4月、出会いの季節であり別れの季節でもある春
5年前、私は可愛い後輩を残し桜ヶ丘高校を後にした
でも今は…
梓「起きてください!もう10時ですよ?」
唯「ほぇ?もうそんな時間なのかい」
梓「もう、さっさと起きて朝ごはん食べてください」
唯「ありがとうあずにゃん
そういって今日も気持ちいい連休初日の朝を迎える
私が成人してからは一人暮らしをし、私の強引なお願いであずにゃんと同居している
あずにゃんの両親も先生になる勉強ができるからよろしくと了承してくれたし憂にも心配をかけなくなって何より私があずにゃんを独り占めできる
まさに一石三鳥だ
頭をかきつつリビングへ向かう
美味しそうなスクランブルエッグ?の匂いが当たりを包んでいる
唯「美味しそうだね」
梓「早くたべないと冷めちゃいますよ」
いまだ先輩と後輩の関係、少し惜しい気もするけどまあいいや
あずにゃんと暮らしているだけで贅沢だもんね
私より料理がうまいあずにゃんを尊敬してしまう
唯「ごちそうさま~美味しいかったよ~」
梓「そ、そうですか…で、この後どうするんですか?」
ふふふあずにゃん照れてる
唯「うーん、じゃあドライブでも行こうよ」
梓「誰が運転するんですか」
唯「勿論私だけど?」
梓「唯先輩免許持ってたんですか?」
唯「え?言ってなかったけ?あずにゃんが卒業したらドライブしようと思って頑張ったんだよ」
梓「そうなんですか、じゃあ温泉に行きましょうよ」
唯「温泉?なんで?」
梓「肌にいいっていうじゃないですか」
唯「そうだね」
梓「最近唯先輩仕事ばっかりで疲れているんじゃないかなって思って」
唯「ありがとあずにゃん」
今日一発目のあずにゃん分補給
そんなに心配してくれるなんてうれしい
梓「行く準備をしましょうか」
唯「うん」
お財布と、バッグと…車の鍵も…あ、着替えなきゃ


戸締りはよし
さぁ行こう
唯「さぁさぁ乗って」
梓「これが唯先輩の車ですか」
唯「えへへすごいでしょ」
梓「じゃあお邪魔しますね」
唯「えっとこれがアクセルでこれがブレーキっと」
梓「あのー、降りていいですか?」
唯「大丈夫大丈夫!まかせておきんしゃい」
ブォン
ブォン ブォォォォン
唯「あれ?動かない」
梓「パーキングになってますよ」
唯「おぉ!ほんとだ!」
梓「事故ったりしませんよね?」
唯「たぶん」
梓「ええ!否定してくださいよ!怖くなるじゃないですか」
唯「だよね、がんばる」
梓「…」
唯「大丈夫ちょっと忘れてただけだよ、教習所の先生には筋があるといわれたもんね」
梓「運転できても走らせれないと…」
唯「グサッ」
梓「と、とにかく行きましょう」
唯「そうだね…」
ブォォォン!
梓「にゃっ!」
ちょっときつく踏み込んだかな
梓「危ないじゃないですか!」
唯「えへへごめんごめん」
梓「まだ死にたくないですよ」
唯「嫌だ!あずにゃんがいなくなるなんて嫌だ!」
梓「唯先輩…//」
唯「あずにゃん…//」
梓「あ!唯先輩前見てください!」
唯「え!?わあああああ」
梓「わああああ!」カクン
唯「ふぅふぅ危なかったってあずにゃん!?」
気絶してる…
流石に危険すぎたかな
あずにゃんには悪いことをしちゃったな
次はしっかり前を見据え、ハンドルをきる
唯「ここが右で…あ、左で、ここをまっすぐっと」
うん、いける
気付くと山道を車ですらすらと走らせている自分
前まで、あずにゃんがいない時はガラガラの国道を走るのさえおぼつかなかった
そんな自分が今は険しい山道をすらすら走っている
唯「着いた!」
だいぶ山道を登り山の中腹にある秘境の温泉
疲れや肌の荒れに効きそしてある言い伝えがある
一緒に入った者同士絆が強くなる
あずにゃんがここを勧めてくれた理由もよくわかる
だって学校の先生してるしね
唯「あずにゃん、起きてよあずにゃん」
梓「唯先輩…?」
唯「着いたよ」
梓「ふぁ~」っとあずにゃんが欠伸をする
唯「行くよ!」
梓「あ、待ってください!」


中は少し古びていてお世辞にもお客がいるとは言えないし綺麗でもない
しかしその方が都合がいい
だって…
唯「あ~ずにゃん!」
梓「わっ お風呂の中で抱きつかないでください熱いです」
唯「ほんとだ、あずにゃん真っ赤」
やっぱり猫は熱いのも苦手なのかなぁ?
二人でお風呂といういいムード
朝風呂も気持ちいいな
梓「もう、いい大人なんですから少しは考えて行動してくださいよ」
唯「ごめんごめん」
えへへーといつもの通り笑う
するとあずにゃんも許してくれる
梓「では体洗いましょうか」
唯「じゃああずにゃんから座って」
梓「それではお先に」
唯「あずにゃんの髪綺麗だね」
梓「そうですか、唯先輩も綺麗だと思いますよ」
唯「雨の日のお手入れは大変だけどね」
広い浴室
二人だけの時間
唯「さぁおしまい!」
梓「ありがとうございます、次唯先輩の番です」
唯「はいはい」
人に髪を洗ってもらうのは小さい頃お母さんにやってもらったけど他人にしてもらうって結構緊張するね
まああずにゃんだからうれしいけど
前にある鏡を見る
不意に鏡の中のあずにゃんと目合う
あずにゃんも私も恥ずかしくて目を背けてしまう


梓「唯先輩のも終了!」
唯「おお!綺麗になった!ありがとねあずにゃん」
梓「いえいえ」
そろそろあずにゃんがゆでたこにゃんになりそうなので体を拭き車にもどることにした
梓「唯先輩痛いです」
唯「だめ、これぐらい拭かないと風邪ひくから」
梓「うぅ」
備え付けのドライヤーで頭を乾かして…
唯「…」ジー
梓「な、なんですか?そんなジロジロ見ないで下さいよ…」
唯「髪下ろしたあずにゃんも可愛いね」
梓「なんですか、いきなり」
唯「いやなんでも~」
ふふふまたあずにゃん照れてる
唯「アイス食べたいよぉ」
梓「ここらには売ってませんね…あ」
唯「どうしたの?」
梓「たい焼きですよたい焼き!」
唯「そういえばあずにゃんたい焼き好きだったね」
梓「おじさん、たい焼き二つ」
おじさん「はいお嬢ちゃん、200円ね」
梓「200円っと唯先輩」
唯「ほぇ?」
梓「たい焼きです」
唯「ありがとー」
梓「おいしいですね」
唯「お風呂の後にたい焼きもありだね」

こうしてお風呂の後はたい焼きという二人だけの法律が定まった
続く

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最終更新:2011年05月10日 23:02