今年もあと僅かとなったある日、梓は唯の家に遊びに来ていた。

唯「今年ももうすぐ終わりだねぇ」

梓「そうですね・・・なんか1年があっという間だった気がします」

唯「あずにゃんと仲良くコタツに入ってのんびりできて・・・もうこのまま年越しでも良いや~♪」

梓「もう、そんな事言って・・・唯先輩はもう今年やり残した事は無いんですか?」

唯「うん!・・・・・・あっ・・・」

梓「・・・なんですか、そのすっかり忘れてた、みたいな表情は・・・?」

唯「年賀状書くの忘れてたぁ~」

梓「こらー!って『ごはんはおかず』的なノリで言わないでください!」

唯「でも、今から書けば間に合うよね~」

梓「唯先輩・・・さすがにもうダメです・・・」

唯「えぇ~・・・ダメェ?」

梓「一般的に、年賀状は25日までにポストに投函しないと、1月1日には届かないんですよ・・・」

唯「そうなの!?・・・クリスマスの日はあずにゃんとデートに夢中になってたからなぁ・・・」

梓「そ、その前に出せば良かったじゃないですか・・・///」

唯「でもでも、あずにゃんとのデートのプランを考えるのに必死だったし・・・」

梓「ま、まぁおかげで楽しい一時を過ごす事ができましたけど///」

唯「でも、今日はまだ12月29日だよ!・・・まだ、1月1日に年賀状を届ける事は可能だよね!」

梓「はぁ・・・」


唯「じゃあ、あずにゃん・・・一緒に写真撮ろう!

梓「何が、『じゃあ』なんですか・・・」

唯「いくよ~♪・・・私の部屋に居るぅ、私達!!」パチッ

梓「・・・何ですか、その掛け声は」

唯「エヘヘ♪どんな写真が撮れたかなぁ~♪」

梓「上手く撮れましたか?」

唯「あずにゃん、表情硬いね・・・もっと笑ってよぉ~」

梓「いきなりカメラを向けられたので・・・それに、笑顔を作るのってちょっと苦手なんですよ・・・」

唯「そういえば、今まで撮影してもらったツーショット写真も・・・あずにゃんの表情が結構硬いよね」

梓「そ、そうでしたっけ・・・」

唯「公園の滑り台の上で撮ってもらった、初めてのあずにゃんとのツーショット写真・・・私、こんなに笑ってるのに、あずにゃん・・・何か顔が強張ってるよ?」

梓「こ、この時は初めて唯先輩の事を後ろからギュッと抱きしめたからですよ///」

唯「撮ってくれた人も、あずにゃんに恥ずかしがらないで、もっと強く抱きしめてって言ってたよね」

梓「ま、まだ唯先輩と2人きりの時間に慣れてなかったから・・・あれが精一杯だったんです・・・」



唯「あっ、この写真・・・公園の原っぱであずにゃんに抱きつこうとした時も、あずにゃん嬉しそうじゃない・・・」

梓「これは本を読んでたら、急に唯先輩が後ろから抱きついてきたからビックリしたんですよ!」

唯「せっかくの学校帰りのデートだったのに・・・私がちょっとトイレに行った隙に本なんて読んじゃって・・・この時、何の本読んでたの?」

梓「ひ、秘密です!!」

梓(言えない・・・先輩後輩から恋人同士になれる♀同士の恋愛書を・・・ムギ先輩から借りてたなんて・・・絶対に言えない!!)

唯「ゆいあずで演芸大会に出た時、ステージ上で撮ってくれた写真も・・・あずにゃん、凄く真剣というか・・・やっぱり顔が強張ってる・・・」

梓「この時は、ただ緊張してたからですよ・・・逆にマイペースを保って、こんな良い表情ができる唯先輩が凄いんですよ」

唯「そうなのかなぁ・・・?」

梓(ハリセンで唯先輩を早く叩いてみたくてウズウズしてたけど、表情に出ないように我慢してたっていうのもあるんだけどね・・・。
  リハの時の唯先輩の反応が凄く可愛かったし・・・)



唯「あっ!あずにゃんが笑ってる写真あった!・・・けど・・・」

梓「ん?・・・何ですか?」

唯「私のオデコを晒して・・・私が涙目になってるのに、あずにゃん喜んでる・・・あずにゃんがSにゃんだった時だ・・・」

梓「なっ!?べ、別に私、そういう趣味があるとかじゃないんですよ!?ちょっと、いつもと立場を逆転したかったというか・・・」

梓(ちょうどこの日、ムギ先輩から『ゆいあず』も良いけど『あずゆい』も良いと思うの~とか言われた後だったし・・・)

唯「そういえば、この写真撮ってくれた人も、今回はあずゆいで行こうか~とか言ってたけど・・・何の事だったんだろう?」

梓(言えない・・・ムギ先輩から唯先輩を攻める立場になってみてってアドバイスを受けて・・・調子に乗っちゃったなんて・・・言えないよぉ!!)

唯「・・・この写真撮ってくれたのって、いつも同じ人だったよね・・・。沢庵みたいな眉毛をしたおじさんだったけど誰だったんだろう・・・?」

梓「さ、さぁ・・・」

唯「あずにゃんとのツーショット写真・・・あまり良い物が無いので、今からラブラブな写真を撮るよ!!」

梓「ちょっ、草原で唯先輩に膝枕をしてもらってじゃれ合ったり、ゆいあずの衣装で一緒にシャボン玉をやったり、もっと良い写真もありますよ!!」

唯「あっ、バレちゃった?・・・エヘヘ、ちゃんとその写真も残ってるよぉ♪」

梓「もぅ・・・ラブラブな写真が撮りたいなら、最初からそう言ってくれれば良いのに・・・」ギュッ

唯「おぉ、あずにゃんがデレにゃんになって、私に密着してくれてる!!じゃあ、今がシャッターチャンスだよ!!」パシャ

紬「うふふっ♪いただきましたわぁ~♪」

梓「・・・ムギ先輩!?どうして唯先輩の家に!?」

唯「今の写真を撮ってもらう為に、ずっとムギちゃんには隠れて待機してもらってたんだよ!」

紬「じゃあ、早速加工させてもらうわね♪」

梓「その写真、どうするんですかぁ、ムギ先輩ー!!」

唯「どうなるか・・・時期にわかるよ♪」



梓「・・・と唯先輩から言われたけれど、何もわからないままお正月を迎えてしまった・・・」

梓「あっ、純からメール・・・『あけましておめでとう!この幸せ者がぁ!・・・今年もリア充爆発してしまえ』・・・って何の事?」

梓「澪先輩からもメール・・・『あけましておめでとう。2人とも末永く幸せにな!』・・・って、澪先輩も何を・・・」

梓「おっ、憂からメール・・・『あけましておめでとう♪これからは梓お義姉ちゃんって呼ぶね』って・・・憂まで言ってるんだろう!?」

梓「・・・と、とりあえずお正月だし・・・年賀状を郵便受けまで取りに行こうかな・・・」



梓「今年は結構来てる・・・。唯先輩からも来てる!?・・・さては唯先輩、直接ここに投函しに来たな・・・。まぁ、唯先輩らしいけど・・・」

梓「どんな年賀状を送ってきたのかな・・・って!?」


『私達、結婚しました♪ これからも私達二人、宜しくお願いします♪ 平沢唯v梓』



梓「ね・・・ね・・・年賀状関係なーい!!もう、ムギ先輩に何て物を作らせてんですか、唯先輩!!///」


梓が持つ年賀状・・・そこには、唯をしっかりと抱き寄せ、口元を緩ませながら赤く頬を染めている梓がいた。


END


  • 今までの版権絵を振り返ってて懐かしい気分になれる -- (YTR) 2012-01-06 02:33:18
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最終更新:2011年12月30日 23:36