誕生日でした。
梓ちゃん、早くお義姉ちゃんにならないかな!
おわり
- そういや誕生日的にも梓の方が一応年上なんだな・・・ -- (名無しさん) 2011-02-28 22:15:54
- 久し振りに読みたくなったので -- (名無しさん) 2019-02-22 23:30:35
最終更新:2011年02月28日 21:40