ピピピ、ピピピ、ピピピ。カチャ。
私は目覚ましを止め、カーテンを開けて、外を見る。
「う~ん、今日もいい天気だ。絶好の旅立ち日和だ」
そう、何を隠そう、今日は、私、中野梓がポケモンマスターになるために旅に出る日です。この日の
ために、オーキド博士の助手になり、勉強してきました。私の他にも、澪先輩、律先輩、ムギ先輩
も旅に出るのだ。私は尊敬する先輩達をも、超えてポケモンマスターになってやるです。
「おっと、そろそろ、行かないと」
今日は、オーキド博士からポケモンをもらい、旅に出ます。遅刻したら、選ぶ権利がなくなるって
博士も行ってたので、余裕を持っていくべきなのです。長旅になるので、この部屋とも、お別れ
だと、思うと少し寂しい。
「じゃあ、行ってくるね」
「体には気をつけるのよ」
「うん。次に帰ってくる時は、ポケモンマスターになって帰ってくるよ」
「楽しみに待ってるよ」
私は両親と一時の別れを済ませ、研究所に向かう。ここ、マサラタウンは都会とは違うけど、空気
も澄んでて、良い所だ。よく、マサラはまっしろはじまりのいろとかよごれなきいろなんて、言われ
るらしいけど、たしかに、その名前に値するほど、自然も豊かだし、綺麗な所だ。おっと、そんな
ことを考えていたら、もう研究所ですね。

「博士、おはようございます」
「おお~、梓君。ずいぶん早いのう。まだ、一時間も前じゃよ」
「楽しみでつい早く来ちゃいました」
「そうか、そうか。だが、まだ、他の3人はまだ来ていないのじゃ。悪いがもう少し、待ってくれん
かの」
「はい、大丈夫です」
それにしても、博士の助手として、ポケモンの勉強をして長いものですね。といっても、
1年ですけどね。本当は去年でも出発したかったんですけど、両親が「勉強してから行きなさい」
って言うもんですから、オーキド博士の助手として勉強してきました。その時に、そこで、先に
勉強してきた澪先輩達に会ったんですから、結果的にはよかったんですが。先輩たちは、去年
にいけるらしかったんですが、去年は志願者も多かったらしく、その方々に譲って、今年、出発
になったそうです。
「ジー」
私がこの研究所での思い出に浸っていると、なにやら、視線を感じます。その視線の方を見ると
背中にはギターを背負っている小さい女の子(?)がこちらを見ています。大きさは、ピカチュウ
くらいですかね。私たちは旅の準備で研究所を1週間休んでいましたが、その間に博士の
お孫さんでも来たんでしょうか?でも、お孫さんは男の子で1年前に旅に出たはずですし。
とすると、あの女の子って誰なんですかね。そんな考えをしている間にも、その子は「ジー」と
私を見て来ます。正直かなり気になるので声でもかけようかなと考えていると、
「どうしたのかね、梓君」
「あ、いえ、あの、あそこに居る女の子って?」
「ああ、あれはのう、2日前くらいに行き倒れていたポケモンなんじゃよ」
「ポケモン?あれが?どうみても、ただの女の子ですけど・・・・・」
「そう見えるがのう。あれでも、れっきとしたポケモンなんじゃよ。おーい、ゆいよ。こっちに来なさい」
博士が呼ぶと、小さいギターを背負った女の子がぴょこぴょこって歩いてきました。・・・・・・・正直、
とっても可愛いです。
「自己紹介しなさい」
「自己紹介?しゃべれるんですか?やっぱり、ポケモンじゃないんじゃ・・・・・・・」
「む、失礼だね、お嬢さん」
「わ、しゃっべた」
「私はれっきとしたポケモンなんだよ~。名前はゆいっていうんだ~」
「は、はあ」
「むう~、信じてないね。博士、私をボールに戻してみてよ」
「仕方がないのう」
博士がボールを向けると、ゆいと名乗る自称ポケモンはボールに入りました。
「分かったかのう。こんななりでも、一応ポケモンなんじゃ」
再び、ゆいを出しながら、博士は言いました。
「分かったかね、お嬢さん」
ゆいは胸を張って、得意げに言いました。・・・・・・・・・可愛い。
「ところで、お嬢さん。あなたのお名前を教えてくれないかい」
「あ、そういえば、まだ、言ってなかったですね」
私は、視線を合わせて、自己紹介をします。
「私の名前は、中野梓って言います」
「年は?」
「年?17歳だよ」
「ふむ、私の年は18歳だから、私のほうが先輩だね。気軽にゆい先輩と呼んでいいよ」
「は、はあ(ポケモンにも年齢ってあるんだ)。ところで、どうして、行き倒れていたんです?」
「ああ、それはね。私はね、旅に出てたんだよ」
「旅?」
「うん。私はね、私のトレーナを探して、旅をしてたんだよ。」
「トレーナーですか」
「うん。それでね、ご飯を見つけられずに倒れちゃってね。倒れているところを博士に助けられ
ちゃったわけでね」
「そうなんですか。ちなみにどれくらい旅を・・・・・・」
「1週間だよ」
「そうなんですか。1週間も旅を・・・・・・ってたったの1週間ですか!」
「えへへ~」
「褒めてませんよ」
本当にポケモンなんでしょうか?

「まあ、でも、思ったほど、はやくトレーナーを見つけられたんだよ」
「そうなんですか。よかったですね」
そう言って、ゆい先輩(とりあえず、そう呼ぶことにします)の頭をなでます。トレーナーっていう
のは、きっと博士のことでしょうね。助けてもらってますし。
「う~ん」
「どうしたんですか?」
「ちょっと、目をつぶってくれないかな?」
「えーと、どうしてです?」
「いいから」
仕方がないから、目をつぶります.。
「えいっ!」
と言う掛け声とともに私の頭に何かをつけられます。
「もう、開けていいよ」
「あの、何をしたんです?」
ゆい先輩はなにも答えずに、鏡を私に向ける。鏡にはネコミミをつけた私がいます。って、
「な、何をするんです!」
「とっても、にあうね~。ねえ、ねえ、「にゃあ~」ってやってよ~」
「やりませんよ」
「え~、やってよ~」
「嫌ですよ」
「お願いだよ、お願いします~」
「・・・・・・・・・・はあ、分かりました。1回だけですよ」
「うん。それでいいよ」
「じゃあ、いきますよ・・・・・・・・・・・・・にゃあ~」
「おう、博士、来たぞ~」
「博士、おはようございます」
「おはようございます」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「何をやってるんだ、梓は」
「・・・・・・・・・・・聞かないで下さい」
「わ~、あだ名は、あずにゃんに決定だね」
「で、この子は一体何なんだ」
「とっても、可愛いわね」
「ふむ、これはのう、最近発見された新種のポケモンなんじゃ」
「あ、博士」
「こんな女の子みたいのがポケモンなんですか」
「まだまだ、ポケモンにも謎が多いということね」
「うむ、その通りじゃ。それよりも、全員、集まったのじゃから、そろそろ、ポケモンを渡したい
んじゃが」
「おっと、そうだった」
「で、どんなポケモンなんです?」
「ヒトカゲ、フシギダネ、ゼニガメ、最後にピカチュウじゃ」
「なるほど。でも、どうやって決めるんですか?」
「ふむ、一斉に指を指し、被ったら、ジャンケンじゃな」
「随分、いい加減だな」
「では、今から、五分あげるからのう。どれがいいのか、考えるのじゃ」

ふむ、これは考えどころですね。炎タイプのヒトカゲは炎は強力ですが防御力が弱いのが難点
ですし。草タイプのフシギタネはたしか最終進化が一番早いはず。扱いやすいですし。
水タイプのゼニガメは弱点も少なく、それなりに強いはず。最後に電気タイプのピカチュウは1年
前に旅立った、サトシさんが使ってたポケモンですね。一番可愛いとは思いますが、戦力としては
どうでしょう。
「ねえ、ねえ」
                • う~ん、やっぱりゼニガメですかね。可愛さという点ではピカチュウですが。
「ねえったら」
ですが、残りの2匹も捨てがたいですし。
「わ~ん、あずにゃんが無視するよ~」
「あ、いえ、無視していたんじゃなくて、考えに集中して聞こえなかったんですよ」
「考え事?何の?」
「だから、この、4匹の中で何にするって」
「?そんなの考えなくても、大丈夫だよ~」
「どうしてです?」
「だって、あずにゃんのポケモンは私だもん!!」
「あの、何を言ってるんです?」
「なるほどのう、梓君はゆいを選ぶのかよ」
「なんだよ、梓。フライングかよ。ずるいぞ」
「あら。梓ちゃんはこの4匹の中から選んだわけじゃないから、ある意味ではフライングじゃな
いんじゃないかしら」
「たしかに。それに、梓が選んだわけじゃなく、向こうから選ばれたわけだしな」
「み、皆さん、何勝手に話を進めてるんですか!そうだ、ほら、この子は新種なんですよね、
博士」
「そのとおりじゃ。このタイプのポケモンは今までに発見されておらん」
「じゃあ、研究しないといけませんね。せっかくだけど連れて行くのは」
「たしかに、研究しないといけないのはたしかなんじゃが、その容姿じゃろ?最近のご時勢で
そんなことをしては、世間的にもいろいろと問題がのう。それにゆいは梓君になついているし、
このゆいは、まだまだ、謎が多いんじゃ。だから、旅を続けると同時に観察もしてくれると
ありがたいんじゃ」
そう言われると断りづらい。
「あずにゃんは私がポケモンじゃ嫌なの?」
「別に嫌なわけじゃないんですけど、えーと、私がトレーナーでいいんですか?」
「何も問題ないよ。私はあずにゃんがいいんだよ」
そうはっきり言われると照れますね。
「まあ、梓のポケモンも決まったわけだし、私達も決めるか。私はこれだ」
「じゃあ、私はこれ」
「私はこれにするわ」
「あ、ちょっと・・・・・・」
なんか、もうどんどん話が進んでいて止められませんね。この流れ的に私はこのゆい先輩で
頑張るしかないんですね。ちなみに、律先輩がヒトカゲ、澪先輩がゼニガメ、ムギ先輩がフシギ
ダネを選びました。ピカチュウは私がゆい先輩を選んだため、選択肢から却下されました。
(本来、ピカチュウはもらえるポケモンに入らないそうです)はあ、最初からこれじゃ私のポケモン
マスターを目指す旅も前途多難ですね。・・・・・・・・・これからどうしましょう。ま、まあ、他の
ポケモンをゲットすれば、なんとか、なりますよね、きっと。
「おい、梓」
「なんですか、律先輩」
「せっかく、ポケモンをもらったんだ。勝負しようぜ」
「勝負ですか」
正直、まったく勝てる気はしませんが、このゆい先輩の実力を見れるかもしれませんね。
「いいですよ。ゆい先輩は戦えますか?」
「任せてよ~」

「では、これより、バトルを始めます」
「ねえねえ、あずにゃん」
「何ですか?」
「もし、私が勝ったら、ギュッと抱っこしてくれる?」

「はあ。まあ、それくらいならしますけど」
それで勝てるんならいいんですけどね。
「本当に!?よ~し、じゃあ、さっさとやつけてあげるよ」
「バトル開始!!」
「サッサと決めるぜ。行け、ヒトカゲ、ひっかく攻撃だ」
「カゲッ」
ヒトカゲはゆい先輩に向かって、突っ込んできます。
「君には怨みはないが私がサッサと倒してあげよう。いくよ、ギー太。ジャジャーン」
おお、いやなおとです。
「カゲ~」
ヒトカゲには効いているようです。
「かまうな、ヒトカゲ。そのまま、ひっかく攻撃だ」
「もういっちょ、いくよ~。ら~らら~」
今度は、うたう攻撃です。
「カゲ~。ぐ~ぐ~」
おお!効いていますよ。
「では、とどめだよ~。ゆいちゃん真剣奥義「ゆいちゃん衝撃波」ジャジャジャーン」
なんと、ギターから衝撃波が出ています。
「カゲ~」
バーンとヒトカゲが壁に吹っ飛ばされてしまいました。つまり、これって・・・・・・。
「ヒトカゲ、戦闘不能。よって、梓の勝利です」
「わ~い、わ~い。勝ったよ~」
「勝っちゃいました」
まさか、本当に勝つとは・・・・・・・・・・・。
「じゃあ、あすにゃん。約束だよ、抱っこして~」
「まあ、約束ですし」
とりあえず、抱っこします。
「わ~い」
「あの、こんなことされて、嬉しいんですか?」
「うん。好きな人から抱っこされるのはとっても気持ちいいんだよ~」
「は、はあ。そうなんですか」
「ん?どうしたの、あずにゃん。顔真っ赤だよ?」
「な、なんでもありません」

「くそっ。負けちまったよ」
「油断するからだぞ」
「そうはいってもな。あれを見ろよ」
「ついでにキスもしようよ~」
「それは駄目ですよ」
「あ~ん、あずにゃんのケチ~」
「・・・・・・・・・たしかに、油断するのも仕方がないな」
「ところで、お前らはどっちが勝ったんだ?」
「引き分けだよ」
「引き分け?」
「ああ、どっちも棄権してな」
「棄権って・・・・・・・・」

「ここで、手の内を見せる必要もないからな」
「こんな所から、そんなことしなくてもいいだろ」
「あら、りっちゃん。もう勝負は始まっているのよ」
「それにしても、ゆいか。この中なら、警戒すべきはムギだけかと思ったが、思わぬ伏兵がいた
とはな」
「あら、私は警戒してくれるの?光栄ね」
「なんだよ。私と梓は論外ってか。まあ、私は付き合いが長いから良いとしても、梓もか」
「梓のパターンはこの1年の助手をして、だいたい、掴んでいる。律とは付き合いが深いからな。
だが、ムギはこの2年を通しても、まったく、手の内を見せないしな」
「あら、澪ちゃんもこの2年間、手の内を見せてくれなかったじゃない。それにしてもあれだけ
可愛がってた梓ちゃんを過小評価しすぎじゃないかしら」
「力が未知数のゆいを手に入れ、真面目な梓のことだ。強くなるだろうな。別に過小評価して
いるわけじゃないよ。たしかに私は梓を可愛がってたのは事実だが、私に牙を向けるなら、梓
いや、梓のみならず律やムギも容赦なく潰すよ」
(まったく、なんて眼だ。昔からの付き合いでも、澪の力の奥底が見えねえ)
(さすがね、澪ちゃん。その眼にあるのは絶対的な自信。それでこそ、あなたとは全力で戦い、
最高の戦いをしてみたい!!)
「あの、皆さん。そっちで何の話をしてるんですか?」
「なんでもないよ、梓」
「ええ、もうすぐ、一時の別れだからそれを惜しんでただけよ」
「そうですか。それはそうですよね、皆さんは私よりも付き合い長いですし」
「ああ。でも、梓とも一時でも別れるのは辛いよ」
「ええ。私達よりも付き合いは短いけど、梓ちゃんも立派な仲間だもの」
「皆さん・・・・・・・・・」
「相変わらず、梓の前ではお前ら性格変わるな」
「何か言ったか、律」
「何か言ったかしら、りっちゃん」
「別に何も言ってないよ」
「ふむ、名残惜しいがもう出発の時間じゃ。皆頑張るんじゃよ」
「「「「はい!」」」」
こうして、私のポケモンマスターへの旅が始まりました。ちょっと、私のポケモンは頼りないです
けど、私はポケモンリーグで優勝して見せます。やってやるです。

「あの、なんですか、これ」
「どうかしら?ポケットモンスターゆいバージョンは」
「なんか、澪先輩とかキャラ変わりすぎじゃありません?」
「なにを言ってるの、梓ちゃん。こういうキャラの方が盛り上がるでしょ。実際の私達に合わせたら、
皆一緒に、のんきな旅になるでしょ。そしたら、ゲームとしては盛り上がらないわ」
「そうなんですか。私はあんまりゲームをやらないので分かりませんが。・・・・・・・それより、唯先輩」
「ん?な~に?」
「なんで、私を抱きながらゲームを見てるんです?」
「こうすれば、あずにゃん分を補充しながら、ゲームも楽しめるんだよ~」
「それで楽しいんですか?」
「うん、楽しいよ~」
「ならいいんですが。・・・・・・・それにしても、このゲームってなんかいろいろと問題がある気が
するんですが」

「大丈夫よ。実は、ゲーム制作会社に私の親戚がいてね、特別に作ってもらったんだ」
「何で、急に国民的アニメの小学生みたいな口調に」
「へえ~、すごいね~。私にもやらせてよ、ムギ夫」
「何ですか、ムギ夫って」
「残念だけど、このゲームは3人用なんだ。だから、ゆい太はだ~め」
「悪いな、ゆい太」
「ええっ!」
「何ですか、この三文芝居は」
「わ~ん、りつあんとムギ夫が意地悪するよ~。助けて、みおえもん」
「おおっ。あずえもんっていうかと思ったが予想外だ」
「本当ね」
「何を冷静に言ってるんです」
「みおえも~ん、道具出して~」
「え、えっと、ゲームを貸してほしいんだよな。そしたら、私が律に言って・・・・・」
「違うよ~、あずかちゃんと急速に仲良くなれる道具出してよ~」
「おっと、いきなり、ゲームから離れたぞ」
「な、何を分けわかんないことを言ってるんです!」
「そんなことをしなくても、仲良いんじゃないか?」
「もっと、仲を深めたいんだよ~」
「そうか。で、でも私にはそんな道具は・・・・・・・・・・」
「待て、みおえもん」
「なんだよ」
「せっかく、友達が頼んでるんだ。ちゃんと、道具を出さないとな」
「そんなことを言われてもな。肝心の道具が」
「そこは任せろ。おい、ムギ夫」
「はい、りつあん」
「・・・・・・・・・・・一体、いつまでこのやり取りを。で、これどうするんだ?」
「これはな、ゴニョゴニョ」
「早く出してよ~。みおえも~ん」
「わ、わかった、ゆい太」
「ゆい太君だぞ、みおえもん」
「う、うるさい。え、え~と「ジュースとコップとストロー」」
「ん?これをどう使うの?」
「こ、これはまず、コップにジュースを入れる」
「うん」
「そして、ストローを2つコップに入れる」
「なるほど。でも、コップ1つにストロー2本っていうのは?」
「なんだか、果てしなく嫌な予感しかしません」
「こ、これをな、ふ、2人で飲むんだ。こ、恋人のようにな」
「やっぱり!」
「なるほど、さすがはみおえもん。早速試してみるよ。さあ、やろうよ、あずかちゃん」
「い、嫌ですよ、引っ張らないで下さいよ~」
「さて、私たちはポケモンでもやるか。ほら、澪も、あずバージョンをやろうぜ」
「私もやるのか。でもこういうのは」
「私が教えてやるから、大丈夫だよ。せっかくムギが持ってきたんだから」
「別に無理してやらなくてもいいのよ、澪ちゃん」

「いや、やるよ。ムギはどっちをやってるんだ?」
「私はあずバージョンでりっちゃんはゆいバージョンをやってるわ」
「で、唯のは大丈夫なのか」
「唯ちゃんは梓ちゃんと一緒にやるから大丈夫よ」
「梓はゲームはあんまりやらないらしいし、唯も一緒にやれば、ちょうどいいだろ」

「あずにゃんから飲んでいいよ。後からだと恥ずかしいもんね。その役は私が引き受けるよ。あ、
量のことは心配しなくていいよ。おかわりもみおえもんからもらったからね」
「わ~ん、ゲームやってないで助けてくださいよ~」
「そっか。嫌なんだね、あずにゃん」
「べ、別に嫌というわけでなくて、なんというか、とっても恥ずかしいというか」
「ごめんね、あずにゃん。もう言わないよ。さあ、皆と一緒にゲームをしよう」
「わ、分かりました。そんなに悲しい顔しないで下さい。やりますから」
「無理しなくていいんだよ。私は大丈夫だから」
「無理してるわけじゃなくて、その、恥ずかしかっただけで・・・・・・・・ゴホン、後輩として先輩の言う
事は聞かないといけませんからね」
「なんか、私が無理矢理させてるみたいだね」
「別に、そんなわけでは・・・・・・もういいですから、飲みましょう。それとも、唯先輩は嫌ですか?」
「そんなことないよ。じゃあ、あずにゃんから飲んで」
「・・・・・・・・・・・・はい」
「ドキドキだね、あずにゃん」
「はい」

「大成功だな、みおえもん」
「本当に成功なのか、これは。それにゲームとは関係なくなってる気が」
「細かいことは気にしちゃ駄目よ」


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最終更新:2011年05月21日 04:38