「やっぱりそんな関係おかしいですよ」
真剣に話し合わなきゃいけないことがある。
そう
あずにゃんに強く言われて、私たちは向かい合っている。
いつもなら抱きつかせてくれるのに、今日に限ってはそれも許してくれない。
怖いくらいにあずにゃんの顔は強ばっていた。
「唯先輩、私たちの関係は一体なんですか?」
「えへへ~、恋人さんだよ~」
「恋人である前に
先輩後輩の間柄だったはずです」
「………」
きっぱりと言い放つあずにゃん。
おちゃらけて空気を和まそうとしたけど、それも不発だったみたいだ。
でもでも、今更先輩後輩ってのを強調されちゃうと悲しいなぁー
「私は唯先輩に憧れて軽音楽部に入部したんです」
「うん、可愛い可愛い後輩だよ」
「そうです。私とあなたは先輩後輩。どう頑張ってもこの関係は変えられません。変えちゃいけないと思うんです」
「…あずにゃん?」
段々不安になってきた。ううん、不安なんてものじゃない。
私たちは先輩後輩だって何度も繰り返すあずにゃんのことが私は怖くなっていた。
信じたくないし、絶対にありえないはずのことだけど、もしかしたらって、最悪のシナリオが頭の中で堂々巡りする。「唯先輩、今日は恋人としてでなく後輩としてお願いします。…いつまでも私の先輩でいてください」
「どうして…どうしてそんなこと言うのっ!?」
あずにゃんの口から出たのが、思いつく限りの中でも最悪のものだったから、私はつい大声を出してしまった。
「確かに私とあずにゃんは先輩後輩だったよ!?でも私はそんなのいやなんだよ。先輩後輩のままなんてヤだ!」
「あなたは私の先輩で、私はあなたの後輩。そうあることがお互いの為なんです。…この先の人生のことを考えたら、今、決断するしかありません」
「決断って何!?」
「世間のことだってありますし…」
「世間のことなんて関係ないよ!私はあずにゃんと
ずっと一緒にいたいんだよ!机も並べてさ、どんなときだって一緒がいい!」
「私だって気持ちは同じです。本音を言えば唯先輩と一秒だって離れたくありません。でも…それじゃダメなんです」
「あずにゃん…」
そう言って、あずにゃんは私の前に一枚の書類を差し出した。
それは、私たちを引き裂く為の、悪魔の契約書みたいなものだ。
「私を…あなたの背中を追いかける後輩でいさせてください」
「うっ…ふぐっ…ううっ…」
あずにゃんのその言葉で私はとうとう泣き出してしまった。
私のわがままをあずにゃんは許してくれなかった。
いつでも一緒にいようねってお願いを拒否されてしまった。
恋人なのに。恋人のはずなのに。私の気持ちはあずにゃんには届かない。
私の気持ちを無視してあずにゃんは書類にサインするよう迫ってくる。
本当にいいの?あずにゃんは私が離れても平気なの?
これにサインしちゃったら、私たちは離れ離れになるかも知れないんだよ?
それなのに…どうして平気な顔していられるの?
私たちはそんな程度の関係だったの!?
答えてよ…答えてよ、あずにゃんっ!!
「さっきから唯はなにをやってんだ?」
あずにゃんからの仕打ちにショックを受けてる私にりっちゃんが脳天気に話しかけてくる。
こんなときに横入りなんてやめてよ!だからおでこ広いんだよぅ!
「梓が困ってるだろ、早く名前書いてあげなよ」
「そうよ、唯ちゃん。寂しいのはわかるけど、梓ちゃんの言うとおり、唯ちゃんの為なのよ?」
ひどいよ…ひどいよ、みんな…私とあずにゃんを引き裂くつもりなんだね…。
みんなだったら、私の気持ちをわかってくれると信じてたのに……
みんな、みんな裏切り者だぁ!
「いや、いっそ留年して梓と一緒に卒業、梓と同級生になって大学進学とか言われたら誰だって止めるだろ」
何を…何を言ってるのさ、りっちゃん!!
そりゃ、りっちゃんはいいよ!?澪ちゃんは同級生だし、こんな気持ちにならないだろうし。
でも、私は違う。違うんだ。
あずにゃんと一緒にいられるかそうでないかは、私には命より大切な問題なんだよぅ~!
「そんな別れ話みたいな言い方しなくても…」
「ちょ、ちょっと澪先輩。別れ話なんて縁起でもってないこと言わないでくださいよー。
最初に言ったじゃないですか、恋人である前に先輩後輩なんだって。私と唯先輩のお付き合いはこれとは別問題です」
「と言うよりも無問題よね。唯ちゃんと梓ちゃん、もう半分週末婚みたいなものだし♪」
「からかわないでくださいよぉ、ムギ先輩///」
むー!むーむーむー!みんなやっぱりわかってないよぉ!
愛してるから一秒だって離れたくないんじゃん!いつだって傍にいたいのにぃー!
「特別補講の申請用紙回収しに来たけど、唯、もう書けた?」
おぉう!和ちゃんまで私を追い詰めに来たよ!サドだよ!ドSだよ!
「うぅー…和ちゃんのいじめっ子」
「特別補講はあなたの将来の為でしょ。なんだかんだ言ったって留年しちゃうと世間は冷たいわよ。就職にも響くし。
ここでがんばらなきゃ梓ちゃんや憂と同級生になっちゃうわよ」
「それが狙いです!」
「ばかなこと言ってないで、ほら、早く名前書きなさい。
…全く、梓ちゃんも唯が相手じゃ苦労が多いでしょ?」
「本当ですよ。もっとしっかりしてもらわなきゃ、(ふたりの)将来が心配です」
そう言って私をふたりがかりで追い詰める…。
あずにゃんもドSだよ…。夜はどっちかって言うとMなのにぃ…。
「うん、書けたみたいね。じゃあ、先生のところに出してくるから。唯、梓ちゃんの為にもがんばりなさい」
とうとう悪魔の契約書を書かされてしまった…。
あずにゃんと引き裂かれちゃうよ!離れ離れになっちゃうよ~!
そんなのイヤなのに~!みんな、やっぱりひどいや!
「そんなに落ち込まなくても…」
「あずにゃんは本当に平気なの~?ふたりでいられる時間が減っちゃうんだよ?私には堪えらんないよ」
「減っちゃうことを嘆くよりもどう増やすかを考えましょうよ。例えば、唯先輩が卒業したらふたりで部屋を借りて一緒に暮らす、とか。
大学生になればそんな自由もできるようになるんですよ?」
「一緒に暮らすってことは結婚ってことよね!?」
「割って入らないでください、ムギ先輩。ま、まぁ、いずれは唯先輩に貰っていただくので予行練習みたいなものですけど///」
成る程、一緒に暮らす、か!
今でも二日に一回はどっちかの家にお泊まりしてるけど、一つ屋根の下に住んでるとは言えないもんね。
あずにゃんより一足先に大学生になったら、その分、結婚に近付くなんて考えてもみなかったよ。
さっすが私のあずにゃん!頭も冴えてるね!
「やる気ちゅう入してあげますから、一緒にがんばりましょう、唯先輩!」
そう言ってキスのサービスまでしてくれたあずにゃんの為にも、私たちのバラ色の未来の為にも
全力でがんばるぞ!お~っ!!
- びびらせやがってwwww -- (名無しさん) 2010-08-01 21:32:00
- まったくだww -- (名無しさん) 2010-08-11 16:35:03
- 悪魔の契約書wwwww -- (はるちん) 2010-09-04 05:34:58
- びびったぜwwww -- (名無し) 2012-08-26 19:18:12
- びびったwww -- (名無しさん) 2012-09-03 01:21:05
- びびったwww -- (名無しさん) 2012-11-19 03:20:10
- なんだ〜特別講習の申込書か、なんか二人は別れる為の契約書かと思ったよ…びびったWWWあとあずにゃん夜はM -- (あずにゃんラブ) 2013-01-18 16:24:12
最終更新:2010年07月31日 15:08